重いアトピー性皮膚炎と同時に肺炎などの感染症も繰り返し発症する先天性の難病「高IgE症候群」の原因とみられる遺伝子を、東京医科歯科大などの国際研究グループが突き止めた。遺伝子治療や早期診断に期待がかかる成果で、英科学誌「ネイチャー」(電子版)に発表した。
「高IgE症候群」は、過剰な免疫反応であるアレルギー症状と、逆に免疫力の低下で起こる感染症の両方を発症する先天性免疫不全症。約40年前に発見された。新生児10万〜100万人に1人の割合で生まれるが、これまで原因は分かっておらず、有効な治療法がなかった。
東京医科歯科大の烏山一教授らは、北海道大など国内4大学とトルコ、セルビア・モンテネグロの小児科グループなどと共同研究。その結果、細胞内のさまざまな情報伝達に関与する「STAT3」という遺伝子に異常があることが判明した。
患者の両親や兄弟には同じ異常が見つからないことから、遺伝にはよらない先天的な突然変異と分かった。この原因遺伝子の働きを詳しく調べることで、高IgE症候群以外の重症アトピー性皮膚炎の新たな治療法開発につながる可能性もあるという。(産経新聞)
高IgE症候群について
乳児期からの慢性湿疹、易感染性、血清IgEの高値を特徴とします。インターフェロンγ(ガンマ)の産生不全を基本病態とし、食細胞が十分に活性化されないため好中球機能の異常や抗体産生の低下があり、易感染性が生じると考えられています。約半数で好中球の遊走能低下が認められ、黄色ブドウ球菌やカンジダ感染症を繰り返します。
