無毒型「O-157」が東南アジアで分布:ワクチン開発の可能性も

重い食中毒の原因になり、腎不全や脳症を招いて死亡することもある腸管出血性大腸菌「O-157」の中で、毒素を作らないタイプがアジアに広く分布していることを、京都大東南アジア研究所の西渕光昭教授らが、マレーシア、タイ、中国などとの共同研究で突き止めた。

アジアでは衛生状態が悪いのに患者が少ない地域があり、このタイプに感染して免疫ができたのが一因と見られる。牛などに投与して、毒素を出す菌を減らすワクチンの開発に役立つ可能性もある。

また、日本とタイで健康な人の血清中にあるO-157に対する免疫抗体の保有率を調査。日本の2%に対し、タイは21%だった。

専門家の間では、日本などの先進国では過剰な清潔志向が細菌との共生関係を崩し、抵抗力を奪っているという意見もある。西渕教授は「日本ほど厳密ではない衛生状態が、免疫の獲得に有利に働いているのではないか。ただ、人間へ投与するのは、安全性が十分に確認されていないため、現段階では勧められない」としている。(YOMIURI ONLINE)

腸管出血性大腸菌(O-157)
人の腸内にはもともと多数の細菌が常在しています。大腸菌もその一種ですが、飲食物などとともに進入して下痢の原因になる大腸菌があり、病原性大腸菌と呼ばれています。

この中には、ベロ毒素という病原性の強い毒素を産生するものがあり、腸管性出血性大腸菌と呼ばれ、これが感染して起こる病気です。現在日本で最も多く検出されるものが「O-157」の番号をつけられた大腸菌です。

牛の大腸に常在している菌で、牛の腸の内容物に汚染された食品や水が感染のおもな原因となります。4〜8日の潜伏期を経て、水溶性の下痢と腹痛が起こり、翌日には血便が出るようになります。吐き気、王と、発熱がみられる場合もあります。生や加熱不十分な食品には注意が必要です。

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