COPD(慢性閉塞性肺疾患):患者の2割は自覚症状なし

31日からの「禁煙週間」を前に、日本ベーリンガーインゲルハイムファイザーは、4月に山形市で開いた「肺の健康を考えるセミナー」の参加者を対象にした肺力測定の結果を発表、測定希望者のうち30%以上に閉塞性障害(COPDの疑い)があることが分かった。

セミナーの参会者は230人、このうち146人(平均年齢63.2歳)が肺の力を測定するスパイロメトリー検査にチャレンジした。その結果、46人(32%)が、COPDの疑いがあることが判明。
その46人中30人(65%)がCOPDに罹患しているとするなら、既に中等症以上まで症状が進行していた。また咳、痰、息切れというCOPD特有の自覚症状が一つもない人でも、その20%に閉鎖性障害がみられた。

さらに参加者(平均年齢62.9歳)のうち228人が調査に協力。このうち160人(70%)が検診または人間ドックで肺の検査を受けていると回答した。ところが、うち112人(70%)がレントゲン検査を肺の検査と考えていた。
レントゲン検査は、造影で肺の異常を突き止めるのは可能だが、COPDの早期診断には適さない。COPD診断には、肺の力(肺機能)を測定するスパイロメトリー検査が必要だ。

日本ベーリンガーとファイザーは、肺の状態が実年齢の標準値より何歳上回っているかが分かる資料(肺年齢表)を作成し、肺機能検査の重要性を啓発するとしている。(くまにち)

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?
肺で酸素と二酸化炭素を交換する小さな袋「肺胞」が壊れる肺気腫と、太い気管支に起きる慢性気管支炎の2つを合わせた呼び名です。どちらも肺に炎症が生じ、慢性的な呼吸困難から、運動など日常生活にも様々な制約を受けます。
患者のほとんどが喫煙者であるため、「たばこ病」とも言われています。
患者数は多く、40歳以上の8・5%にあたる530万人と推定されています。しかし、実際に治療を受けているのは22万人ほどにとどまり、病気が十分に認識されていないのが現状です。

COPDは、1度壊れた肺は元に戻らないため「治療法のない病気」というイメージもありましたが、近年、新たな治療指針がまとまり、呼吸を楽にして快適な生活を送るための手だてが増えてきています。1日1回の吸入で効果が続くタイプの薬が認可され、利便性も高まりました。

鳥インフルエンザ:マウスの抗体実験で効果を確認

新型インフルエンザが大流行した場合、感染者の体内にできる免疫物質(抗体)が予防や治療に役立つかもしれない。米欧やベトナムなどの国際チームが29日、新型への変異が懸念される強毒型の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)について、マウスを使った抗体の実験で効果があったとオンライン医学誌「PLoSメディシン」に発表した。

チームは、ベトナムで04〜05年にH5N1型ウイルスに感染して回復した4人から血液を提供してもらい、含まれている免疫細胞を培養。ウイルスを無毒化する抗体が作られることを確認して、抗体をマウスに注射する実験をした。

抗体を注射しないマウスは、04年のウイルスに感染させるとすべて死んだ。ところが、ウイルス感染前や感染後に抗体を注射したマウスの体内ではウイルスが広がらなかった。こうした効果は05年のウイルスでも確認できたという。

H5N1型が変異し新型インフルエンザが誕生すれば、4000万人が死んだスペイン風邪(1918年)のように世界中で大流行する恐れがある。
ウイルスを弱毒化したワクチンの研究も進んでいるが、大量生産に向かず、即効性がないのが弱み。今回の実験のように抗体が治療に使えれば、こうした欠点を補えると期待される。(asahi.com)

鳥インフルエンザとは?
鳥類がA型インフルエンザウイルスに感染して起こる病気です。A型インフルエンザウイルスに感染して発病する鳥類は、鶏や七面鳥等の家きんが主で、野鳥での発病は希です。
鳥類に感染するA型インフルエンザウイルスを総称して鳥インフルエンザウイルスといいます。

家畜伝染病予防法では「鳥インフルエンザ」は、インフルエンザウイルス感染による家きん(鶏、あひる、うずら、七面鳥)の病気のうち、高病原性鳥インフルエンザでないものを指します。

SMAP法:イレッサの有効性を患者の遺伝子で判別

理化学研究所は、シンガポール国立大学病院と共同で、抗がん剤の「ゲフィチニブ」(商品名イレッサ)が効くかどうかを、患者の遺伝子型を調べ、素早く判別できる新手法の本格的な臨床研究を近く始めると発表した。
中国系やインド系、マレー系など多くの民族が住む同国で、新手法の有効性を確認するのが狙い。

「SMAP法」と呼ばれる新手法は、同研究所ゲノム科学総合研究センターの林崎良英プロジェクトディレクターらが開発した。微量の血液や組織片(がん細胞など)から取り出した遺伝子を高速で増やし、従来1時間半〜数日程度かかっていた遺伝子診断を30分程度で完了できる。

肺がん治療薬のイレッサは、特定の遺伝子に変異のある患者には非常に有効だが、変異のない患者には効かず、重い肺炎を起こす副作用が問題となっている。新手法を使えば、肺がんの手術中に、採取したがん細胞を遺伝子解析し、イレッサを投与すべきかどうかを診断するといった、効率的な治療が可能になる。

シンガポールでは今後1年間で100人の患者を対象に臨床研究を行う予定。成功すれば本格的な臨床試験に切り替え、米食品医薬品局(FDA)による承認も視野に入れるという。(YOMIURI ONLINE)

イレッサについて
イレッサは、肺がん細胞の表面にあるEGFR(上皮成長因子受容体)と呼ばれるたんぱく質に作用し、がんの増殖を抑える。この受容体に遺伝子変異があると、薬が効きやすいとの研究がある。
日本人、特に女性や、非小細胞肺がんの一種、腺がんの患者は、遺伝子変異の割合が高いとされる。

一方、イレッサの副作用とみられる重い肺障害の発症率は、他の抗がん剤を使った患者に比べ約3倍に高まることが、イレッサを販売するアストラゼネカ社が国内で実施した大規模な調査でわかっている。

クロレラの成分「ルテイン」がアルツハイマー病予防に効果か?

