がん細胞を自滅に導くたんぱく質を特定:千葉大医学部

がん抑制遺伝子の一つ「p53」が、異常をきたした細胞を自滅に導く際に不可欠なたんぱく質を、千葉大医学部大鵬薬品工業などの研究チームが特定した。
肺がんや大腸がんなど約半数の種類のがんで、p53が正常に働いていないことが分かっている。
このたんぱく質の機能を詳しく調べれば、正常な細胞には影響を与えず、がん細胞だけを自殺させる新薬の開発につながる可能性がある。がん発症のメカニズムの解明にもつながる成果で、24日付の米科学誌「セル」に発表した。

p53は人間のあらゆる細胞にあるが、通常はあまり働かず眠った状態にある。体内では常に、DNAが損傷を受けるなどして細胞に異常が起きているが、その細胞ではp53が活性化され、細胞を自滅に導く指令を出したり、増殖を止めて損傷修復の時間をかせぐなど、異常な細胞が増えるのを防いでいる。しかし、正常に働かない場合がある理由は謎だった。

田中知明・千葉大助教(分子腫瘍学)らは、細胞の中で遺伝子が働く際、DNAと特定のたんぱく質が「クロマチン」と呼ばれる複合体を作ることに着目した。
人間の肺がんの細胞のクロマチンを分析し、p53と結合する分子をすべて調べた結果、「CSE1」というたんぱく質を発見。肺がん大腸がんの細胞を使った実験で、p53とCSE1が結合しないと細胞の自滅が起こらないことを確認した。(毎日新聞)

p53について
p53は、1970年代末に腫瘍ウイルスSV40のT抗原と複合体を形成する細胞性因子として発見され、当初癌遺伝子と誤認されていましたが、この数年来の急速 な研究の進歩により癌抑制遺伝子であることが明らかになりました。

p53は特異的塩基配列を認識する転写因子であり、ある種の遺伝子の転写を活性化することによって放射線や化学物質によるDNA損傷を受けた細胞がそのダメ−ジを修復する余裕を与える働きを持つことが明らかになっています。

このような機能を持つp53遺伝子の異常は、これまでに解析されたほとんどすべての臓器の人の癌の発症・増悪における役割の大きさが示唆されています。

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