国際結核肺疾患予防連合の肺の健康に関する世界会議が開催され、専門家らは現在入手可能な結核治療薬に対する耐性の強まりにより治療不可能な新しい菌が出現し、世界を脅威にさらす可能性があると警告した。
WHOの「Stop TB」計画の責任者、マリオ医師によると、最近イタリアで、現在入手可能なすべての結核治療薬に対する耐性の症例が2-3件報告されており、すべての患者が死亡したという。
世界で約20億人が結核に感染しているが、うち約45万人が耐性結核菌に感染しており、毎年160万人が死亡している。
また、世界41か国で少なくとも1件の広範囲薬剤耐性結核菌(XDR-TB)の症例が報告されているが、アフリカの多くの国ではこの菌を検出できる研究施設がないため、数値はさらに増える可能性もある。
薬剤耐性結核菌は、結核に感染した患者が完治するまで治療を受けなかった場合などに生じ、ヒトからヒトへと直接感染する場合もある。
薬剤耐性菌とは?
多くの細菌は抗生物質やサルファ剤などの化学療法剤によって発育・増殖が抑制(阻止)されますが、しばしば、本来有効とされる薬剤による阻止効果がみられなくなることがあります。これらの細菌をその薬剤の耐性菌といいます。
1種の薬剤に対する耐性菌を単剤耐性菌といい、多種の構造が類似しない薬剤に対する耐性菌を多剤耐性菌と呼びます。また、ある薬剤の耐性菌が同種の薬剤にも耐性をもつ場合は交差耐性といいます。
薬剤耐性は細菌自体がもっている仕組みで、化学療法剤の過剰投与によっておこる場合が多いとされていますが、細菌の細胞質内にある薬剤耐性因子(DNA)であるプラスミドが他の同種の細菌へ組み込まれて耐性菌になる場合や、染色体性の自然耐性菌や染色体遺伝子の突然変異による耐性菌もあります。