緑藻類のクロレラなどに多く含まれる成分「ルテイン」に、赤血球の老化を防ぐ効果があることが、東北大大学院農学研究科の宮沢陽夫教授(食品学)らの研究で明らかになった。

老化した赤血球は、アルツハイマー病患者の血中に多く存在し、脳組織に慢性的な酸素不足をもたらして症状を悪化させると考えられていることから、認知症の予防や進行防止への効果が期待される。

ルテインは天然化合物カロテノイドの一種。実験で、健康な男女計6人が、ルテインが約10ミリ・グラム含まれた錠剤を1日1粒ずつ、4週間飲んだところ、赤血球に含まれるルテイン量は平均2・8倍に増加した。逆に、赤血球の老化を示す過酸化リン脂質の量は3分の1以下に減っていた。

宮沢教授らはこれまでに、アルツハイマー病患者の赤血球には、健康な人の5〜6倍の過酸化リン脂質が蓄積されていることを研究で明らかにしている。

過酸化リン脂質が蓄積された状態では、赤血球から酸素が離れにくくなり、脳細胞に酸素を供給する能力が低下する。その結果、認知症の進行を早めている可能性もあるという。

宮沢教授は「認知症の発症や進行を予防できる可能性があり、今年中に認知症患者にルテインを投与する臨床試験を始めたい」と話している。(YOMIURI ONLINE)

アルツハイマー病とは?
認知症の一種で、次第に物忘れが激しくなり、時間や場所が分からなくなったり、食事や排泄などの障害に進行していく。脳内で異常にできたアミロイドβ タンパクが互いに長くつながり、糸状に伸びることで神経毒性が発生、脳細胞が死んで認知症を引き起こすという「アミロイド仮説」が有力視されている。

ヒトES細胞の大量培養に成功:再生医療の実現に近づく成果

体の様々な組織の細胞になる能力がある、人の胚性幹細胞(ES細胞)を、大量に培養し効率よく大脳の細胞にすることに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹・グループディレクターらの研究チームが成功した。
ES細胞を大量に増やすことができるうえ、脳こうそくや神経難病の治療への応用が期待できるなど、再生医療の実現に大きく近づく成果。
27日の科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー(電子版)に発表される。

人のES細胞はマウスのES細胞と比べて培養が難しく、実験のため1個ずつに分けると、細胞はほとんどが死んでしまう。十分な細胞量を確保できず、研究や将来の治療に使うのに支障になっていた。

笹井さんらは、ES細胞内に“自殺”を促す物質があるとみて、約40種の候補から原因酵素を突き止めた。この酵素の働きを抑えると、ES細胞はほとんど死なず、1個から大量に増やすことができた。酵素の抑制は、薬で簡単にでき、従来の方法より1か月で100倍以上増やせるという。

増やしたES細胞を、マウスのES細胞と同じ方法で処理したところ、9割以上が神経系の細胞になった。このうち3分の1は、大脳の表面を覆う皮質細胞や、体の動きの調節などをする基底核の神経細胞にすることができた。

再生医療は、ES細胞からつくった神経細胞などを、傷んだ細胞の代わりに移植する治療を目指している。笹井さんは「大量培養で研究のすそ野が飛躍的に広がり、アルツハイマー病など大脳の神経変性疾患の原因解明や治療薬の開発にもつながる」と話している。(YOMIURI ONLINE)

ES細胞とは?
生体の組織や臓器の元となる細胞のこと。幹細胞、または胚性幹細胞ともいう。
受精卵が細胞分裂を繰り返し、ある程度の細胞塊になった頃に取り出して培養することで、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力を持ったES細胞を得ることができる。
別の胚に混ぜて培養させると生体の組織や器官を人為的に作り出すことができるため、神経細胞や血液細胞の再生医療の技術として、難病治療への応用が期待されている。
1998年11月、アメリカのトムソン博士によって、ヒトのES細胞の培養が世界ではじめて成功した。

バイエル薬品:勃起不全治療薬「レビトラ20mg」を輸入販売へ

厚生労働省は24日、バイエル薬品(大阪市)が申請していた勃起不全(ED)治療薬「レビトラ20?r」(一般名塩酸バルデナフィル水和物)の輸入販売を承認した。
海外の経口ED治療薬は有効成分20?r以上の高用量剤が主流だが、国内で承認された高用量剤は初めて。

勃起の発現、維持には「サイクリックGMP」と呼ばれる生体内伝達物質が必要だが、陰茎組織から分泌されるPDE5と呼ばれる酵素は、サイクリックGMPを分解してしまう。
レビトラは、このPDE5の働きを阻害することでサイクリックGMPの分解を抑制、勃起を延長させる。

