食欲を抑制する働きがある脳内物質「ニューロメジンU(NMU)」が、骨密度の増減もコントロールしていることを、竹田秀・東京医科歯科大特任准教授(骨代謝)らの研究チームが発見した。
新たな骨粗しょう症治療薬の開発につながる可能性があり、16日付の米医学誌「ネイチャー・メディシン」電子版に掲載された。
竹田特任准教授らは、正常なマウスとNMUを持たないマウスの骨密度を比較。NMUを持たないマウスは正常マウスより、骨密度が腰椎で約24%、脛骨で約29%高かった。
NMUを持たないマウスの脳にNMUを投与すると、腰椎の骨密度は約20%減少したが、骨のもとになる「骨芽細胞」に直接NMUを投与しても変化はなかった。
このため、NMUが脳の中で作用すると、骨芽細胞になんらかの信号が送られ、骨の生成が抑制されると考えられるという。
骨粗しょう症患者は国内で少なくとも1100万人に上り、2050年には4500万人に達すると推測される。竹田特任准教授は「NMUが作用しないようにする薬が開発できれば、骨密度を増加させることができるのではないか」としている。(毎日新聞)
骨粗鬆症について
カルシウムが骨から溶け出し、骨密度が低下して骨がスカスカになるものです。X線検査をすると、骨に軽石のような細かい穴がいっぱい開いた状態になっています。
60歳以上の女性によく発生しますが、これは閉経によって女性ホルモンの分泌が減少して骨の形成が低下するのと、骨の吸収が亢進するためです。
また、男女とも老化するとビタミンDの代謝機能が衰えてカルシウムの吸収が悪くなり、骨を作る作用が低下します。そのほか、若い頃からの偏食や食事からのカルシウム不足、運動不足による筋力の低下も骨折の誘因となります。
関節リウマチや内科的な病気の治療のために、副腎皮質ステロイド約を長期間服用している場合も、骨粗鬆症の発症を促します。
