奈良県の妊婦が先月29日、救急搬送の受け入れを9病院で断られて死産した問題を受け、日本産婦人科医会が各都道府県の周産期救急医療の現状を調べたところ、救急システムは約9割の地域で整備されているが、十分機能している地域は全体の半数に過ぎないことがわかった。
調査は、同医会の47都道府県支部長あてにアンケート形式の文書で行った。回答のあった44都道府県の記述式回答を同医会が分類した結果、周産期救急医療システムが「整備されている」と答えた都道府県は38(86%)だった。
ところが、妊婦の受け入れなどについて「問題なく機能している」と答えたのは21(48%)でおよそ半数。夜間については、「整備されている」との回答は34(77%)に下がった。
また、受け入れ可能な施設などに関する情報を集中管理するコントロールセンターが整備されている地域は11(25%)にとどまり、奈良県のように、救急車と医療施設がその都度、連絡を取り合って搬送先を決めているケースが過半であることも明らかになった。
同医会は「おおむね全国的にシステムは整備されてきたが、人手不足で機能していない地域も多い。回答を詳しく分析して、各地の状況を的確に把握していきたい」としている。(YOMIURI ONLINE)
周産期医療とは?
周産期とは妊娠後期から新生児早期までのお産にまつわる時期を一括した概念をいい、 この時期に母体、胎児、新生児を総合的に管理して母と子の健康を守るのが周産期医療です。
周産期医療を行う施設は、妊娠の異常、分娩期の異常、胎児・新生児の異常に適切に対処するために産科医と小児科医が協力し、 その他の医療スタッフとの連携医療が必要な高度専門医療施設です。
集中治療が必要なハイリスク妊娠・分娩には、いつどこで生まれても最適な医療が受けられる周産期医療体制が必要です。
