リツキシマブ:非ホジキンリンパ腫患者の生存期間を有意に延長

抗がん剤リツキシマブ(商品名:リツキサン)の治療を受けた中悪性度の非ホジキンリンパ腫の患者は、他の抗がん剤を使った単独化学療法を受けた患者に比べ、生存期間が有意に延長したという第V相臨床試験の解析結果が、米シカゴで開かれていた米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された。

この臨床試験は、フランス、ベルギー、スイスの3カ国、86施設で実施され、計399人の患者が1998年7月から2000年3月の間に登録された。

60歳―80歳で未治療のびまん性大細胞B型細胞性リンパ腫の患者を、3週間毎に8サイクルのCHOP療法群(患者197人)と、8サイクルのCHOP療法に加えて各治療サイクルの初日にリツキシマブを投与する群(患者202人)に無作為に割り付けた。試験の主要評価項目は無イベント生存期間とした。

解析結果によると、リツキシマブの治療を受けた患者の53%が7年経過した現在も生存していることが判明。半面、単独化学療法のみを受けた患者の生存率は36%にとどまった。
また化学療法単独の患者に比較して、リツキシマブ併用療法ではより多くの患者が7年目の時点で寛解。その比率は29%対52%だった。

5年間を超える寛解は通常、治癒したとみなされる。この臨床試験はリツキシマブを治療に追加することにより、化学療法単独に比較して多くの中悪性度の非ホジキンリンパ腫患者が治癒されることが示された。(くまにち)

非ホジキンリンパ腫とは
非ホジキンリンパ腫とは、Bリンパ球またはTリンパ球で発生する癌のうち、ホジキン病を除くすべてのがんを指します。非ホジキンリンパ腫には、顕微鏡ではっきりと判別でき、細胞パターンも経過もそれぞれ異なる20種類以上の癌が含まれます。
非ホジキンリンパ腫の85%はBリンパ球のがんで、Tリンパ球の癌は15%未満です。

非ホジキンリンパ腫はホジキン病よりも多くみられ、米国では毎年約6万5000人が新たに非ホジキンリンパ腫と診断され、この数は特に高齢者と免疫機能不全の人を中心に増加しています。臓器移植を受けた人やヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している人は、非ホジキンリンパ腫のリスクが高くなります。

非ホジキンリンパ腫の症状は、しばしばリンパ節腫脹から始まります。
痛みがないため、気がついた時にはかなり大きくなり、また複数部位のリンパ節が同時に腫大してくることもあります。
リンパ節以外の全身ほぼすべての臓器から発生する可能性がありますが、日本人では胃から起こる症例が多いといわれています。
節外性リンパ腫の場合も症状が乏しく、検診などで偶然見つかることがあります。
全身症状としては、発熱、全身の倦怠感、原因不明の体重減少、寝汗などがあります。

抗血栓症薬「アリクストラ」が発売:グラクソ・スミスクライン

グラクソ・スミスクラインは、抗血栓症薬「アリクストラ皮下注1.5mg」、「アリクストラ皮下注2.5mg」(一般名:フォンダパリヌクスナトリウム)の販売を開始した。

アリクストラは、2007年4月に「静脈血栓塞栓症の発現リスクの高い、下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」を効能・効果として、厚生労働省が製造販売承認し、6月8日、薬価収載された。
本剤は2005年11月に申請し、2006年2月には優先審査品目に指定されていた。
また、静脈血栓塞栓症の予防薬については、国内10の医学会・研究会1)から、2004年に厚生労働省に対し、速やかな審査・承認に関する要望書が提出されていた。

アリクストラは、血液凝固過程において中心的な働きをする活性化第X因子(Xa因子)を選択的に阻害する初めての化学合成の薬剤で、1日1回の皮下投与で効果を発揮する。
同剤は2001年12月に米国において優先審査で承認され、現在EU主要国および米国を含む65カ国以上で承認されており、発売以来これまでに60万人以上の患者に使用されている。

