がん予防遺伝子をアブラナ科の野菜に発見:理化学研究所

理化学研究所(埼玉県和光市)は、がん予防成分をアブラナ科野菜に作らせる遺伝子を、世界で初めて発見したと発表した。アブラナ科の野菜・シロイヌナズナの全遺伝子のうち、「PMG1」と呼ばれる遺伝子が、がん予防成分の元になる「グルコシノレート」という物質の合成をコントロールすることを解明。
ブロッコリーなどに応用することで、グルコシノレートの含有量を多くし、がん予防効果の高い機能性野菜の開発に利用できるとしている。

グルコシノレートは、ブロッコリーやキャベツ、ダイコンなどアブラナ科植物に含まれる成分。すりおろしたりかんだりすることで分解酵素と混じり合い、イソチオシアネートと呼ぶ辛み成分に変化する。

イソチオシアネートの一種、スルフォラファンには、発がん物質を解毒する酵素の活性を高める作用がある。その元になるグルコシノレートの合成が植物細胞内でどのように行われているのか、これまで分かっていなかった。

同研究所・植物科学研究センターの平井優美研究員らは、シロイヌナズナの全遺伝子2万7000の中から、グルコシノレート合成酵素を作る遺伝子と同じパターンを持つ、PMG1遺伝子を見つけ出した。PMG1の働きを抑制したり、逆に強めたりしたシロイヌナズナを詳細に解析した結果、PMG1がグルコシノレート合成を制御する遺伝子であることが明らかになった。

PMG1の発現量は、シロイヌナズナを栽培する時に与える栄養分の量によって変化することが分かっている。同研究所は「栽培条件とPMG1発現量との関係を明らかにすることで、グルコシノレートの生産をコントロールできるようになる」としている。