ナノテクノロジー(超微細技術)でがん治療剤:富士フィルム

富士フイルムはフィルム製造で培ったナノテクノロジー(超微細技術)を活用し、抗がん剤の効き目を長くする塗り薬技術を開発した。動物実験で安全性を確認したうえで2年後に米国で臨床試験を始め、5年以内の実用化をめざす。
同社の医薬品参入の第一弾となる見通しで、医療検査用の画像システムや内視鏡などを中心にした医療事業分野を中核的な事業の柱の一つに育てていく方針だ。

塗り薬にはフィルムの主材料であるゼラチンを使う。遺伝子組み換えを使った微生物を活用して体になじみやすいゼラチンを作ることに成功、これをがん治療用に活用する。牛由来の一般的なゼラチンと異なり、牛海綿状脳症(BSE)など感染症の恐れがない。

ゼラチンを直径約100ナノ(ナノは10億分の1)メートルの微粒子にして抗がん剤を染み込ませる。肌に塗ると薬の成分が徐々にしみ出て効果が持続する。
点滴や注射を繰り返す必要がなく、体の表面に近い部位にできたがんの場合は患部に直接抗がん剤が届く。全身に抗がん剤が行き渡る注射治療に比べて副作用が軽くなる可能性があるという。