静脈血栓塞栓症とは
静脈血栓塞栓症は、深部静脈血栓症(主に下肢の深部静脈に血栓ができる病態)と肺血栓塞栓症(深部静脈に形成された血栓が肺動脈に飛んで肺動脈が塞がれ、重篤な場合死に至る疾患)といった一連の病態の総称です。
近年、飛行機などによる長時間の移動中に発症したというニュースでも話題となっているエコノミークラス症候群は静脈血栓塞栓症の一病態です。

しかしながら、静脈血栓塞栓症は、実態としては病院において手術に伴って発症するケースが多くを占めます。
特に股関節置換術・膝関節置換術等の下肢の手術後は、深部静脈血栓症の発症率が34〜65%1)と高く、ひとたび急性肺血栓塞栓症を発症すると、死亡率は約30%とされ、死亡例の40%以上が発症1時間以内に死にいたる深刻な疾患2)です。発症してからでは救命が困難なため、その予防の重要性が指摘されています。

子供の白血病治療:さい帯血移植が骨髄移植よりも有効

白血病の子どもの治療について、さい帯血(胎児と母体をつなぐへその緒と胎盤の中に含まれる血液)は従来の「骨髄」よりも有効であるとするミネソタ大学の研究結果が、9日付け英医学誌「The Lancet」に発表された。

白血病の治療には、通常は、骨髄移植という方法がとられる。しかし、この場合は患者と骨髄ドナーの白血球の型が一致する必要があり、一致する確率は兄弟姉妹でも3人に1人以下だ。さらに、骨髄移植手術には、感染症などの危険がある。

そこで最近注目されているのが、造血幹細胞(血を作る細胞)を多く含むさい帯血の移植だ。ただし、これに含まれる2つの抗原が一致しない場合には移植時に拒絶反応が起きる可能性が指摘されていた。

ミネソタ大学の血液学者ジョン・ワグナー博士らは、さい帯血移植と骨髄移植の比較研究を行い、さい帯血の「抗原の不一致」は移植患者に対し一般に考えられているほどの害はもたらさないことが判明した。

研究では、急性白血病の16歳以下の子どもについて、さい帯血移植を受けた503人と骨髄移植を受けた282人の生存率を比較した。
その結果、抗原が1つ以上一致しないさい帯血の移植を受けた子どもの生存率は、骨髄移植を受けた子どもと同等であることが判明した。
また、抗原が完全に一致するさい帯血の移植を受けた子どもの生存率は、骨髄移植の場合よりも高かった。

ただし、抗原が2つとも一致しないさい帯血を移植された子どもの死亡率は、移植量にかかわらず、骨髄移植の場合の2倍にのぼった。また、抗原が1つだけ一致しない場合は、移植量が多いほど死亡率は低下した。

ワグナー博士らは、「被験者の子どもの数が少なく、今後も研究を続ける必要がある」としつつも、抗原が一致しない場合でもさい帯血の子どもへの移植は有効だとして、さい帯血バンクや抗原検査の拡充を訴えている。(AFPBB)

さい帯血とは?
さい帯血とは、出産の時赤ちゃんのへその緒とお母さんの胎盤にある血液です。血液を作り出す造血幹細胞が多量に含まれており、白血病などの患者さんに移植して病気を治すことができます。

さい帯血の採取は、母子ともににまったく負担がかからず、安全に行われます。
出産が終わったあと、後産といわれる胎盤とさい帯血に残っている血液を採取します。ですから、まったく痛みや苦痛はありません。もちろん、分娩後の経過にも影響はありません。
通常の出産では、赤ちゃんは産まれてからすぐにさい帯から切り離されます。このときさい帯と胎盤は母親の体内に残っていますが、10分程度で体外に娩出されます。
さい帯血の採取には、胎盤が子宮内にあるときの娩出前に採取と胎盤が取り出されたあとの娩出後に採取の二つの方法があります。

