C型肝炎患者から同意書なしで採血:神戸医療センター西市民病院

神戸市立医療センター西市民病院の医師が、計9人のC型慢性肝炎患者に対し、研究のために同意書なしで必要量以上の採血をしていたことがわかった。文書での同意を定めた厚生労働省などの倫理指針に違反している。
同センター中央市民病院の医師が乳がん患者に対して同意書なしで臨床試験をしていたことが7月末に発覚したため、市が調査していた。市は患者や家族に謝罪し、両方のケースについて医師の処分を検討する。

市によると、西市民病院消化器内科の医師が06年度、C型慢性肝炎患者計10人を対象に、2種類の治療薬の効果を調べる疫学研究を実施。データを得るため、治療で採血する際、複数回にわたって必要量より約3ミリリットル多く採血した。

厚労省と文部科学省が02年に策定した「疫学研究に関する倫理指針」は、採血などの場合、原則として文書で説明し、同意書を得ることが必要としているが、10人のうち同意書がそろっていたのは1人だけだった。医師は調査に対し「患者には口頭で多く採血をすることを説明した」と話したという。

市は7月下旬以降、中央市民病院、西市民病院、西神戸医療センターの3施設で、04年度以降に実施された計1103例の臨床研究について同意書の有無などを調査。
厚労省などの倫理指針に反しないものの、院内規定に反して、同意書を得ずに、匿名の診療情報を統計用データとして院外に報告したケースが25症例あることも分かったという。

C型肝炎
急性の場合、1〜4ヶ月の潜伏期間を経て発症します。食欲不振や倦怠感などの症状が現れることもありますが、他の肝炎に比べて症状は軽く、黄疸が現れるのも約半数です。そのため、ほとんどの人は検診などの血液検査で発見されます。

感染者の7〜8割は慢性的な経過をたどります。目立った症状はなくても、20〜30年かけて徐々に病状が悪化し、肝硬変や肝臓がんに進行することもあります。

全身症状が強い場合は入院治療が必要ですが、症状がないか軽ければ通院治療を行ないます。肝機能検査を継続し、慢性化の兆候が現れたときは、インターフェロンによる治療を開始します。
慢性C型肝炎の場合は、インターフェロンと抗ウイルス薬(リバリビリン)を併用します。副作用を抑えたペグインターフェロンが用いられることもあります。