サリドマイドが多発性骨髄腫の治療薬として承認へ

厚生労働省は、胎児に深刻な障害を生んだ催眠鎮静剤サリドマイドを、血液がんの一種、多発性骨髄腫の治療薬として製造販売を承認する方針を決めた。年内にも販売が再開される見通しだ。

同日の有識者検討会で、原則として妊婦の服用を避けるため、〈1〉承認を申請した藤本製薬(大阪府松原市)が患者、医師、薬剤師を登録し、処方量や服用量を管理する〈2〉妊娠の可能性がある患者には処方前に妊娠の有無を検査する〈3〉飲み残さず、不要になったら返却する――などの必要事項を決めた。

サリドマイドは鎮痛剤や胃腸薬として1958年に国内で発売され、つわり止めに使った妊婦の胎児に障害が相次いだ。認定被害者は309人に上り、62年に販売が中止された。(共同)

サリドマイド
副作用のない睡眠薬として開発・販売されましたが、妊婦が用いた場合に催奇形性があり、販売中止となりました。
しかし、90年代に多発性骨髄腫に有効との報告が相次ぎ、がんの治療薬として再び注目されるようになりました。欧米諸国や韓国などでは承認され、サリドマイドを含む併用療法が標準的な治療薬となりつつあります。

人間ドック:「異常なし」が1984年以来、初めて増加

日本人間ドック学会は、2007年に人間ドック受診者のうち、「異常なし」と判定された人が1984年以降で初めて、前年より増加したと発表した。学会は「メタボリック症候群が『メタボ』という流行語になるなど、国民の健康への意識が向上した結果ではないか」と分析。この傾向を定着させたいとしている。

調査対象は学会などが指定する約800施設で受診した約296万人。異常があった検査項目のうち最も多かったのは高コレステロールと肝機能異常で、次いで肥満が続いており、上位3項目は昨年と変わらなかった。食生活や運動など生活習慣との関連が深いものが目立った。

異常なしと判定された受診者を年代別にみると、49歳以下は06年と比べて増加したが、50歳以上はわずかに減少していた。(NEWS47)

パーキンソン病治療薬で突然眠り込む:交通事故が23件

パーキンソン病の治療薬を服用した患者が、車の運転中に突然眠り込んだために起きた交通事故が、1996年からこれまでに23件あったことが、製造販売元2社のまとめでわかった。
うち18件は、日本べーリンガーインゲルハイムが発売した「ビ・シフロール」(一般名プラミペキソール)で起きており、同社は、厚生労働省の指示で医療機関に文書を配り、注意を呼びかけている。

患者が交通事故を起こした薬は、ビ・シフロールのほか、同社の「ドミン」(同タリペキソール)、グラクソ・スミスクラインの「レキップ」(同ロピニロール)で、両社は注意を強めるよう使用説明書も改定した。

日本べーリンガーインゲルハイムによると、3年半にわたりビ・シフロールを服用していた40歳代の女性は、時速50キロ・メートルで走行中に眠り込んでガードレールに衝突し、車は大破してあごにけがをした。事故前から、前兆もなく突然眠ってしまうことがあり、事故後に薬を変えたところ症状は消えた。(YOMIURI ONLINE)

パーキンソン病とは?
中脳にある黒質(黒い色素を含む細胞が集まっている場所です)の神経細胞が変性するために、手足のふるえ、筋肉のこわばり、動きの低下などの症状が現れてくる病気です。

不随意運動(無意識に行われる筋肉の動き)をコントロールしているのは大脳基底核で、大脳基底核へ情報を伝だつするのは、中脳の黒質から放出されるドパミンという神経伝達物質です。
その黒質が何らかの影響で損傷を受け、ドパミンが不足して大脳基底核が正常に機能できなくなるために起こると考えられています。

日本における患者数は、平成17年度厚生労働省患者調査より約14万5000人と推計されていますが、50〜60歳代で発症することが多く、高齢化に伴って患者数は増加しています。

抗がん剤の効果の有無を決めるたんぱく質を発見

肺がん手術後の抗がん剤治療で、効果の有無を決めると見られる2種類のたんぱく質を、東京医大第一外科の加藤治文教授らが突き止め、研究論文が英国の医学誌の電子版に掲載された。

転移がない早期がん(病期1期)は、手術により根治が期待できるが、再発も多く、手術後に経口抗がん剤「テガフール・ウラシル(UFT)」を服用する治療が普及しつつある。しかし、食欲不振などの副作用があり、治療効果を予見できる指標を探した。

