DDTやポリ塩化ビフェニール(PCB)などの内分泌かく乱(環境ホルモン)作用を持つ有害化学物質が、ぜんそく発作や花粉症を起こすアレルギー反応を強めるとの研究結果を、米テキサス大学の堀内照美准教授らが人の細胞を使った実験で11日までにまとめた。
この作用は人間の母乳などの汚染レベルに相当する低濃度で起こることも分かり、グループは「近年のアレルギー関連疾患の増加に、有害化学物質汚染が関連していることを示す結果だ」と指摘している。
グループは、女性ホルモンの一種、エストロゲンにアレルギー反応を強める作用があることを発見。反応の引き金として働く「肥満細胞」に、女性ホルモンに似た作用を持つPCBなどの6種類の環境ホルモンを加えて実験した。
開始から30分程度で、肥満細胞からのヒスタミンと一緒に放出される酵素の一種の分泌量が増加。ここにアレルギーの原因となるダニの成分を加えると、酵素の分泌量はさらに多くなった。(Shikoku News)
環境ホルモンとは?
環境ホルモンは日本固有の言い方であって、正式には内分泌撹乱物質と呼ぶ。環境ホルモンの影響については、本来オスになるべき魚や貝がメス化するなど、生態系に影響を与えるとともに、ヒトの場合には男性の精子の数を減少させるなどといわれ、ワニのペニスの矮小化やイボニシの雄性化(雌の雄化)などがその具体例として報告された。
これらがマスコミによって過大に取り上げられたため話題先行となり、科学的な研究が追いついていかない現状だった。
環境ホルモンは研究者や機関によって定義が確定していないが、環境省の「環境ホルモン戦略計画SPEED´98」では、「動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常ホルモンの作用に影響を与える外因性の物質」とし、疑われる化学物質として、ダイオキシン、ポリ塩化ビフェニール類(PCB)、殺虫剤のDDT、工業用洗浄剤などとして使われるノニルフェノールなど65種類をリストアップした。
これらの物質について、優先順位の高いものから順次リスク評価を行っている。
その結果、船底塗料としてつかわれるトリフェニルスズなど数種類の環境ホルモンと疑われた物質がヒトに対して内分泌撹乱作用をしないことなどが判明してきている。
