塗り絵の認知症患者への効果を検証

脳の働きを活性化するとして、塗り絵の効果を科学的に検証している古賀良彦氏が、先ごろ開催された「国際ぬり絵シンポジウム」の基調講演「塗り絵とアンチエイジング」で、最新の研究成果を紹介した。それによると認知症の進んだ人に対しても、塗り絵は優れた効果があるという。

塗り絵は一見するとシンプルな遊びだが、実は意外に広範囲の脳を使う。例えば下絵を眺めているときは、視覚野のある後頭葉や、色や形の記憶が保存されている側頭葉を使い、「何色でぬるか」「どこからぬるか」など、作業プランを立てているときは、前頭葉にある前頭連合野が働く。もちろん実際に色をぬるときは、同じく前頭葉にある運動野が働く。

塗り絵の認知症患者への効果についても、古賀氏は今回、認知症の人に塗り絵を継続的に行ってもらうことで、記憶や認知といった脳の高次機能に、どのような変化があるかも調べた。
その結果、「認知症に対する治療法が確立されていない現在、認知症患者に対する塗り絵の可能性は、十分に期待できる」とその効果を高く評価している。(ameba news)

認知症について
人間が本来持っている識別、分析、判断、記憶などの能力が低下し、さまざまな障害を招く病気が認知症です。認知症の主な原因には脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症があります。

アルツハイマー型認知症は大脳全体の萎縮によって起こる病気で、40〜60歳に多発します。一方、脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血など脳の血管障害や外傷などが原因となって起こります。

アルツハイマー型の症状は、記憶障害、徘徊、不眠、手足のふるえなどですが、脳血管性では夜間に幻覚や興奮をともない、泣き笑いなどの感情障害が多くみられます。
一般的に脳血管性のほうがアルツハイマー型より軽いのですが、運動障害は重症です。