プロサイモシン・アルファ:静脈注射で脳梗塞治療に効果

長崎大大学院医歯薬学総合研究科の植田弘師教授は、細胞中に存在するタンパク質の一種を静脈注射などで全身投与すると、脳卒中による死亡、運動障害を抑えられることをネズミを用いた実験で突き止めた。
日本人の三大死因の一つとされる脳卒中の新たな治療薬となる可能性があり、「人体への応用研究、臨床につなげてほしい」と話している。

植田教授は十年ほど前から研究し、タンパク質プロサイモシン・アルファが、脳梗塞に伴って脳細胞の死が広がる「神経細胞壊死」を抑制することを世界で初めて発見。
ネズミの脳神経細胞から抽出したそのタンパク質を、人工的に脳の血管を詰まらせて脳梗塞の状態にしたネズミに注射し、脳組織や運動能力への影響を調べた。

発症後、どれくらいまでに投与すれば障害の回復が見られるか、死亡を最大の「5」、正常を「0」とした五段階の運動障害の程度を調査。投与しない場合は致死率が高い平均「4」なのに対し、一・五時間後までに投与すれば障害はほぼ完全に回復、四時間後でも約「1・5」の軽度障害に改善した。六時間後以降は効果がなかった。ほかの実験とも総合し、「四時間後に投与しても有効」と結論付けた。

最新の脳梗塞治療で血栓を溶かす「血栓溶解療法」は、発症から三時間以内が有効とされ、脳出血の危険性が伴うと指摘されている。
植田教授は、「現段階で副作用は観察されていない」とし、多くの神経細胞にかかわる疾患にも応用できる可能性があるという。「より安全な治療法になる。離島医療にも役立つ」と新薬開発に期待を寄せている。(長崎新聞)

脳梗塞について
脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血液の供給が途絶えるために脳細胞返しを起こす病気です。
脳血管がつまる原因には大きく分けて2つあります。

  1. 血栓症:動脈硬化によって徐々に血管の中が狭くなりついには閉塞するもの。
    症状は徐々に進行することが多く、時には一時的に麻痺や言語障害が出てその後改善する場合(一過性脳虚血発作といいます)もあります。
  2. 塞栓症:血液の固まりが血管の中を流れて脳血管に流れて閉塞させるもの。

脳梗塞が脳血栓によるものか、脳塞栓によるものかを正確に診断するのは困難です。
脳梗塞が疑われる場合、病変の起きた部位を確認するために、頭部CT、MRI、脳血管撮影などの検査を行います。心臓にできた血栓が、血流に乗って脳に流れて行き、血管を詰まらせる心源性脳梗塞症の場合は、心房細動が原因となるのでホルター心電図(24時間心電図)をとって調べます。

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