SMAP法:イレッサの有効性を患者の遺伝子で判別

理化学研究所は、シンガポール国立大学病院と共同で、抗がん剤の「ゲフィチニブ」(商品名イレッサ)が効くかどうかを、患者の遺伝子型を調べ、素早く判別できる新手法の本格的な臨床研究を近く始めると発表した。
中国系やインド系、マレー系など多くの民族が住む同国で、新手法の有効性を確認するのが狙い。

「SMAP法」と呼ばれる新手法は、同研究所ゲノム科学総合研究センターの林崎良英プロジェクトディレクターらが開発した。微量の血液や組織片(がん細胞など)から取り出した遺伝子を高速で増やし、従来1時間半〜数日程度かかっていた遺伝子診断を30分程度で完了できる。

肺がん治療薬のイレッサは、特定の遺伝子に変異のある患者には非常に有効だが、変異のない患者には効かず、重い肺炎を起こす副作用が問題となっている。新手法を使えば、肺がんの手術中に、採取したがん細胞を遺伝子解析し、イレッサを投与すべきかどうかを診断するといった、効率的な治療が可能になる。

シンガポールでは今後1年間で100人の患者を対象に臨床研究を行う予定。成功すれば本格的な臨床試験に切り替え、米食品医薬品局(FDA)による承認も視野に入れるという。(YOMIURI ONLINE)

イレッサについて
イレッサは、肺がん細胞の表面にあるEGFR(上皮成長因子受容体)と呼ばれるたんぱく質に作用し、がんの増殖を抑える。この受容体に遺伝子変異があると、薬が効きやすいとの研究がある。
日本人、特に女性や、非小細胞肺がんの一種、腺がんの患者は、遺伝子変異の割合が高いとされる。

一方、イレッサの副作用とみられる重い肺障害の発症率は、他の抗がん剤を使った患者に比べ約3倍に高まることが、イレッサを販売するアストラゼネカ社が国内で実施した大規模な調査でわかっている。

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