国内では、これまで5?r剤と10?r剤が承認、販売されていたが、生活習慣病や脊髄(せきずい)損傷、骨盤内手術後の患者など勃起不全が重くなりやすい人は、十分な勃起効果が得られなかった。
こうした日本人の難治性ED患者約800人を対象にした第?V相臨床試験でレビトラ20?rの有効性と安全性が確認されたという。

レビトラは通常、1日1回、10?rを性行為の約1時間前に服用する。20?rは、10?rでは効果が不十分で認容性が良好とされた器質性または混合型勃起不全患者。半面、65歳以上の高齢者や中程度の肝障害患者は5?rから服用を始め、最高用量は10?rとする。(くまにち)

レビトラについて
レビトラは極めて有効なホスホジエステラーゼタイプ5(PDE−5)阻害剤です。PDE−5は主に陰茎組織に見られる酵素で、勃起の発現・維持に大事な生体内伝達物質サイクリックGMP(cGMP)を分解します。

レビトラは、このPDE−5を阻害することでcGMPの分解を抑え、勃起反応を強化・延長させます。
レビトラは、PDE−5に対する優れた選択性と強い阻害活性をもち、国内外のさまざまな臨床試験で幅広いED患者層に対して優れた有効性および安全性が確認されています。

レビトラは、勃起不全を改善するため、性行為を開始する前に服用する医療用医薬品で医師の処方箋が必要です。心筋梗塞や狭心症の治療のためによく使われる硝酸剤を服用中の患者などには禁忌です。

国内初、体外受精で生まれた女性が出産

国内3例目の体外受精児として1984年に生まれた女性(23)が、2003年に自然妊娠で男児を出産していたことが27日、明らかになった。体外受精児による出産は国内初とみられる。男児は健康に育っているという。
体外受精はすでに、国内では一般的な不妊治療として普及しており、国内初の体外受精を成功させた鈴木雅洲(まさくに)・スズキ記念病院長(東北大名誉教授)は、「体外受精児が、自然妊娠で生まれた子どもたちと同じように出産したことは、体外受精で子供をもうけた大勢の夫婦に大きな安心感を与えるだろう」と話している。

この女性は、卵管閉塞による不妊症だった母親が、東北大で体外受精を受け、84年2月に生まれた。03年8月に、仙台市内の産婦人科医院で体重2726グラムの男児を出産した。

体外受精による妊娠は、鈴木院長ら同大のグループが国内で初めて成功し、1例目の女児が83年10月に誕生した。ただし、女児は2歳の時に肺炎で死亡。2例目の女児はまだ出産していないという。

海外では、世界初の体外受精児として生まれた英国のルイーズ・ブラウンさん(28)が06年12月に自然妊娠で男児を出産。体外受精で生まれたルイーズさんの妹も99年に出産している。

国内での体外受精の実施件数は、年々増加している。04年に誕生した体外受精児は約1万8000人で、年間出生数の約1・6%を占める。

体外受精とは
卵巣から取り出した卵子と、精子を体外で受精させる生殖医療の手法。卵管の機能上の問題や精子の運動性の問題がある時などに使われる。
微細な管で卵子に精子を注入する顕微授精は体外受精の一種。国内で体外受精によって生まれた子供は10万人を超え、生殖医療の現場では一般的な技術になっている。(YOMIURI ONLINE)

はしか抗体検査:試薬の生産不足で全面中断へ

首都圏を中心としたはしか(麻疹)の流行で、はしかの免疫の有無を調べる試薬の生産が追い付かず、抗体検査が28日までに、ほぼ全面的に中断されることが分かった。
厚生労働省は不足が懸念されるはしかのワクチンを無駄に使わないよう、接種前に抗体検査を励行する通知を18日に都道府県に出したばかり。
しかし、実際は検査を受けられないことになる。厚労省医政局は「試薬の在庫についてメーカーに報告を求めていなかった。実態把握を急ぎたい」と話している。

はしかは一度かかった場合や、予防接種を受けて免疫が残っている場合は感染せず、改めてワクチンを接種する必要はない。それを調べるのが抗体検査で、一般的には医療機関が血液を採り、専門の臨床検査業者に送ると数日で結果が分かる。

ところが大学の休講が相次いだ今月中旬以降、検査会社に通常の数十倍の検査依頼が殺到。年間の検査数が通常約5万件程度の大手検査会社の場合、24日だけで1万件近くの依頼があったという。
このため試薬の供給が間に合わなくなり、試薬メーカーは製造を急いでいるが、不足状態はしばらく続く見込みという。

試薬不足のため、大手検査会社2社は検査の大半を28日までに一時中断することを医療機関に通知。別の1社は検査の受け付けはするが、結果通知が大幅に遅れることを伝えた。

試薬不足の背景には、はしかのワクチン不足がある。06年度から子供の予防接種は、はしかだけに効く単独ワクチンから、風疹との混合(MR)ワクチンに代わった。このため単独ワクチンの製造は激減し、今回の在庫不足の一因になった。
厚労省が18日、抗体検査実施などを考慮した適正量の購入を都道府県を通して呼び掛けたことも、検査依頼の急増につながり、試薬不足を引き起こしたとみられる。

厚労省医政局は「需給の状況を調べ、地域間で融通し合うなどして検査が滞らないよう関係機関に要請したい」と話している。一方で「混合ワクチンは毎月供給され、効き目も同じなので、接種できなくなる心配はない」と冷静な対応を求めている。

