消化器外科医の過酷な勤務状況:日本消化器外科学会が調査

胃がん肝臓がんの手術などを行う消化器外科医のほとんどが、当直勤務をした翌日も、手術や外来など通常の診療を日常的にこなしている実態が、日本消化器外科学会(理事長・北野正剛大分大教授、会員数約2万1000人)の調査で明らかになった。

過酷な勤務の影響で、医療ミスを起こす不安を抱く医師は半数を超え、同学会は「消化器外科医の不足は深刻で、労働環境の改善が急務」と訴えている。

同学会は5月、全国の消化器外科医1100人を対象に、労働環境に関するアンケート調査を初めて実施、471人が回答した。「当直勤務がある」と答えた医師は、管理職などを除く62%で、その94%が当直の翌日も「通常勤務」をしていた。
翌日の半日勤務は4%、非番は1%だった。当直回数は1か月3〜4回が全体の22%で最も多かったが、「月7回以上」も10%にのぼった。

1週間の勤務時間が「60時間以上」と答えた医師は69%にのぼり、「80時間以上」も29%いた。過酷な勤務の影響について尋ねたところ、自分の健康の不安が69%、医療ミスの不安が54%にのぼった。消化器外科医は当直の夜間や休日に、急病患者に緊急手術を行うことも多い。(YOMIURI ONLINE)

胃がんについて
胃粘膜から発生するがんの総称です。症状初期には特別な症状は現れません。上腹部痛や吐き気、胸焼けなどがみられることもありますが、食べすぎや胃炎などの症状と変わらないので、がんとは気付かず、検診などで発見されます。

がんが進行すると、腹痛や胃の不快感、嘔吐が強くなり、吐血や下血が現れ、やがて全身倦怠感や体重減少なども顕著になります。

肝臓がんについて
肝臓にできるがんの9割を占めているのが、肝細胞に発生する肝細胞がんです。一般に肝臓がんといえば肝細胞がんのことをいいます。
発症初期は、全身倦怠感、腹部膨満感、上腹部痛、食欲不振などがみられます。
進行すると、腹水や黄疸、体重減少をきたします。さらに、肝臓がんが破裂したり消化管出血が起こると、突然の腹痛と貧血状態におちいります。

急性心不全の治療薬に脊髄まひの抑制作用:名古屋市立大

急性心不全の治療で広く使われている薬に、胸腹部大動脈瘤の除去手術で起こる重い合併症である脊髄まひを抑える作用のあることが、名古屋市立大医学研究科の岡嶋研二教授、原田直明講師らの研究で分かった。米国薬理学会の雑誌に掲載された。

胸部と腹部にわたる大動脈にこぶができる胸腹部大動脈瘤の手術では、術中に大動脈の血流を遮断した時に、脊髄への血流まで止まることがあり、術後に脊髄障害による下半身まひなどが起こることがある。発症頻度は、手術症例の5−10%と比較的高いとされ、予防法や治療法はないという。

岡嶋教授は、唐辛子に含まれるカプサイシンのさまざまな効能について研究している中で、急性心不全治療で頻繁に使われる薬「ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド」に、カプサイシンと似た、知覚神経を刺激する作用があることに着目した。

名市大の三島晃教授(心臓血管外科学)らとの共同研究で、脊髄の血流を止めたラットを使って実験した。実験によると、何もしていないラット(10匹)の3週間後の生存率は3割だったが、薬を投与したラット(同)の生存率は8割にアップし、運動まひも改善した。

薬が知覚神経を刺激することで、血管での炎症を抑え、血流をよくする物質がつくられたためという。投与は障害が起こる前に必要なため、術前から術中にかけて持続投与する必要があるが、今後、新しい治療薬として臨床応用を目指すとしている。(中日新聞)

