「300日問題」に救済策:超音波測定で妊娠時期を特定

「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」と推定する民法772条を巡り、法務省は7日、妊娠した時期は離婚後と医師が証明できれば、300日以内に生まれた子でも裁判や調停なしに「現夫の子」として戸籍窓口で届けられるようにする民事局長通達を出した。超音波で胎児の頭から尻までの長さを測って妊娠した時期を特定する。21日から窓口で届け出を受け付ける。

300日以内に生まれた子は年間3000人とされ、この通達で救済できるのはそのうち1割程度という。与党は議員立法案で救済できる範囲を広げようと検討しているが、法務省は「この対応で不十分とは思っていない」としている。

通達では、出生届を市町村の戸籍窓口に提出する際、医師が作成した「懐胎時期に関する証明書」の添付を求めている。医師は妊娠8週から11週と6日の段階で、胎児の頭から尻までの長さの「頭殿長(とうでんちょう)」を超音波で測ったうえ、「排卵した日と推定される日」を計算して妊娠した時期を特定。前後それぞれ約14日の幅を持たせて「○月×日から△月□日まで」と証明書に記載する。

他の算出方法をとることもできるが、医師の診断が遅れると算出できなくなる可能性があるという。(asahi.com)

300日問題とは?
民法772条2項が「婚姻の成立の日から200日後又は婚姻の解消若しくは取消の日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」と規定しているために、離婚後300日以内に生まれた子は一律に前夫との間の子と見なされることで生じる問題をさす。

離婚後すぐに再婚して妊娠し早産で生まれた場合でも、前夫の子とみなされて再婚した夫の戸籍に入れることができない。また前夫に拒否されたり、連絡がつかなかったりして前夫の籍に入れることもできず、戸籍をもたない子も増えている。

医学的に現在の夫との親子関係が証明できても、前夫が「自分の子どもではない」と裁判で証言するか、現在の夫に認知を求める法的手続きが必要。こうした問題に悩んでいる女性を支援するNPOもできていて、法務省に法改正を求める要望書を提出している。法務省も実態調査と救済策の検討を始めることにしている。