ネクサバールに肝臓がん抑制効果:生存期間の延長を確認

既存の腎臓がん治療薬「ネクサバール(一般名:ソラフェニブ)」には肝臓がんを抑制する効果もあり、同がん患者の生存率を高められるという国際的な調査結果が、シカゴで今週開かれた米腫瘍学会(ASCO)で発表された。世界では年に50万人以上が、治療が難しい肝臓がんの診断を受けている。

調査を行ったのは、マウントサイナイ医学校(ニューヨーク)およびスペインの病院に所属するジョセフ・リョベット医師ら。複数国で進行した肝臓がん患者602人にソラフェニブと偽薬を与えたところ、毎日ソラフェニブを摂取した患者が10.7カ月生存したのに対し、偽薬の患者の生存期間は8カ月だった。まだ生存している患者もいる。

ネクサバールには、がん細胞を攻撃するとともに、腫瘍への血流を止める作用がある。肝がん患者の調査では腫瘍が縮小、消滅することはなかったが、多くの患者でがんの成長が抑えられた。肝臓内外に転移した腫瘍に対しても同様に作用すると考えられるという。

2005年3月に始まった調査は、好ましい結果を受けて予定より早く今年2月に打ち切られ、偽薬を与えられていた患者はソラフェニブに切り替えられた。リョベット医師によると、生存期間にこれほどの差が表れるのは、肝臓がんでは「初めて」で、抑制効果の発見は「同がん治療における快挙」だという。

ネクサバールは、米国を含む十数カ国で進行腎臓がんの治療薬として販売されている。今回の調査は販売元の独バイエル米オニキスの資金援助で行われ、両社はこの薬を肝臓がん治療薬としても各国の医薬品当局に申請する予定だ。(usfl.com)

ネクサバールとは?
ネクサバールは腫瘍細胞と腫瘍血管の両方を標的とする経口マルチキナーゼ阻害剤です。
前臨床試験の段階で、腫瘍組織が成長するために重要な、がん細胞の増殖と血管新生の両方に関係する二つのクラスのキナーゼ(RAFキナーゼ、VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3、PDGFR-β、KIT、FLT-3、RETなど)をネクサバールが阻害していることがわかっています。

現時点で、ネクサバールは、米国、欧州諸国を初めとする 50ヶ国近くで、腎細胞癌の治療目的に承認されており、様々ながん治療(腎細胞癌のアジュバント治療、進行性肝細胞癌、進行性悪性黒色腫、非小細胞肺癌、乳癌などの治療)を目的とした、ネクサバールの単体使用または併用療法が引き続き研究されています。