先端巨大症の治療薬「ソマバート」が発売

米系製薬のファイザーは、下あごや手足などが大きくなり、関節痛や頭痛を引き起こす先端巨大症の治療薬「ソマバート」を発売した。成長ホルモンの過剰分泌を抑える従来の治療薬と異なり、過剰に分泌されたホルモンの作用を抑える治療薬。ピーク時に年間5億円強の売り上げを見込む。

ソマバート

この病気は成長ホルモンを過剰に分泌して、発汗や視野障害などの症状が出る。
脳下垂体と呼ぶ脳の一部にできる腫瘍が原因のため、手術での切除を優先する。
ソマバートは手術や他の薬剤で効果が不十分だった患者を対象に投与する。欧米27カ国ですでに承認を取得している。(NIKKEI)

先端巨大症とは?
先端巨大症は希少疾患で、日本での有病患者数は約6,500人、治療を継続されている患者数は1,100人と推定されています。発症は30〜40歳代に多く、男女差はありません。進行が極めて遅いため、発症から診断・治療開始までに10年以上かかることがあります。

先端巨大症は、成長ホルモンの過剰分泌により、IGF-Iをはじめとするホルモン分泌や糖、脂質、タンパク質代謝に異常をきたす疾患で、主な症状としては顔貌の変化や発汗、関節痛、頭痛、視野障害などがあげられます。
糖尿病、高血圧、心血管疾患、睡眠中無呼吸などを合併することも多く、これらの疾患での死亡率は一般集団に比べ2〜3倍高くなっています。

受精卵からクローンES細胞の作成に成功:ハーバード大学

クローン技術の応用で、様々な臓器・組織に成長する能力を秘めた胚性幹細胞(ES細胞)を、受精卵を使って作ることに、米ハーバード大学チームが動物実験で成功し、7日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

クローンES細胞の作製には、体細胞核を移植する卵子が不可欠だが、入手が難しかった。今回の手法が人でも可能になれば、不妊治療用に作って残った受精卵を卵子の代わりに活用でき、ES細胞研究に弾みがつくと期待される。

研究グループは、マウスの受精卵の染色体を、細胞分裂の初期の段階で除去して、別のマウスの皮膚細胞の染色体を入れたところ、そのまま分裂を続け、ES細胞になった。クローンES細胞は、患者と同じ遺伝子を持ち、拒絶反応が起きない臓器・組織を作り出せると期待されている。

一方、京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授らのチームは、ES細胞と同様に、様々な臓器や組織の細胞に育つ能力のある「人工多能性幹細胞」(iPS細胞)で、昨年の報告よりもさらに能力を高めた第2世代の開発にマウスの実験で成功し、6日付のネイチャー誌電子版で発表した。

iPS細胞は遺伝子操作により体細胞から作製できるため、人に応用できれば受精卵を材料にするES細胞で指摘される倫理面の問題を回避できる。

昨年作製した第1世代の細胞は、ES細胞よりも変化の能力が劣るなど、有用性に課題があった。山中教授らは、iPS細胞を作製する際、第1世代よりも有用な細胞を選別する方法を確立。
この方法で作った第2世代iPS細胞を調べたところ、遺伝子の構成や性質が、第1世代よりもES細胞に近く、変化の能力も高いことを確認した。(YOMIURI ONLINE)

ES細胞について
生体の組織や臓器の元となる細胞のこと。幹細胞、または胚性幹細胞ともいいます。
受精卵が細胞分裂を繰り返し、ある程度の細胞塊になった頃に取り出して培養することで、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力を持ったES細胞を得ることができます。
別の胚に混ぜて培養させると生体の組織や器官を人為的に作り出すことができるため、神経細胞や血液細胞の再生医療の技術として、難病治療への応用が期待されています。

iPS細胞について
iPS細胞はES細胞に類似した形態、増殖能、および遺伝子発現を示します。
またマウス皮下に移植すると様々な分化細胞や組織から形成される奇形腫が形成されること、および、マウス初期胚に移植するとその後の胎児発生に寄与することから、iPS細胞は万能性を有していることがわかっています。

