抗がん剤リツキシマブ(商品名:リツキサン)の治療を受けた中悪性度の非ホジキンリンパ腫の患者は、他の抗がん剤を使った単独化学療法を受けた患者に比べ、生存期間が有意に延長したという第V相臨床試験の解析結果が、米シカゴで開かれていた米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された。
この臨床試験は、フランス、ベルギー、スイスの3カ国、86施設で実施され、計399人の患者が1998年7月から2000年3月の間に登録された。
60歳―80歳で未治療のびまん性大細胞B型細胞性リンパ腫の患者を、3週間毎に8サイクルのCHOP療法群(患者197人)と、8サイクルのCHOP療法に加えて各治療サイクルの初日にリツキシマブを投与する群(患者202人)に無作為に割り付けた。試験の主要評価項目は無イベント生存期間とした。
解析結果によると、リツキシマブの治療を受けた患者の53%が7年経過した現在も生存していることが判明。半面、単独化学療法のみを受けた患者の生存率は36%にとどまった。
また化学療法単独の患者に比較して、リツキシマブ併用療法ではより多くの患者が7年目の時点で寛解。その比率は29%対52%だった。
5年間を超える寛解は通常、治癒したとみなされる。この臨床試験はリツキシマブを治療に追加することにより、化学療法単独に比較して多くの中悪性度の非ホジキンリンパ腫患者が治癒されることが示された。(くまにち)
非ホジキンリンパ腫とは
非ホジキンリンパ腫とは、Bリンパ球またはTリンパ球で発生する癌のうち、ホジキン病を除くすべてのがんを指します。非ホジキンリンパ腫には、顕微鏡ではっきりと判別でき、細胞パターンも経過もそれぞれ異なる20種類以上の癌が含まれます。
非ホジキンリンパ腫の85%はBリンパ球のがんで、Tリンパ球の癌は15%未満です。
非ホジキンリンパ腫はホジキン病よりも多くみられ、米国では毎年約6万5000人が新たに非ホジキンリンパ腫と診断され、この数は特に高齢者と免疫機能不全の人を中心に増加しています。臓器移植を受けた人やヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している人は、非ホジキンリンパ腫のリスクが高くなります。
非ホジキンリンパ腫の症状は、しばしばリンパ節腫脹から始まります。
痛みがないため、気がついた時にはかなり大きくなり、また複数部位のリンパ節が同時に腫大してくることもあります。
リンパ節以外の全身ほぼすべての臓器から発生する可能性がありますが、日本人では胃から起こる症例が多いといわれています。
節外性リンパ腫の場合も症状が乏しく、検診などで偶然見つかることがあります。
全身症状としては、発熱、全身の倦怠感、原因不明の体重減少、寝汗などがあります。
