日本のがん患者の中で利用頻度が最も多いとされる健康食品「アガリクス」について、厚生労働省研究班(主任研究者、住吉義光・四国がんセンター第一病棟部長)が5日、安全性評価を目的とした臨床試験を今月から始めると発表した。
アガリクスのように、がんの補完代替医療で利用されている健康食品やサプリメントには、科学的根拠が不足したまま情報がはんらんしているものが多い。研究班は「臨床試験で有害か無害か、有効か無効かを明らかにし、適切な情報発信をしたい」としている。
アガリクスは、ブラジル原産のキノコの一種。別の厚労省研究班の調査では、がん患者の4割強が補完代替医療を利用し、その中で最も多く利用されているのがアガリクスだった。
一方、科学的な評価は進んでおらず、英語の論文はわずかしか出ていない。安全性に関連しては「人が摂取した場合、重い肝機能障害を起こす可能性がある」とする報告や、「マウスに2年間投与した結果、安全性が確認できた」とする報告があるという。
今回の臨床試験計画では、がんの治療が終了して経過観察中の20歳以上80歳未満の男女約90人の希望者を3グループに分け、量を変えてアガリクスを約6カ月間摂取してもらう。
肝臓や腎臓、呼吸などの機能に変化がないか、アレルギー症状の有無などの安全性を評価するほか、免疫機能や生活の質(QOL)の変化も調べる。(毎日新聞)
アガリクスについて
1965年にブラジルで日本人が初めて栽培に成功したキノコで、学名は「アガリクス・ブラゼイ」、姫マツタケ、カワリハラタケとも呼ばれています。もともとはブラジルのキノコですが、その成分が注目されるようになりました。
成分はタンパク質が約40%と多く、その他にビタミンB2・D、マグネシウム、カリウム、リノール酸、リン脂質が含まれています。また、キノコ特有の成分β-グルカンの含有量が多いのも特徴です。