脊髄損傷や心不全などの患者体細胞から、iPS 細胞を誘導し、さらに神経細胞や心筋細胞を分化させることにより、倫理的問題や拒絶反応のない細胞移植療法の実現が期待されています。

ネクサバールに肝臓がん抑制効果:生存期間の延長を確認

既存の腎臓がん治療薬「ネクサバール(一般名:ソラフェニブ)」には肝臓がんを抑制する効果もあり、同がん患者の生存率を高められるという国際的な調査結果が、シカゴで今週開かれた米腫瘍学会(ASCO)で発表された。世界では年に50万人以上が、治療が難しい肝臓がんの診断を受けている。

調査を行ったのは、マウントサイナイ医学校(ニューヨーク)およびスペインの病院に所属するジョセフ・リョベット医師ら。複数国で進行した肝臓がん患者602人にソラフェニブと偽薬を与えたところ、毎日ソラフェニブを摂取した患者が10.7カ月生存したのに対し、偽薬の患者の生存期間は8カ月だった。まだ生存している患者もいる。

ネクサバールには、がん細胞を攻撃するとともに、腫瘍への血流を止める作用がある。肝がん患者の調査では腫瘍が縮小、消滅することはなかったが、多くの患者でがんの成長が抑えられた。肝臓内外に転移した腫瘍に対しても同様に作用すると考えられるという。

2005年3月に始まった調査は、好ましい結果を受けて予定より早く今年2月に打ち切られ、偽薬を与えられていた患者はソラフェニブに切り替えられた。リョベット医師によると、生存期間にこれほどの差が表れるのは、肝臓がんでは「初めて」で、抑制効果の発見は「同がん治療における快挙」だという。

ネクサバールは、米国を含む十数カ国で進行腎臓がんの治療薬として販売されている。今回の調査は販売元の独バイエル米オニキスの資金援助で行われ、両社はこの薬を肝臓がん治療薬としても各国の医薬品当局に申請する予定だ。(usfl.com)

ネクサバールとは?
ネクサバールは腫瘍細胞と腫瘍血管の両方を標的とする経口マルチキナーゼ阻害剤です。
前臨床試験の段階で、腫瘍組織が成長するために重要な、がん細胞の増殖と血管新生の両方に関係する二つのクラスのキナーゼ(RAFキナーゼ、VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3、PDGFR-β、KIT、FLT-3、RETなど)をネクサバールが阻害していることがわかっています。

現時点で、ネクサバールは、米国、欧州諸国を初めとする 50ヶ国近くで、腎細胞癌の治療目的に承認されており、様々ながん治療(腎細胞癌のアジュバント治療、進行性肝細胞癌、進行性悪性黒色腫、非小細胞肺癌、乳癌などの治療)を目的とした、ネクサバールの単体使用または併用療法が引き続き研究されています。

がん終末期医療で指針案:患者の意思で延命中止を明記

死期が迫ったがん患者の延命治療中止手続きについて、厚生労働省研究班(班長・林謙治国立保健医療科学院次長)がまとめた指針試案が5日、判明した。
対象となる終末期を「余命3週間以内」と定義し、患者本人の意思を前提に中止できる医療行為の範囲を「人工呼吸器、輸血、投薬」などと明記する一方、意思確認できない場合は除外するなど慎重な判断を求めている。

終末期医療をめぐっては、厚労省が「患者の意思が最重要」とする国として初の指針を作成し、5月に都道府県などに通知したが、延命中止の具体的な内容や終末期の定義には踏み込まなかった。
がんなど病気の特性を踏まえた個別の指針は、厚労省が設置した研究班が担当。試案をまとめたのは初めてで、今後、医療現場の声を反映させながら内容を詰める。

ただ、全国約1500の病院が回答した同研究班の調査では、がん患者への病名告知率は平均で65・7%、余命告知率は29・9%にとどまり、患者の意思確認が容易でない実情にどう向き合うかが課題となりそうだ。