研究グループは、がん細胞の転移などに関係するミオシンとビメンチンという2種類のたんぱく質に着目。1995〜2001年に病期1期の肺がんで手術を受けた患者のうち、UFTを2年間毎日服用した人と、飲まなかった人の計90人のがん組織を分析した。

その結果、両方のたんぱく質が少ない(組織染色で陰性)患者は、UFTを服用してもしなくても全員が5年後も生存。抗がん剤を飲む必要がないことが分かった。一方、両方のたんぱく質が多い(陽性)患者の5年生存率はUFTを服用した群が50%、無治療群が31%で、抗がん剤の効果が認められた。

肺がん死者は年間約6万3000人で、がんの中で最多。両方のたんぱく質が少ない人の割合は約1割とされる。加藤教授は「無駄な治療を避けられれば、患者は無用な副作用で苦しまないで済むだけでなく、医療費も削減できる」と話す。(YOMIURI ONLINE)

肺がんについて
肺がんの多くは、腺がんと扁平上皮がんという、気管支の粘膜に発生する2種類のがんです。近年の肺がんの増加の背景として考えられているのは、環境汚染と喫煙です。喫煙と肺がんの関係については多くの報告がありますが、大量喫煙者に肺がんが多いのは間違いのない事実です。

現在までの疫学調査によると、喫煙量が多いほど、また喫煙開始年齢が若いほど、肺がん発生率が高くなることがわかっています。一方、禁煙をすれば、徐々に発がん率が低下し、非喫煙者波になることがわかっていますので、禁煙は肺がん対策の基本中の基本とされています。

肺がんの症状は、がんの発生場所や進行状態にもよりますが、呼吸器系に現れる症状は、咳、痰、血痰、胸痛、呼吸困難などで、そのほか発熱、食欲不振、倦怠感などをともなうこともあります。

やせている高齢者は糖尿病リスクが増加

やせている高齢者は、普通の体形の人より糖尿病になるリスクが高いことが、独協医科大の西連地利己助教(公衆衛生学)らの大規模調査でわかった。肥満が糖尿病を招きやすいことは知られているが、「やせ」との関連が浮かんだ研究は珍しい。

調査は茨城県の委託で、93年に同県内で住民健診を受けた当時40〜79歳の男女のうち、糖尿病ではなかった約12万7000人に協力してもらい、04年まで健康状態を追った。糖尿病になったのは8400人余だった。

調べたのは、体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割って出す体格指数(BMI)と、発症リスクとの関係。60〜79歳では、低体重とされるBMI18.5未満の人が発症するリスクは、普通体重とされる同18.5〜24.9の人より、男性で32%、女性で31%高かった。

肥満に当たる同25〜29.9では、男性で18%、女性で31%、普通体重の人たちより高かった。やせた人と太った人で、どちらがより危険かははっきりしないという。

一般に、日本では欧米と比べてやせた糖尿病患者が多く、こうした人は糖を細胞に取り込むインスリンをつくる能力が欧米人より低いと考えられている。

西連地さんは「やせた人は太ればリスクが減るわけではありません。運動や食事に注意するとともに、年に1回程度は健診を受けるようにして」と助言している。(asahi.com)

糖尿病について
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、インスリンの作用が低下する病気です。インスリンには、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギー源として筋肉に蓄えたり、脂肪として長期的に貯蔵するのを促進するはたらきがあります。

インスリンの作用が低下すると、血液中のブドウ糖が細胞で利用されないため、血液中の濃度が上昇し(血糖値が上がり)、尿中にも糖が混じるようになります。

糖尿病が進行すると、細小血管がおかされ、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの合併症が現れます。また、メタボリック症候群と呼ばれる病態に加え、禁煙などの危険因子が重なると、動脈硬化を基盤とした大血管障害を合併し、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。

早期がん発見に新型PET向け診断薬:先端医学薬学研究センター

先端医学薬学研究センターと金沢大学、理化学研究所などの共同グループは、早期がん発見に威力を発揮するとされる陽電子放射断層撮影装置(PET)向けの新しい診断薬を開発した。

現在の診断薬とは異なる原理で病巣に集まるため、見落とすことがあった脳腫瘍や前立腺がんの発見率を向上させるのに有効という。改良を進め数年内の臨床応用を目指す。

開発した診断薬は、たんぱく質の断片(ペプチド)に炭素の放射性同位元素を取り付けた構造。がん細胞は増殖時にペプチドを多く取り込む性質があるため、この薬剤を体内に入れるとがんの病巣に集まりやすい。放射性同位元素を目印に、薬剤が病巣に集まっている様子をPETで観察しがんを見つける。(Nikkei.net)