国立感染症研究所によると、今年のはしかは子供だけでなく成人(15歳以上)患者が目立ち、4月2日〜5月13日に全国の医療機関から報告があった成人患者は159人で、大流行した01年同期の165人に迫る。今月7〜13日の1週間では、今年最多の53人の感染報告があった。(毎日新聞)

はしか(麻疹)について
はしか(麻疹)は発熱・発疹・咳を主症状とする急性の感染症で、39〜40度の高熱が続く重い病気です。うつる力も強く注意が必要です。ウイルスの潜伏期間は約11日。飛沫感染します。予防接種を受けていない子供がはしかの子供と接触した場合、3〜4日以内にガンマグロブリンの注射をうければ発病を防ぐことができます。

はしか(麻疹)の症状
はじめに熱・咳・鼻水・目やになど通常の風邪と同じ症状が出ます。この時期にははしかと診断する事はできません。4日目位に一度熱が下がりますが、半日から1日後に高熱とともに発疹がでます。はしかはほぼ円形の紅い斑点で5mmくらい。顔からはじまり全身へと広がっていきます。かゆみはありません。約5日くらいで熱もさがり、発疹も消えてきます。

中皮腫、肺がんの労災認定が過去最多:アスベスト問題

仕事中にアスベスト(石綿)を吸い込み中皮腫や肺がんになったとして2006年度に労災認定された人は1796人で過去最多となったことが25日、厚生労働省の集計で分かった。前年度(722人)の約2・5倍となった。
05年に石綿被害が大きな社会問題になって以降、申請者が大幅に増加。同年度に申請して昨年度に認定された人も多かったことが背景にあるという。

労災の時効(5年)が過ぎ、昨年3月に施行された石綿救済新法の対象として「特別遺族給付金」の支給を受けたのは3月末までで882人に上った。

集計によると、石綿被害で06年度に労災申請した人は1715人で、05年度(1796人)とほぼ同水準。06年度に労災保険給付を認定されたのは、前年度以前に申請した人も含む1796人だった。

認定の疾病別内訳は、石綿特有のがんの一種である中皮腫が1006人、肺がんが790人。業種別では建設業と製造業が大半を占めた。支給の可否が決定した人のうち支給人数の割合を示す認定率は中皮腫が88%、肺がんが74%だった。(Shikoku news)

中皮腫とは?
胸膜の中皮細胞由来の腫瘍で、悪性度が高く、石綿(アスベスト)曝露(ばくろ)との関連が深いのが特徴です。

原因は何か
職業的な石綿吸入が発症要因として知られており、石綿鉱山の従業員や、造船業、建設業に従事する人々に発症しやすい腫瘍です。
石綿に被曝してから中皮腫が発症するまでの期間は、20〜50年とされています。

症状の現れ方
通常、片側の肺を侵すことが多く、胸水がたまってくると、胸痛、咳(せき)、呼吸困難が現れます。発熱を来すことはまれです。
胸部X線検査や胸部CT検査で、胸水がたまっている様子や不整な胸膜肥厚像を認めます。
胸水は血性を示すことが多く、ヒアルロン酸も高値を示します。胸水細胞診のみでは診断率が低く、胸腔鏡検査で胸膜変化部を生検して確定診断される場合も少なくありません。

治療の方法
発症初期での胸膜・肺全摘出術による治療以外に根治的なものはありません。
手術不能例では、アドリアマイシンを中心とした抗がん化学療法が行われますが、予後は極めて不良です。

メタボ改善減量プログラム「はらすまダイエット」を開発:日立

日立製作所は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の着実な改善を促す独自の減量プログラムと、同プログラムの実施を遠隔指導管理する専用のIT(情報技術)システムを開発したと発表した。
グループ社員の健康保険管理に採用するとともに、2008年度をめどに事業化する。

政府の医療制度改革にともない保険事業者には、08年4月から予防医療に向けた「特定健康診査・特定保険指導」が義務付けられる。高血圧や糖尿病などの生活習慣病を引き起こす要因とされるメタボ対策は、保険指導の中核となる見通しで、これに対応した。

減量プログラム「はらすまダイエット」は、産業医科大学公衆衛生学研究室、損保ジャパン総合研究所と共同開発した。保健師の指導を受けながら90日間で5%の減量を目指す仕組みで、目標体重に向け日々必要な生活習慣の改善を、わかりやすい100キロカロリー単位ごとの対策項目から自主的に選択する。

一方、同プログラム向けのITシステムは、パソコンや携帯電話のネット機能に対応し、被保険者の入力情報から減量に向けた改善カロリー数値や対策項目を提示し、日々の体重変化や対策の履行状況を管理する。

また、多数の被保険者の減量実施状況を保健師が効率的に管理できるよう、指導支援の優先度の高い順番に自動的に管理情報を表示する仕組みや、指導送信メールのひな型の自動生成を可能にした。

「特定健康診査・特定保険指導」の義務づけにともない、旭化成が支援事業に参入することを表明している。今後、異業種からの支援事業への参入が続きそうだ。(FujiSankei Business i)

メタボリック症候群とは?
生活習慣病の代表格に肥満症、高血圧、糖尿病、高脂血症がある。これらの疾患は肥満、特に内臓に脂肪が蓄積した肥満が原因であるとされ、内臓脂肪によりさまざまな病気が引きおこされる状態をメタボリックシンドロームという。

高血圧、高脂血症、糖尿病などひとつひとつの症状は軽くても、複合すると心筋梗塞や脳梗塞のリスクが急激に増大することから注目されている。
診断基準の必須項目としてウエスト径があり、男性85センチ以上、女性90センチ以上がメタボリックシンドローム診断のカギとなる。

がん治療認定医制度を創設:10年で数万人を医療現場へ

がんについて幅広い知識を持つ医師を増やし、全国どこでも、一定レベル以上の治療が受けられる体制を作るため、日本癌学会など3学会と全国がんセンター協議会は、「がん治療認定医制度」を創設した。
来年1月に初の認定試験を実施し、10年で数万人の認定医を医療の現場に送り出すという。

がん治療に関しては、臓器や治療法によって専門が細分化され過ぎ、患者が最善の治療法を探しにくいのが現状。学会ごとに認定医・専門医制度を設けているが、「専門以外は門外漢」という医師が多い。外科が専門で、放射線治療や緩和医療について十分な知識がなかったり、血液内科の専門でなければ、白血病などの治療法に疎かったりと、主治医によって、患者の病状にあった治療や情報にたどり着けない恐れがあった。

また、地域によっては、専門医がおらず、その分野の最新の治療情報が手に入りにくいという問題も指摘されている。4団体は昨年12月、学会の枠を超えて、「日本がん治療認定医機構」を設立。がんの初期診療から緩和医療まで幅広く対応でき、最新の治療法も紹介できる医師を養成することにした。

認定医になるには、がんセンターなど機構認定の病院で2年間の研修を行ったうえで、学会や機構が開催する教育セミナーで基礎的な治療法から患者や家族とのコミュニケーション方法までを学ぶ。さらに、機構の実施する試験に合格しなければならない。
機構は「必要な治療を求めて、病院を渡り歩く『がん難民』をなくし、どこでも安心して、がん治療を受けられるようにしたい」としている。(YOMIURI ONLINE)

がん治療認定医への申請資格

  1. 日本国の医師免許証を有すること。
  2. 認定医制度規則施行細則第11条による所属する基本領域の学会の認定医又は専門医の資格を有すること。
  3. 機構の定める認定研修施設において,機構の定めるがん治療研修を終了し,指導責任者による証明がなされていること。
  4. 2002年4月1日から申請時までの期間に下記の業績を有すること。 (@ 学会発表…別紙資格審査のための業績基準に挙げる学会において発表された,がん診療についての業績2件以上 A 論文発表…別紙資格審査のための業績基準に挙げる学術雑誌または学術図書に掲載されたがん診療についての業績1件以上)
  5. 機構が開催する教育セミナーに参加し,受講後に行われる認定試験に合格していること。
  6. 2002年4月1日から申請時までの期間に下記学術単位を合計で20単位以上取得していること。
  • 機構の開催する教育セミナー参加 10単位
  • 機構が認める学会の学術集会参加 3単位
  • 特定非営利法人日本臨床腫瘍学会の教育セミナー参加 Aセッション 10単位 / Bセッション 5単位
  • 日本癌学会及び日本癌治療学会の教育セミナー参加 5単位
  • 各学会からの申請により、資格審査委員会が定め,機構理事会が認めた学会の教育セミナー参加 3単位

腫瘍マーカー「MESACUP anti-p53テスト」が新発売

医学生物学研究所(MBL)は、血清中の腫瘍マーカーであるp53抗体を測定する「MESACUP anti-p53テスト」が、先ごろ厚生労働省から製造承認を取得したと発表した。
従来有用な腫瘍マーカーがなかった早期食道がんなどでも高い陽性率を示し、大腸がん、乳がんでの早期診断も可能。新規腫瘍マーカーとしては8年ぶりの承認。
MBLは、7月発売、年内の保険適用、3年後5億円の売上高を予定している。

p53はがん抑制遺伝子の1つ。正常なp53遺伝子のたん白質は、損傷された遺伝子の修復、細胞周期進行の制御、アポトーシス誘導能を持つ。この遺伝子が変異しp53の活性が欠損すると、遺伝子が損傷されている細胞ががん化するといわれる。(化学工業日報)

腫瘍マーカーとは?
体のどこかに腫瘍ができると、血液中や排泄物中に、たんぱく質や酵素、ホルモンなどの特別な物質が増えてきます。それが腫瘍マーカーです。
腫瘍の種類や発症部位に特有の物質と、そうでないものがあります。それを検出するのが腫瘍マーカー検査で、腫瘍の発生やその種類、進行度などを判断する手がかりになります。

ただ、腫瘍マーカーの数値が高いからといって、腫瘍が確実に存在することを示すものではありません。また、それだけで腫瘍が良性か悪性(がん)かの判断はできませんし、どの臓器にがんができたかを特定することはできません。

さらに、がんの場合は、初期には、腫瘍マーカー値は異常を示しません。これは、人によってそれらの物質の存在の有無やレベルが異なるうえ、仮に腫瘍ができていたとしても、腫瘍マーカーの出現や発生量が一様であるとはいえないからです。
そのため、腫瘍マーカー検査は、各種検査の補助手段として利用されたり、悪性腫瘍の治療効果の測定に用いられるのが一般的です。

池田康夫・慶応大学医学部長が研究費を二重受給

慶応大学の池田康夫医学部長を中心とする研究グループが、厚生労働省の科学研究費補助金(科研費)を受けながら、文部科学省所管の財団法人からも助成金を受け取っていたことが23日、厚生労働省などの調査で分かった。
二重受給は厚労省の公募要項に違反しており、研究グループは科研費の一部を返納する手続きを取った。

同日会見した池田部長らは「社会を騒がせたことを深くおわびする」と謝罪したうえで、「財団からの助成は規定に抵触しないと解釈していた」と話した。

池田部長らの研究は、アスピリンに心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞の発症予防効果があるかどうか調べる臨床研究。2004年度から3年度にわたり、総額約1億5000万円の厚労省科研費が認められた。
一方、文部科学省所管の日本ワックスマン財団から約4億3000万円の助成金も受けていた。

薬の臨床研究について
市販薬に効能を追加する場合、薬事法に基づく治験が必要となる。治験は実施計画を厚生労働大臣に届け、副作用の報告義務がある。監査も必要で人件費がかさみ、国内では1症例当たり300万円を超すという調査もある(関連記事:治験医療機関、症状ゼロでも平均300万円の医療費)。

これに対し、研究者主導の臨床研究は法的規制がなく、費用も大幅に少ない。厚労省は99年に、国内の公的研究などで信頼性を確認できるデータがあれば効能・効果や用法・用量の拡大を認めるルールを導入した。

今回の臨床研究は、アスピリンの新たな効能を確かめるためで、もし、結果が効能の拡大に結びつけば、服用者が増え、製薬会社に利益をもたらす可能性がある。

厚生労働省が体外受精児を追跡調査:健康、発育状況を把握へ

厚生労働省は、体外受精が子どもの成長に及ぼす影響を検証するため、生まれてから六歳になるまでの健康状態や発育状況を把握する初めての追跡調査に本年度から乗り出すことを決めた。

体外受精は晩婚化に伴う高齢出産や不妊夫婦の増加で年々普及。二〇〇四年には国内で約一万八千人が生まれた。同省は約八千人の調査対象者確保を目標に、体外受精で生まれた子の親に協力を求める。
先天異常の有無や、年齢ごとの知能、精神の発達状況などを各医療機関から国立成育医療センター(東京)に定期的に報告してもらい、集まったデータを同センターで一元管理することを検討している。

調査を担当する同省研究班の主任研究者・吉村泰典慶応大教授は「生殖補助医療は妊娠で終わりではなく、生まれてからが始まりだ。長期的に観察し、出生児への安全性という視点から医療のあり方を提言したい」としている。

体外受精は卵巣から取り出した卵子を培養液内で受精させ、受精卵=胚(はい)=を子宮に戻す不妊治療。妊娠率を上げるため複数の胚を同時に移植した結果、双子や三つ子を妊娠する「多胎妊娠」につながったり、胎児に先天異常の割合が高かったりするのではないかとの指摘も出ている。

同省は本年度中に調査対象となる母子の登録システムづくりに着手。出生児の保護者側に医療機関を通じ調査への参加を求める。(東京新聞)

体外受精とは
卵巣から取り出した卵子と、精子を体外で受精させる生殖医療の手法。卵管の機能上の問題や精子の運動性の問題がある時などに使われる。
微細な管で卵子に精子を注入する顕微授精は体外受精の一種。国内で体外受精によって生まれた子供は10万人を超え、生殖医療の現場では一般的な技術になっている。

治験医療機関、症状ゼロでも平均300万円の医療費

新薬の開発に必要な臨床試験(治験)で、依頼された医療機関が症例を1件も集められなくても平均300万円超を製薬会社から費用として受け取っていることが、製薬会社の研究者らの調査で分かった。
日本は治験に費用と時間がかかるとされるが、契約通りに症例が集まらなくても費用が支払われる商慣習もコストアップの一因といえそうだ。

調査は国内外の大手製薬の研究開発責任者でつくる「R&Dヘッドクラブ」が、会員企業18社に非会員の2社を加えた計20社を対象に実施。2006年3月までに終了した治験の状況を集計した。参加企業は武田薬品工業第一三共、米系ファイザーなど。(NIKKEI)

治験とは?
化学合成や、植物、土壌中の菌、海洋生物などから発見された物質の中から、試験管の中での実験や動物実験により、病気に 効果があり、人に使用しても安全と予測されるものが「薬の候補」として選ばれます。
この「薬の候補」の開発の最終段階では、健康な人や患者の協力によって、人での効果と安全性を調べることが必要です。
こうして得られた成績を国が審査して、病気の治療に必要で、かつ安全に使っていけると承認されたものが「薬」となります。

人における試験を一般に「臨床試験」といいますが、「薬の候補」を用いて国の承認を得るための成績を集める臨床試験は、特に「治験」と呼ばれています。

治験は病院で行われます。治験を行う病院は、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」という規則に定められた要件を満足する病院だけが選ばれます。その要件は以下のようになっています。

  • 医療設備が充分に整っていること
  • 責任を持って治験を実施する医師、看護師、薬剤師等がそろっていること
  • 治験の内容を審査する委員会を利用できること
  • 緊急の場合には直ちに必要な治療、処置が行えること

介護福祉士:資格所得者の4割が福祉職に就かず

都市部などで人材不足が深刻化している介護福祉士の国家資格を持つ人の約4割が、実際には福祉の仕事に就かずにいることが厚生労働省の調査で分かった。
介護福祉士は現場で介護保険事業などを担うが、給与水準や休日などの環境が悪く、特に都市部では家賃が高いなどの理由から敬遠されているとみられる。
現場からは、こうした「潜在的介護福祉士」について待遇改善による活用促進を望む声が上がっている。

