EUは、スイス・ロシュ社の「アバスチン」(一般名ベバシズマブ)とプラチナ製剤ベースの抗がん剤を併用する化学療法を、進行性の非小細胞肺がん治療の第一選択治療として承認した。
この承認は、米国での2つの第V相臨床試験のデータに基づく。試験の一つは「E4599試験」と呼ばれている。主たる組織型が偏平上皮細胞ではない、切除不能な進行性、転移性あるいは再発性の非小細胞肺がん患者878人の平均生存期間は、プラチナ製剤の抗がん剤を使った化学療法単独群では10・3カ月だった。
これに対し、アバスチン15r/sの3週間1回投与と抗がん剤2剤(パクリタキセルとカルボプラチン)を使った化学療法との併用群では平均生存期間が12・3カ月に延びた。
副作用はおおむね管理可能だったが、アバスチンと化学療法併用群で肺出血が2・3%観察された。アバスチン投与に関連した最も多い有害事象は高血圧、尿タンパク、疲労、呼吸困難だった。
WHO(世界保健機関)によると、肺がんは部位別がんでは男女の死亡原因のトップ、世界のがん死亡者の19・7%を占めている。特に進行性の非小細胞肺がんは、肺がんの中で最多病型のがんで、全肺がんの80%以上に上っている。
患者の大半は、既に進行した段階で発見され、その段階では手術不能か他の部位に転移している。進行性の非小細胞肺がん患者の診断後の5年生存率は5%にも満たない。他の臓器に転移しているほとんどの患者が6カ月以内に死亡している。
アバスチンは、血管新生の重要な因子である血管内皮増殖因子(VEGF)と呼ばれる生体内のタンパク質を狙い撃ち。腫瘍の増殖と全身への転移に欠かせない血液供給を遮断する。
国内では今年4月、治癒切除ができない進行・再発性の結腸・直腸がんへの使用が認められた。(くまにち)
肺がんについて
肺がんの多くは、腺がんと扁平上皮がんという、気管支の粘膜に発生する2種類のがんです。腺がんの多くは、肺の奥のほうに発生し、女性に多くみられます。
肺がんには喫煙が大きく関係し、喫煙者が肺がんになる危険性は、吸わない人の10倍以上とされています。とくに、便ペイ上皮がんは、気管支の中心部に発生しやすく、喫煙との関係が深いといわれています。
気管支の中心部にできるがん(中心型肺がん)は早期から、咳、喀痰、血痰などの症状が合われます。進行とともに気管支が詰まって呼吸困難が起こり、痰がたまって肺炎が生じると発熱もみられます。
肺の上方にがんが発生し、交感神経や上腕神経をおかすと、まぶたが下がったり、同じ側の顔面に発汗異常が生じたり、手がしびれるなどの症状が起こります。
