就寝中の降圧薬の効果切れに注意:脳卒中や心筋梗塞を発症

薬で血圧を下げている高血圧患者では、昼間の血圧にかかわらず、就寝中の血圧が高いほど、脳卒中や心筋梗塞などの脳心血管疾患を起こしやすいことがわかった。
今井潤・東北大教授(臨床薬学)らが、大規模な国際共同研究の結果を英医学誌「ランセット」に報告した。
朝飲んだ降圧薬の効果が切れ、睡眠中の血圧が十分に下がっていない可能性がある。

今井さんらは欧州などとの共同研究で、デンマーク、ベルギー、スウェーデン、ウルグアイ、中国、岩手県花巻市の一般住民7458人(調査開始時の平均年齢57歳)を約10年追跡調査した。

開始時に血圧を24時間測り、その後の発症率を調べた。開始時に降圧薬を飲んでいなかった5821人(うち約3割は高血圧患者とみられる)では、9%の人が脳心血管疾患を起こした。昼、夜ともに血圧が高い人ほど発症率が高かった。

これに対し、降圧薬を飲んでいた1637人では、約25%の人に発症があった。昼の血圧と脳心血管疾患の発症率には関係が見られなかったが、就寝中の上(収縮期)の血圧が90で約15%、110で約20%、130では約25%などと高いほど発症率が大きくなった。共同研究グループは、就寝中の上の血圧は120以上が高血圧としている。

東北大の大久保孝義准教授は「就寝中の血圧を測って降圧薬の効果を判定し、十分でない場合は寝る前に服薬するなどの対策が必要ではないか」としている。(asahi.com)

高血圧症について
高血圧症には、原因を特定できない本態性高血圧症と、身体のどこかに原因となる病気がある二次性高血圧症の2つがあります。日本では本態性高血圧症が高血圧症の9割以上を占めています。
症状はとくに現れませんが、人によっては肩こりや頭重感、不眠、動悸などを感じることがあります。

治療は、塩分を控えた食事を心がけたり、肥満を解消するなど、生活習慣の見直しが基本となりますが、それでも改善がみられない場合は、降圧薬を用います。