メタボリックシンドロームの危険値、女性はウエスト80cm:東北大学

東北大学は、地域住民を対象とした長期前向きコホート研究「大迫研究」のデータに基づき、メタボリックシンドローム(MS)の危険性がある女性のウエスト周囲径基準値は80cmであると発表した。これに伴い、家庭で測る血圧がMS診断基準として有用であることも明らかにした。

対象者は、岩手県花巻市大迫町の住民395人。平均年齢は63歳だった。研究対象の綿密な解析の結果、ウエスト周囲径項目を除いたMSリスク因子の集積を検出する最適なウエスト周囲径基準値は、男性が87cm、女性80cmと判明。
また、自宅で測る血圧(家庭血圧)の高値がMSの存在を予測した。しかし、医療機関などで測定する血圧(随時血圧)では予測できなかった。

この結果は、以前の大迫研究で、インスリン抵抗性を指標としてMSの診断基準を検討した際に算出されたウエスト周囲径と同じ。現在、国内のMS診断基準値が男性85cm以上、女性90cm以上であることから、男女の基準値の見直しが必要であるとともに、MS診断基準の項目に家庭血圧を導入すべきであると結論付けた。(webBCN)

大迫研究とは?
大迫研究は、1986年に開始された岩手県大迫町の一般住民を対象とした高血圧・循環器疾患に関する研究です。家庭血圧の測定と24時間自由行動下血圧測定を実施した日本で初めての疫学研究として、日本はもとより世界でも広く知られています。現在も研究は続いており、その間に次のようなエビデンスが発表されています。

24時間自由行動下血圧を用いた追跡研究

  • 24時間自由行動下血圧の心血管死亡・脳卒中発症予測能は、随時血圧より優れている。
  • 24時間自由行動下血圧135/80mgHg以上は高血圧である。
  • 夜間睡眠時に血圧が低下しないと心血管死亡のリスクが高い。
  • 昼間血圧が変動しやすいと心血管死亡のリスクが高い。

家庭血圧を用いた追跡研究

  • 家庭血圧の心血管死亡予測能は、随時血圧よりも優れている。
  • 家庭血圧135/80mgHg以上は高血圧である。
  • 家庭血圧では、収縮期血圧が拡張期血圧より重要である。

なかでも、脳・心血管疾患の確実な予防のためには、外来血圧よりも家庭での朝の血圧を管理することが重要であることを明らかにしました。日本や欧米の高血圧ガイドラインにも、家庭血圧の基準値として大迫研究の結果が引用されており、日本の臨床疫学データが国際的ガイドラインの基盤になっています。

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