万能細胞でマウスの貧血症状を改善:ホワイトヘッド研究所

京都大の山中伸弥教授らが開発した皮膚細胞から作る万能細胞(iPS細胞)を使って、貧血のモデルマウスの症状を改善する実験に、米ホワイトヘッド研究所などの研究チームが成功し、米科学誌「サイエンス」(電子版)に発表した。

実験に使ったiPS細胞は、山中教授らが昨年6月に発表した4つの遺伝子をマウスの皮膚遺伝子に導入する手法で作成。貧血のモデルマウスの皮膚からiPS細胞を作り、貧血の原因遺伝子を正常な遺伝子に置き換えたうえで造血幹細胞まで成長させた。これを貧血のマウスに戻した結果、症状が大幅に改善したという。

山中教授は「病気の原因遺伝子を置き換える手法を確立したすばらしい成果。国内の多くの研究機関が加わるオールジャパン体制を早急につくらないと、米国をはじめとする海外の研究チームに太刀打ちできなくなる」と話している。(産経新聞)

iPS細胞について
iPS細胞はES細胞に類似した形態、増殖能、および遺伝子発現を示します。皮下に移植すると様々な分化細胞や組織から形成される奇形腫が形成されることから、iPS細胞は万能性を有していることがわかっています。

脊髄損傷や心不全などの患者体細胞から、iPS 細胞を誘導し、さらに神経細胞や心筋細胞を分化させることにより、倫理的問題や拒絶反応のない細胞移植療法の実現が期待されています。