メモ
現場の医師としては家族の医師も考慮に入れないと後のトラブルの元となります。
実際に、年初に行なわれた医師へのアンケート調査では、患者本人と家族の医師が違った場合、『家族の医師のほうを優先する』と回答した割合のほうが断然多いという結果になりました。また、患者本人の意思だけで十分と答えた医師は0.8%しかいませんでした。

バレニクリンを保険適用で処方:英国国立臨床研究所が勧告

英国国立臨床研究所(NICE)は、禁煙を希望する成人喫煙者に対し、米ファイザー社の経口禁煙治療薬「バレニクリン」(商品名チャンピックス)を国民医療保険に適用して使えるようにすることを勧告した。

NICEは「バレニクリンは、持続的な禁煙達成の効果でニコチン置換法や別の経口禁煙治療薬ブプロピオンよりも優れており、禁煙治療で使うことは費用対効果が高く国民医療保険適用の効果的利用になると見込まれる」とした。

チャンピックスは、禁煙治療を補助するおよぞ10年ぶりの処方薬。ニコチンが結合する特定の受容体を標的とする作用を持っており、タバコに対する渇望感を緩和する。

喫煙による死亡者数は毎年500万人。世界保健機構(WHO)は、タバコが関連する疾病にかかる費用は2010年までに世界中で年間約5、000億jに達すると推定している。

チャンピックスは、EU(欧州連合)が06年9月に禁煙補助剤として販売を承認。米国では06年5月、「チャンティクス」の商品名で販売を認められた。日本では06年6月に承認申請した。
臨床試験では、吐き気や頭痛、睡眠障害、夢の変化といった副作用が報告されている。(くまにち)

バレニクリンとは?
バレニクリンは米ファイザーが創製した選択的ニコチン性アセチルコリン受容体の部分作用薬です。ニコチンを含有しないことが特徴で、ニコチン受容体に結合し、喫煙したい欲求とニコチンからの離脱症状を緩和します。たとえ喫煙しても、満足感を抑える作用も期待されています。

海外の臨床試験結果では、バレニクリンを12週間服用した患者の約44%が禁煙したのに対し、プラセボ群では18%という成績が得られています。他の試験では、バレニクリンを12週間服用した患者を、バレニクリン群、プラセボ群に無作為に割り付け12週間投与したところ、バレニクリン群では約70・5%の患者が禁煙を継続していたのに対し、プラセボ群では50・0%にとどまっています。

また忍容性についても、海外で行われた臨床試験では良好との結果で、全体的な中止率はプラセボと同等であった。主な副作用としては、吐き気、頭痛、睡眠障害、便秘、腹部膨満感などが確認されています。

友人、姉妹からの卵子提供を承認:日本生殖補助医療標準化機関

全国21の不妊治療施設で作る「日本生殖補助医療標準化機関(JISART)」は4日、会員の2施設が申請していた、友人などの第三者から卵子提供を受ける不妊治療の実施を承認したと発表した。

近く、日本産科婦人科学会や厚生労働省などに実施を受け入れるよう働きかける。
ただ、同学会は会告(指針)でこの方法による治療を禁じており、学会が容認しない場合には、改めて実施の是非を議論するとした。

高橋克彦・同機関理事長によると、匿名を条件に第三者からの卵子提供を認める方針を示した2003年の厚労省報告に照らして、倫理委員会(委員長・金城清子龍谷大教授)が実施の可否を審査。40歳までに排卵が止まる病気の2女性に対し、提供者が匿名でなくても自発的意思が確認できれば、卵子を提供するのは妥当と判断したという。

今回、卵子を提供するのは友人と姉妹で、匿名性は維持できない。金城教授は「匿名での提供は日本では極めて難しく、国の報告書も、卵子の提供による治療を実質的に禁じる結果になっている」と強調した。 (YOMIURI ONLINE)

体外受精とは?
卵巣から取り出した卵子と、精子を体外で受精させる生殖医療の手法。卵管の機能上の問題や精子の運動性の問題がある時などに用いられます。
微細な管で卵子に精子を注入する顕微授精は体外受精の一種です。国内で体外受精によって生まれた子供は10万人を超え、生殖医療の現場では一般的な技術になっています。

