救急蘇生術における人工呼吸は効果なし:日本救急医学会

突然意識を失って倒れた人を蘇生させるための応急手当は、心臓マッサージだけで効果があり、従来勧められてきた人工呼吸は必要ないことが、日本救急医学会関東地方会の研究班の調査で分かった。

研究班は02〜03年、関東各地の病院と救急隊の協力を得て、そばに人がいる状態で突然心臓が止まって倒れ、救急車で病院に運ばれた18歳以上の患者4068人を調べた。
そばにいた人から人工呼吸と心臓マッサージを受けた患者が712人で、心臓マッサージだけを受けた患者は439人。救急隊到着まで蘇生措置を受けなかった患者が2917人だった。

倒れてから30日後の時点で、介護なしで日常生活が送れる状態に回復した割合は、両方受けた患者が4%、心臓マッサージだけの患者は6%で、人工呼吸なしでも変わらなかった。一方、蘇生措置なしの患者は2%にとどまった。

患者の約9割を占めた救急隊到着時に完全に呼吸が停止していた人に限った分析では、回復率は心臓マッサージだけの患者が6%だったのに対し、両方受けた患者は3%で、心臓マッサージだけの患者の方が回復率が高いとの結果になった。

人工呼吸は不要との結果について、長尾班長は「呼吸が止まっても12分程度は血液中の酸素濃度がそれほど下がらないことや、心臓マッサージの際の胸の動きで、空気が肺に送り込まれることなどが考えられる」と話している。

心臓マッサージは、救急隊が来るか、AED(自動体外式除細動器)が届くか、患者の体が動くまで続ける。1人では消耗するため、2分程度をめどに交代で行うとよいという。(毎日新聞)

AED(自動体外式除細動器)について
AEDは、高性能の心電図解析装置を内蔵した医療機器です。「突然の心停止」では多くの場合、心室細動という心臓の筋肉の細かいけいれんになります。

けいれんを抑えるには、できるだけ早く心臓に強い電流でショックをかけて心臓のリズムを元に戻さなくてはなりません。これを「除細動」といいます。
心停止から除細動までの時間はその後の生存率に大きく影響し、1分経過するごとに生存率が7〜10%低下していきます。

そこで、心停止した人に対して、現場で直ちに除細動の治療を行えるようにしたのが、AEDです。AEDは、電源を入れて電極パットを貼ると、自動的に心電図を解析して、電気ショックを行うべきか否かの指示を出します。その後は指示に従って操作すれば、迅速に電気的除細動が行えます。

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