ライブ手術の指針作成:日本心臓血管外科学会など3学会

日本心臓血管外科学会など3学会は、手術の様子を外部に生中継し、医師の研修に役立てる「ライブ手術」をめぐる指針を作成し公表した。昨年9月、ライブ手術で胸腹膜部大動脈瘤の手術を受けた患者が死亡した問題を受けた措置。
3学会によると、ライブ手術をめぐる指針は他に例がなく、脳外科などライブ手術を実施している他の学会関係者らにも指針を送付するという。

指針はライブ手術の目的を「基本的教育」として、対象となる疾患を標準的な手術を行うものに限り、死亡率が高い手術や、手術方法の選択に議論のある手術は対象から除外。「高度な技術は専門家から直接学べばよく、ライブ手術で行う必然性はない」とした。

また「ライブ手術では(医師に)余分なストレスがかかり、実力を100パーセント発揮できない可能性がある」として、患者に対して事前に、本人にとっては利益がなく、むしろリスクが増すこともあり得ることを伝える必要があると強調した。(山梨日日新聞)

大動脈瘤について
大動脈は心臓の左心室より起始し、全身へ血液を送る大血管のことです。
大動脈は心臓から頭の方へ向かい、その後、弓状にカーブし胸部の左後方を尾側へ向かって走行します。そして、横隔膜を貫通し腹部にはいり、臍の下あたりで左右に分岐します。横隔膜より頭側の大動脈を胸部大動脈、尾側の大動脈を腹部大動脈と呼びます。大動脈瘤とは、この大動脈がこぶのように拡大する病気です。

大動脈は正常径が2-3cmですが、ある一定の大きさ(5-6cm)になる血管が破裂する可能性が高くなります。一旦、破裂すると体内に大出血を起こし、急激に出血性ショックとなり救命が困難となる非常に恐ろしい病気です。