乳がんの原因遺伝子、新たに4つを特定:英国のがん研究機関

英国のがん研究機関「Cancer Research UK」の研究チームは、乳がんの原因とみられる4つの遺伝子を新たに特定したと発表した。論文は英科学誌「ネイチャー(Nature)」に掲載された。

研究チームが特定した遺伝子は「FGFR2」「TNRC9」「MAP3K1」「LSP1」の4つ。
遺伝性乳がんを引き起こすと考えられる遺伝子のうち、これまで25%が特定されていたが、今回の発見でさらに4%の遺伝子が特定されたと考えられている。

研究チームは、健康な人と乳がん患者が半数ずつの計約5万人の女性から採取したDNAを分析。乳がん患者グループから採取したDNAの特徴を調べたことで、4つの遺伝子が浮かび上がった。

乳がんの5〜10%は遺伝的な原因で発生し、残りは喫煙などの生活習慣や、環境要因によると考えられている。

今回特定された4つの遺伝子に異常をもつ人は健康な人にも多いが、これら4遺伝子の異常によりがんを発症する危険は比較的低いという。このためCancer Research UKは、がん検診の対象にする必要性は薄いとの見解を示している。

もっとも、こうした遺伝子がさらに発見されれば、異常がある遺伝子の組み合わせを検査することで、乳がんの予防、診断、治療に役立つ可能性もあるという。(AFPBB)

乳がんの症状
1)乳房のしこり
乳がんは5mmぐらいから1cmぐらいの大きさになると、自分で注意深く触るとわかるしこりになります。しかし、しこりがあるからといってすべてが乳がんであるというわけではありません。

2)乳房のえくぼなど皮膚の変化
乳がんが乳房の皮膚の近くに達すると、えくぼのようなくぼみができたり、皮膚が赤くはれたりします。乳房のしこりが明らかではなく、乳房表面の皮膚がオレンジの皮のように赤くなり、痛みや熱感を伴う場合、「炎症性乳がん」と呼びます。
炎症性乳がんがこのような外観を呈するのは、乳がん細胞が皮膚のリンパ管の中に詰まっているためであり、それだけ炎症性乳がんは全身的な転移をきたしやすい病態です。

3)乳房の近傍のリンパ節のはれ
乳がんは乳房の近傍にあるリンパ節、すなわちわきの下のリンパ節(腋窩リンパ節)、胸骨のそばのリンパ節(内胸リンパ節)や鎖骨の上下のリンパ節(鎖骨上リンパ節、鎖骨下リンパ節)に転移をきたしやすく、これらのリンパ節を「領域リンパ節」と呼びます。
領域リンパ節が大きくなってくるとリンパ液の流れがせき止められて腕がむくんできたり、腕に向かう神経を圧迫して腕のしびれをきたしたりすることがあります。

4)遠隔転移の症状
転移した臓器によって症状は違いますし、症状が全くないこともあります。領域リンパ節以外のリンパ節がはれている場合は、遠隔リンパ節転移といい、他臓器への転移と同様に扱われます。
腰、背中、肩の痛みなどが持続する場合は骨転移が疑われ、荷重がかかる部位にできた場合には骨折をおこす危険もあります(病的骨折)。
肺転移の場合は咳が出たり、息が苦しくなることがあります。肝臓の転移は症状が出にくいですが、肝臓が大きくなると腹部が張ったり、食欲がなくなることもあり、痛みや黄疸が出ることもあります。

エキサイトがポータル内に健康情報サイトを開設

エキサイト(渋谷区)は、自社ポータル「エキサイト」内に健康情報サイト「エキサイト健康」を開設した。週1回更新する独自の特集記事や健康関連の「小ネタ」、ユーザーを通じた口コミ情報などで他社ポータルとの差別化を図り、アクセス増や広告収入を見込む。