陽電子放射断層撮影(PET)装置について
RI(ラジオアイソトープ=放射性同位元素)を体内に投与し、RIが体外に発する放射線を検出器で測定し、コンピュータ処理して断層画像を得られるようにした検査です。
さまざまなRIを用いて、糖代謝、タンパク代謝、酸素消費量などを調べることができます。

人体組織内の糖代謝を調べる「FDG-PET」が最もよく行なわれています。多くの腫瘍で糖の代謝が亢進することを利用した検査で、非常に小さい段階での腫瘍発見に有用な場合があります。
しかし、RIが高価で半減期が短いため一部の医療機関でしか受けることができないのが難点となっています。

マウスのES細胞から赤血球前駆細胞株を作成:理化学研究所

マウスの胚性幹細胞(ES細胞)から、赤血球のもとになる赤血球前駆細胞株を作ることに、理化学研究所のグループが初めて成功した。ヒトES細胞や人工多能性幹細胞(iPS細胞)でも同様の細胞株が作製できれば、感染症のリスクがない輸血用赤血球の大量生産につながる。研究は6日付の米オンライン科学誌「PLoS ONE」に掲載された。

グループは、マウスES細胞を分化させて、赤血球を産み出す3種類の細胞株を作製。この細胞株をマウスへ移植し、体内で赤血球を生み出すことを確認した。
重症の貧血を起こさせたマウスの実験では、細胞株を移植しないマウスは3日後に8匹中1匹しか生存しなかったのに対し、移植したマウスは8匹中7匹が生き残り、“輸血”の効果が実証された。

また、移植後約半年を経過しても腫瘍の形成や白血病発症などは見られず、赤血球ができた後の拒絶反応もなかった。同研究所の中村幸夫・細胞材料開発室長は「すでに人間のES細胞で試みている。新しい万能細胞・iPS細胞でも研究を始め、人間の前駆細胞を高率で作れる手法を確立したい」と話している。(産経新聞)

ES細胞とは?
生体の組織や臓器の元となる細胞のことで、幹細胞、または胚性幹細胞とも呼ばれます。受精卵が細胞分裂を繰り返し、ある程度の細胞塊になった頃に取り出して培養することで、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力を持ったES細胞を得ることができます。

友人が少ないと脳卒中リスクが増大か:厚生労働省研究班

一緒にいて安心できる家族や友人がいないなど、社会的な支えが少ない人は、脳卒中による死亡の危険性が高くなることが、厚生労働省研究班の大規模調査で分かった。
研究班は「独居の高齢者も多く、孤立しないよう社会で支える仕組みが必要だ」と説明している。米心臓学会誌電子版に発表した。

研究班は93年から約10年間、茨城や高知など5県の40〜69歳の男女約4万4000人を追跡。期間中に脳卒中で327人、心筋梗塞で191人が死亡した。調査開始時に周囲の支えに関するアンケートを実施。▽一緒にいると心が落ち着き安心できる人はいるか▽週1回以上話す友人は何人か▽自分の行動や考えに賛成し支持してくれる人はいるか▽秘密を打ち明けられる人はいるか−−を尋ねて回答を点数化し、周囲の支えの程度別に4グループに分けた。

その結果、支えの最も少ないグループは最も多いグループより脳卒中による死亡が1.5倍に上った。男性は1.6倍、女性は1.3倍で、65歳以上の男性では周囲の支えが少ない人ほど脳卒中の発症も増えた。一方、心筋梗塞については関連はみられなかった。

研究班の磯博康・大阪大教授は「家族や友人が病気のストレスをやわらげたり、服薬や適切な食生活などを支えてくれることが病状改善につながっている可能性がある」と話している。(毎日.jp)

脳卒中について
高血圧症でいつも動脈に高い圧力がかかっていれば、脳の細い動脈が疲労して、突然詰まったり、出血することがあります。また、動脈硬化があれば、脳の比較的太い血管が詰まることがあります。

そうなると、血液の循環に障害が起こり、酸素や栄養が脳に届かず、その働きが低下したり脳細胞が死亡します。それによって運動機能や言語機能が麻痺したりするのが脳卒中です。
いずれも生命の危機が発生します。脳卒中の起こりかたで脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞などに分かれます。