ES細胞から網膜細胞を作成:網膜変性疾患の治療に応用も

あらゆる細胞に分化する万能性を持つヒト胚性幹細胞(ES細胞)から、網膜の細胞を効率よく作ることに理化学研究所と京都大の共同研究チームが成功した。細胞移植によって網膜を再生できれば、失明の恐れがある網膜疾患の根本的な治療法につながると期待される。米科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」(電子版)に3日、掲載された。

視野が著しく狭くなる網膜色素変性や、視力が低下する加齢黄斑変性などの網膜変性疾患は、高齢者の失明原因の上位を占める。網膜はいったん損なわれると修復が極めて困難なため、有効な治療法はほとんど確立されていない。

理研発生・再生科学総合研究センターの高橋政代チームリーダーは「安全性の検証などまだ多くの課題があるが、10年以内に臨床応用の試験を開始したい」としている。

研究チームはマウスやサルのES細胞を使った実験から、網膜細胞を誘導するための2種類の物質を特定。これをヒトのES細胞に使って培養した結果、網膜に栄養を供給する網膜色素上皮細胞や、光を電気信号に変えて脳に伝える視細胞を作り出すことに成功した。(産経新聞)

加齢黄斑変性症について
網膜の中心の黄斑部に、老化によって異常が起こります。網膜の外側にある網膜色素上皮の細胞が老化すると、そこに老廃物がたまってきます。その老廃物を吸収するために、脈絡膜の血管から新たに新生血管ができます。

ところが、急ごしらえの新生血管は、もろくて破れやすいため、出血したり、血液成分が周囲に漏れ出してしまいます。この新生血管が網膜の中に入ってきて、出血やむくみを起こします。

新生血管が黄斑の領域に発生し、黄斑が膨れ上がってきて異常が起こると、視力障害が現れます。初期にはものの中心がぼやけたり、黒ずんで見えたり、ゆがんで見えるようになります。
進行すると、著しい視力の低下があり、みたいものが見えないという状態になります。放置すると失明の危険性もあります。

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