オープン当初の特集テーマは「キシリトール」。サイトでは虫歯予防に効果があるとされるキシリトールについて4ページにわたり特集記事を掲載。
「健康コネタ」コーナーでは、血液年齢や緑豆の小ネタを紹介。同社の自社メディアで街の小ネタを取り上げる「Excite Bitコネタ」で過去に掲載された記事も転載する。

今後は健康に関する特定のテーマに対し、ユーザー自身がブログの記事を作成・投稿し、選ばれた記事をまとめて掲載するユーザー参加型機能も実装。
ネットでできる健康診断テストや健康ウィキコミュニティーなどの機能も順次公開していくという。(シブヤ経済新聞)

キシリトールとは?
キシリトールは天然素材の甘味料で、シラカバやカシを原料におもにフィンランドで生産されています。私たちの身近なところでは、イチゴやラズベリー等の果物やレタスやホウレンソウ、カリフラワー等の野菜などに含まれています。

ミュータンス菌による発酵を受けないため、虫歯の原因となる酸を生成しないのが大きな特徴です。
「う蝕原因菌の栄養素にならない成分」として特定保健用食品にも利用されています。
甘味料の用途としての利用のほか、溶けるときに熱を奪う性質があるため、食品の清涼感を出すためにも用いられています。一度に大量に摂取すると下痢を引き起こすことがあるので注意が必要です。

高次脳機能障害の実態調査へ:厚生労働省

交通事故や脳卒中などの後遺障害で、記憶が損なわれたり注意力が低下したりする「高次脳機能障害」について、厚生労働省の研究班が実態調査に乗り出す。
脳の機能が損傷して生じるこの障害は、外見ではわからないことが多く、「見えない障害」ともいわれる。毎年の新規患者数の推計や回復状況の追跡調査を、支援態勢づくりにつなげる考えだ。

高次脳機能障害は、ものごとの計画を立てられない▽目的地に行けない▽感情がコントロールできない――などの障害として現れることもある。研究班で主任研究者をつとめる中島八十一・国立身体障害者リハビリテーションセンター学院長らが01年度に実施した調査では、全国に約30万人いると推計された。

しかし、当時はこの障害の診断基準が定まっておらず、交通事故や脳卒中にかかわる救命医療が進んだ分、後遺症のある人は増えているとの予測もあり、詳しい調査の必要性が指摘されていた。また、厚労省は昨年10月から、都道府県に高次脳機能障害の人の支援・相談窓口を最低1カ所は設けるよう求めているが、自治体からは「対象者数も把握できない状況では予算要求もできない」といった声が上がっていた。

実態調査は、診断基準をつくった国のモデル事業(01〜05年度)に参加した福岡県で実施する。リハビリ科や神経内科などがある県内の全病院約50カ所に協力を依頼。今年4月から来年3月に脳を損傷した人で3〜4カ月後に高次脳機能障害と診断された人を対象とし、年齢や障害の状態などを登録し、規模などを把握する。

患者や家族でつくるNPO法人日本脳外傷友の会会長の東川悦子さん(67)は「調査で実態把握が進み、支援が進むようになってほしい」と期待しながらも、「追跡調査の期間が1年間では短すぎる」と話す。

外見上は健康な人と変わらない高次脳機能障害の人の場合、事故や病気の発症から数年たつと周囲から障害への理解が得られなくなり、退職を余儀なくされるようなケースが多いという。東川さんは「最低でも5年間は調査しないと、支援からこぼれ落ちている実態は把握できない」と指摘している。(asahi.com)

高次脳機能障害とは?
高次脳機能障害とは、交通事故や脳血管疾患(脳卒中など)により、脳損傷を経験した人が、記憶・注意・思考・言語などの知的な機能に障害を抱え、生活に支障を来たすことをいいます。

高次脳機能障害は、精神・心理面での障害が中心となるため、以下の三つの特徴があります。

  1. 外見上は障害が目立たない。
  2. 本人自身も障害を十分に認識できていないことがある。
  3. 障害は、診察場面や入院生活よりも、在宅での日常生活、特に社会活動場面(職場、学校、買い物、役所や銀行の手続き、交通機関の利用等)で出現しやすいため、医療スタッフに見落とされやすい。

こうした高次脳機能障害者は、外見からは分かりにくく、障害を知らない人から誤解を受けやすいため、人間関係のトラブルを繰り返すことも多く、社会復帰が困難な状況に置かれています。
また、身体の障害は完治または軽症であり、精神障害とも認められない場合が多いので、医療・福祉のサービスを受けられず、その多くが社会の中で孤立してしまっている状況にあります。

クラゲに抗菌・保湿成分「ムチン」を発見:医薬品へ応用を期待

巨大なエチゼンクラゲをはじめ、クラゲ全般に「ムチン」という糖たんぱく質が豊富に含まれていることを、理化学研究所の丑田公規研究ユニットリーダーのチームが確かめた。
さまざまな動物の粘液などに含まれるムチンは抗菌作用や保湿効果があり、医薬品や食品添加物などへの利用に期待できる。すでに複数の企業と事業化を検討している。
米化学会と米薬学会が共同出版する科学誌電子版に近く発表される。

エチゼンクラゲは傘の直径が約2メートルもあり、重さ100キロ以上はあるという。
日本海沿岸では毎年、数万トンから数十万トンの規模で発生しているとみられ、底引き網の損傷などの被害が出ている。ほかのクラゲも、大量発生して原発や火力発電所の取水口を詰まらせたりする。

チームは、こんな厄介者の有効活用を目指し、エチゼンクラゲを含む8種類のクラゲに有用物質が含まれていないか探索した。その結果、調べたクラゲすべてのほぼ全身からムチンを見つけた。

ムチンはオクラやサトイモなどのヌルヌル成分として知られる。細菌やウイルスを認識して、攻撃から守る作用や保湿、洗浄作用がある。医薬品や化粧品、食品添加物など数多くの目的に使えると期待され、一部は商品化されている。

ムチンはブタやウシなどの口や鼻、胃腸などの粘液にも含まれ、現在はそれらから製造されているが、未知の感染症などの心配がある。
クラゲ由来のムチンは、そのような問題は今のところ見つかっておらず、重さ100キロのクラゲなら数十グラムも取れる。採取コストを10分の1ほどに下げられれば、産業化が可能だという。(asahi.com)

ムチンとは?
ムチンは納豆、オクラ、モロヘイヤ、つるむらさき、里芋、山芋、なめこなどに含まれるヌルヌル成分で、多糖類のガラクタンやマンナンなどが、タンパク質と結合したものです。

ムチンのはたらき
ムチンには、胃の粘膜をうるおし、保護する働きがあります。
肝臓や腎臓の機能を高める作用もあり、細胞を活性化し、老化の防止に役立ちます。
消化を促す作用もあり、便秘を改善します。また、タンパク質を無駄なく活用させる働きは、スタミナの増強に効果があります。

イレッサによる副作用で706人が死亡:厚生労働省

肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)の投与による副作用と疑われる症例が、2002年7月の販売開始から今年3月末までに1797件報告され、死亡が706人に上ったことが、厚生労働省のまとめで1日、分かった。

2006年度の1年間で、イレッサの副作用とみられる症例は166件、死亡は63人増えた。05年度と比べると症例、死亡のいずれも8件の増加。
輸入販売元のアストラゼネカ(大阪市)からの急性肺障害や間質性肺炎の副作用報告を基に集計した。

厚労省は答弁書で「イレッサを使用したことで重大な副作用が発現することがあると認識している。今後も業者からの報告などにより知見を集積、内容を踏まえて安全対策を講じたい」としている。(Shikoku news)

イレッサについて
イレッサは、肺がん細胞の表面にあるEGFR(上皮成長因子受容体)と呼ばれるたんぱく質に作用し、がんの増殖を抑える。この受容体に遺伝子変異があると、薬が効きやすいとの研究がある。
日本人、特に女性や、非小細胞肺がんの一種、腺がんの患者は、遺伝子変異の割合が高いとされる。

関連ニュース:SMAP法:イレッサの有効性を患者の遺伝子で判別

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