厚労省の複数の調査によると、介護保険事業に従事する介護福祉士は約22万人(04年10月現在)、介護保険以外の障害者、児童福祉などの社会福祉の現場で働く介護福祉士は約9000人(03年10月現在)で、計約23万人が仕事に就いていた。
一方、こうした調査時期に近い04年9月末現在の介護福祉士の資格所有者は約41万人で、同省は全体の約4割にあたる残りの約18万人が潜在的介護福祉士と試算した。
介護福祉士の資格所有者は06年5月末現在で約54万5000人に増えており、潜在的介護福祉士がさらに増加している可能性もあるという。

同省の調査では、介護職員の平均給与総額(諸手当や税金などを含む)は労働時間が長い傾向にあるにもかかわらず、20.8万円(04年9月支払い分)。年齢が若く勤続年数が短い影響はあるものの、30万円を超えている全産業に比べて低い。

同省福祉人材確保対策室は「潜在的介護福祉士がいる詳しい理由は分からない」としているが、介護施設職員を対象とした同省調査(04年)では、不安や悩みに47.8%が「給与等収入が低い」、43.9%が「有給休暇を取りにくい」、29.9%が「業務の負担や責任が大きすぎる」を挙げていた。労働条件が潜在的介護福祉士を増大させている背景になっているとみられる。(毎日新聞)

介護福祉士とは?
身体的、精神的な障害により日常生活行動、たとえば、入浴、食事、排泄などの行動に支障のある人(主に高齢者)に対して支援を行なう国家資格を取得した人たちです。

介護福祉士の活動場所としては、特別養護老人ホーム、デイケアセンターや障害者の福祉作業所、その他の社会福祉施設があげられます。また、在宅で生活している要介護者の自宅に通って援助する訪問介護員(ホームヘルパー)にも介護福祉士資格は有用とされています。

養成校を卒業した場合は国家試験を経ずに資格が与えられますが、すべての資格取得者に国家試験を義務づける見直しが進んでいます。
一方で政府はフィリピンとの経済協定で同国からの介護士の受け入れを決め、関係者から「現場に混乱を招く」と反発する声が上がっています。

カプサイシンとイソフラボン:同時摂取で育毛効果を確認

唐辛子に含まれる成分「カプサイシン」と大豆に含まれる「イソフラボン」を同時に摂取すると育毛に大きな効果があることを、名古屋市立大医学研究科の岡嶋研二教授、原田直明講師らのグループが実証し、米科学誌に近く論文が掲載される。岡嶋教授は「一日に、小さじ二杯の唐辛子と半丁の豆腐を食べると効果が出る」としている。

髪の毛のもととなる毛母細胞は、ペプチド「IGF−1」によって分裂・増殖が盛んになる。岡嶋教授らは、カプサイシンとイソフラボンが、毛根の中のIGF−1を増加させる働きを持つことを、マウスを使った実験で突き止めた。

実際に薄毛や円形脱毛症の人三十一人に五カ月間、一日カプサイシン六ミリグラム、イソフラボン七十五ミリグラムを摂取してもらったところ、二十人に育毛効果が認められた。実験とは別に十二歳の重症円形脱毛症の少年が摂取すると、はっきりと効果が表れた。

岡嶋教授は「思春期はIGF−1の値が、人生の中で高い時期なので、大きな効果が期待できる。
一方で、悩みも深いので、相談してほしい」と話している。名古屋市中川区のかいせい病院=(電)052(362)6469=の育毛外来で治療を行っている。(中日新聞)

カプサイシンとは?
カプサイシンは、唐辛子の種の付近に含まれる辛味成分です。
カプサイシンが体内に入ると、中枢神経を刺激してホルモンの分泌を促し、エネルギー代謝を盛んにして、体脂肪の分解を進める働きがあるため、肥満予防に効果があります。
カプサイシンは食欲を増進し、抹消神経を刺激して体を温め血行を促進するので、冷え性や肩こりも改善します。
また、カプサイシンには胃液の分泌を促しすことで消化を助けたり、胃液を調節して胃潰瘍を治すことを助けたりもします。

メモ
カプサイシンは昨年にダイエットサプリメントとしてかなり売れたみたいですが、今度は育毛効果ですか。昔の人は、寒い日の外出の際に、靴の中に入れて足を暖めていました(高倉健の主演映画「八甲田山」でも出てきました)し、まだまだ効能が出てきそう。
ただ、同時摂取で育毛に効果があるとされているイソフラボンはとりすぎると月経不順などを招きかねないので要注意です。

父から娘へ肝腎同時移植:国立成育医療センター

国立成育医療センター(東京都)は19日、先天性の重い腎臓病と肝臓病を持つ4歳の女児に、30代の父親から、肝臓の一部と、右の腎臓を同時に移植したと発表した。1人の生体ドナー(臓器提供者)からの肝腎同時移植は国内で初めてで、世界でも4例目。女児、父親とも経過は良好だという。

松井陽・同センター病院長によると、女児は出生直後に、腎臓と肝臓の異常を指摘された。
生後7カ月で左の腎臓、9カ月で右の腎臓を摘出し、人工透析を受けてきた。肝臓の働きが悪いのが原因で、重い細菌感染である敗血症も繰り返した。

家族は肝臓と腎臓の移植を望んだが、医学的に臓器を提供できる家族は父親しかいなかった。このため、院内の倫理委員会と移植適応評価委員会で、父親だけからの移植を検討し承認。18日午前9時過ぎから約15時間かけて手術をした。移植された肝臓、腎臓は順調に働いているという。

父親は女児と血液型が異なり、こうした場合の肝腎同時移植は世界でも初めてという。
松井院長は「女児の容態などから同時移植が必要だった。父親の負担は大きいが、健康状態からみて耐えられると判断した」と話している。(毎日新聞)

