がん転移に関与するタンパク質を発見:島津製作所

島津製作所は、超免疫不全マウスを使った実験動物中央研究所との共同研究で、大腸ガンとすい臓ガンの転移に関するタンパク質9個を発見した、と発表した。今後、タンパク質の遺伝子解析が進めば、ガン転移の構造解明や診断・治療水準の向上、新薬開発につながる。

同研究所が開発した免疫反応ゼロの特殊マウスと、島津製作所の独自技術であるNBS試薬と質量分析装置を組み合わせ、3年前から共同研究してきた。
ガン転移に関するタンパク質は、過去にも複数の候補が見つかっているが、今回の9個は機能が未解明の新しい種類ばかりだったという。

実験は、同マウスに移植した人のガン細胞で実施した。大腸ガンとすい臓ガンのそれぞれの細胞と高転移後の細胞で量的変化が大きいタンパク質を比べた結果、9個が両ガンに共通して著しく増減していた。

島津製は今後、これら9個のタンパク質の設計図に当たるそれぞれの遺伝子を詳しく解析する。ガンの転移メカニズム解明はガン治療最大の課題であるため、数年以内に血液検査で転移可能性などを調べるガン診断事業への本格参入を目指す。(京都新聞)

NBS試薬とは?
質量の異なる2種類の安定同位体試薬により、タンパク質に含まれるアミノ酸の一種トリプトファンを選択的に標識する試薬キット。
あるがん細胞と高転移能を獲得したがん細胞から抽出したタンパク質を、異なる質量の試薬でそれぞれ標識した後に質量分析装置で測定することにより、がん細胞とその高転移能獲得がん細胞に含まれるタンパク質の種類や量の違いが解析できる。

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