ヘリコバクター・ピロリ抗体検査用キット「ラピラン」

大塚製薬栄研化学は、大塚製薬が開発したヘリコバクター・ピロリ抗体検査用キット「ラピランH.ピロリ抗体」の国内での共同販売契約を締結、栄研化学が6月から健診市場を中心に発売する。

両社は2006年9月、業務提携に関する基本契約を締結。栄研化学が得意にしている臨床検査薬市場でシナジー(相乗)効果を発揮できる製品の共同販売などを検討。
今年2月、第一弾として尿試験紙「ウローペーパーV」の共同販売契約を結び25日から共同販売する。ラピランは第二弾。

ヘリコバクター・ピロリは、胃かいよう、十二指腸かいようの原因菌とされ、尿素呼気試験法や生検組織診断法、血清抗体検出法などで検出されている。

ラピランは、除菌前のピロリ菌感染を尿中の抗H.ピロリ抗体の有無で判定する診断薬で、患者の水滴の尿から約20分後に目視で判定できる。患者の負担が小さく、生検組織診断法とほぼ同等の判定結果が得られるという。

ヘリコバクター・ピロリ
ヒトなどの胃に生息するらせん型の細菌である。ピロリ菌とも呼ばれることがある。
1983年 オーストラリアのロビン・ウォレン(J. Robin Warren)とバリー・マーシャル(Barry J. Marshall)により発見された。

胃の内部は胃液に含まれる塩酸によって強酸性であるため、従来は細菌が生息できない環境だと考えられていたが、ヘリコバクター・ピロリはウレアーゼと呼ばれる酵素を産生しており、この酵素で胃粘液中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する。
このとき生じたアンモニアで、局所的に胃酸を中和することによって胃へ定着(感染)している。この菌の発見により動物の胃に適応して生息する細菌が存在することが明らかにされた。

ヘリコバクター・ピロリの感染は、慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のみならず、胃癌やMALTリンパ腫などの発生につながることが報告されている。
細菌の中でヒト悪性腫瘍の原因となりうることが明らかになっている唯一の病原体である。