敗血症とは?
敗血症とは、肺炎や腎盂腎炎など生体のある部分に感染を起こしている場所から血液中に病原体が流れ込み、重篤な全身症状を引き起こす症候群です。
背景として悪性疾患、血液疾患、糖尿病、肝・腎疾患、膠原病などがある場合、あるいは未熟児、高齢者、手術後といった状態の場合が多いとされています。
抗がん薬投与や放射線治療を受けて白血球数が低下している人、副腎皮質ホルモン薬や免疫抑制薬を投与されて感染に対する防御能が低下している人も敗血症を起こしやすいので注意が必要です。

血液中に病原体が流れ込む原因としては、腎盂腎炎に代表される尿路感染症、肺炎、肺膿瘍などの呼吸器感染症のほか、胆嚢炎・胆管炎、腹膜炎、褥瘡感染などがあります。
また、血管内カテーテルを留置している場所の汚染から体内に病原微生物が侵入する、カテーテル関連敗血症も近年増加しています。現在のように抗菌薬が発展する前までは致命的な病態でした。

はしかワクチンが不足の恐れ:厚生労働省

関東地方を中心とする麻疹(はしか)の流行で、麻疹ワクチンが足りなくなる恐れがあり、厚生労働省は18日、都道府県を通じて自治体や医療機関に、必要な人が接種を受けられるよう、ワクチンの適正量購入に努めることなどを求める通知を出した。

今回の流行は10−20代の患者が多く、集団発生で大学や高校の休講、休校も相次ぎ、ワクチン接種を受ける人が増えている。

厚労省によると、はしか単独の麻疹ワクチンは4月からの1カ月半に14万人分が出荷され、16日現在の業者の在庫は11万人分。例年、流行は6月ごろまで続くが、ワクチンの新たな供給は9月ごろとなる見通しで、このままのペースで出荷が続くと在庫が底をつく恐れも出てきた。

同省は、非流行地では抗体検査などを行い、本当に必要な人に接種したり、在庫の融通を行うなどの配慮を求めた。(Shikoku news)

はしか(麻疹)とは?
発熱・発疹・咳を主症状とする急性の感染症で、39〜40度の高熱が続く重い病気です。うつる力も強く注意が必要です。

疫学:麻疹ウイルスで潜伏期は約11日。飛沫感染します。予防接種を受けていない子が麻疹の子と接触した場合、3〜4日以内にガンマグロブリンの注射をうければ発病を防ぐ(または軽症化する)ことができます。

症状:はじめ熱・咳・鼻水・目やになど通常の風邪と同じ症状が出ます。この時期には麻疹と診断する事はできません。4日目位に一度熱が下がりますが、半日から1日後に高熱とともに発疹がでます。発疹はほぼ円形の紅い斑点で5mmくらい。顔からはじまり全身へと広がっていきます。かゆみはありません。約5日くらいで熱もさがり、発疹も消えてきます。

ピロリ菌が胃の粘膜を破壊する仕組み解明:北大研究所

胃炎や胃潰瘍、胃がんの原因とみられている細菌ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)が胃の粘膜を破壊する仕組みを、北海道大遺伝子病制御研究所の畠山昌則教授らのグループが突き止めた。
17日発行の英科学誌ネイチャーに発表される。

ピロリ菌は胃の粘膜をつくる上皮細胞にくっつくと、CagAというたんぱく質を細胞の中に打ち込んで粘膜を破壊することが知られている。畠山さんらは培養できるイヌの上皮細胞を使い、CagAが粘膜を破壊する仕組みを詳しく調べた。

それによると、CagAはまず、隣り合う上皮細胞同士を固く結びつけている「装置」を作る酵素(PAR1)と結び付くことがわかった。CagAが結合するとPAR1の働きが鈍り、装置が破壊されて、正常な粘膜組織が維持できなくなっていた。

畠山さんらは今回の研究に先立ち、CagAが細胞の増殖を促すたんぱく質(SHP2)を活性化させてがん化を促進するらしいことも明らかにしており、(1)CagAとPAR1が結合して胃粘膜を破壊(2)結合したCagAがSHP2を活性化させてがんを起こす、との2段階を考えている。

日本人はざっと2人に1人がピロリ菌に感染しており、胃がんのほとんどが感染者で起きていることもわかってきた。抗生物質による除菌が健康保険でできるが、うまくいかない人もいる。「今の抗生物質では除菌できない耐性ピロリ菌が20%を超える。CagAがPAR1と結合できなくする薬ができれば、胃がんなどを大幅に減らすことができるかもしれない」と畠山さんはいう。(asahi.com)

ヘリコバクター・ピロリ
ヒトなどの胃に生息するらせん型の細菌です。一般的には、ピロリ菌とも呼ばれることの方が多いようです。
胃の内部は胃液に含まれる塩酸によって強酸性であるため、従来は細菌が生息できない環境だと考えられていましたが、ヘリコバクター・ピロリはウレアーゼと呼ばれる酵素を産生しており、この酵素で胃粘液中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解します。
このとき生じたアンモニアで、局所的に胃酸を中和することによって胃へ定着(感染)しています。この菌の発見により動物の胃に適応して生息する細菌が存在することが明らかにされました。

ヘリコバクター・ピロリの感染は、慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のみならず、胃癌やMALTリンパ腫などの発生につながることが報告されています。
現在のところ、細菌の中でヒト悪性腫瘍の原因となりうることが明らかになっている唯一の病原体です。

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