高脂血症治療薬「フィブレート」で睡眠障害改善へ

産業技術総合研究所(産総研)と筑波大、早稲田大の研究グループは、高脂血症治療薬「フィブレート」が体内時計を変化させることを発見したと発表した。マウスに食べさせたところ、活動サイクルが約3時間早起き側にずれたという。
今回の発見は、睡眠(リズム)障害治療薬や時差ぼけ改善薬などの開発につながると期待される。

体内時計は、ほとんどの生物が持つ約24時間周期で刻む生体リズム。産総研ではすでに、食事との関係に着目した研究から、脂質の代謝システムが体内時計に強く制御されていることを見つけている。

今回、脂肪酸の代謝で中心的な役割を持つ細胞核内の受容「PPARα」が体内時計の調節にかかわっていることと、PPARαに作用するフィブレートが体内時計のリズムを変化させることを明らかにした。

マウスは夜行性で、通常の明暗環境下の活動時間帯は夜間(暗期)に限られている。マウスに、フィブレートを餌とともに投与すると、活動時間帯が3時間程度前進、早寝早起きになった。体内時計の指標となる「時計遺伝子」が最もよく働く時刻も3時間程度早くなっていた。

また、時計遺伝子を異常に変異させた夜更かし朝寝坊型のモデルマウスは、フィブレートの投与により活動時間帯が正常化した。
今後、作用メカニズムの解明や、ヒトの体内時計に対するフィブレート系薬剤の影響について検討する。(フジサンケイ ビジネスアイ)

フィブレートとは?
フィブレート系薬剤は、高脂血症治療薬として長い歴史をもち、日本では、第二世代のフィブレート系薬剤であるベザフィブレートやフェノフィブレートが臨床に用いられている。
概ね血清中性脂肪を2割から5割減少させ、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールも2割程度減少させる。

睡眠相後退症候群(DSPS)とは?
概日リズム睡眠障害と呼ばれるリズム障害の一種。睡眠時間帯が、望ましい時間帯から遅れた状態が慢性的に続き、睡眠時間帯を早めることが困難とされる。
本症候群は、思春期に発症することが多く、受験勉強などによる夜更かしが発症契機となる場合もある。体温リズムやメラトニンの分泌リズムなどから、何らかの体内時計機構の障害が原因と考えられている。

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