カプサイシンについて
カプサイシンは唐辛子の辛味成分です。辛味の程度は品種により差があり、鷹の爪は辛味が強く、また小さい果実の品種ほど絡み成分が多く含まれています。辛味は種子部と胎座部に多く、果実部にはごく少量しか含まれていません。
ダイエット効果があるとしてブームになったほか、最近の研究では、大豆に含まれる「イソフラボン」を同時に摂取すると育毛に大きな効果があることがわかっています。

体内に入ったカプサイシンは、中枢神経を刺激してアドレナリンなどのホルモンの分泌を促すため、脂肪分解酵素リパーゼが活性化され、エネルギー代謝が盛んになって体内の貯蔵脂肪の分解が進みます。
唐辛子を食べた後に、体が熱くなったり、汗をかいたりするのはこのためで、運動したときと同じように熱エネルギーと奈って体外に放散されます。

さらに、毛細血管を収縮して心臓のはたらきを活発にしますが、血圧の上昇作用があまりないことも報告されています。これらの作用から、カプサイシンには肥満予防、強精・老化防止に効果があるといわれています。
また、体を温めることで冷え、むくみ、肩こりを解消し、胃炎、口内炎の改善も期待できます。

特定健康診査の結果やレセプト情報を医療費削減へ活用

患者の病名や治療内容が記載された診療報酬明細書(レセプト)や健診結果をもとに、厚生労働省は08年度から、患者一人ひとりの個人情報を集計・分析し、医療費の抑制や診療報酬の改定などに活用する方向で検討に入った。
電子化されたレセプト情報を分析し、地域ごとの医療費の傾向や体質によってかかりやすい病気などを把握し、効率的な医療を行う指標とする。
ただ、健康情報を含めた詳細な個人情報が本人同意がないまま利用、保存されることに反発も予想される。 25日から始まる専門家会議で議論し、今年末までに具体的な方針をまとめる。

レセプトは、医療機関が医療費を健康保険組合などに請求する時に提出する書類。患者が保険で受けたすべての検査や治療が記されている。

レセプト情報の活用は、電子データで管理されたレセプトをもとに地域別、年齢別、疾病別の医療費データをまとめ、どの病気をどれだけ減らせば医療費が削減できるのかなどを分析。
国と各都道府県が08年度から始める医療費適正化計画に反映させる。2年に1度ある診療報酬改定のための実態調査も、個別の治療行為ごとのコストをより的確に把握できるという。

また、レセプト情報だけでなく08年度から40〜74歳の全国民を対象に実施される「特定健康診査」の結果の集計・分析も想定。腹囲、血中脂質、血圧血糖値などのデータを元にメタボリック症候群とその予備軍を抽出し、喫煙や飲酒、運動の頻度などの生活習慣についても調べる。

こうした個人の健診結果と、その人が受けた治療行為を示すレセプトを突き合わせ、長期的な追跡調査を行うことで、体質や生活習慣の違いが、糖尿病や脳血管疾患などの生活習慣病にどれだけ影響し、医療費の伸びにつながっているのかなど、詳細な疫学的研究を行うことも検討する。

また、民間の研究機関などにもレセプトや健診の情報を提供し、調査や分析に役立ててもらうことについても議論する。(asahi.com)

特定健康診査
特定健康診査は、国のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策の柱として、企業の健康保険組合や国民健康保険を運営する市区町村などに採用が義務づけられている検査のことで、2008年4月よりスタートします。

健診、指導費はかかるものの、医療費の3分の1を占める糖尿病など生活習慣病を予防して、結果的に、将来の医療費を抑制する取り組みです。内容は腹囲測定と血液検査のほか、現在はメニューにない健診も含まれています。対象となるのは40〜74歳の被保険者と被扶養者(計約5600万人)となっています。

特定健康診査でメタボやその予備軍と判定されると、面接や食事、運動のアドバイスといった特定保健指導を程度に応じて最長6カ月間受けることになります。

脳脊髄液減少症の患者:専門医の受診まで平均2年半

交通事故などの衝撃で脳を保護する脳脊髄液が漏れ、激しい頭痛や目まいを引き起こす「脳脊髄液減少症」について、患者が専門医に受診するまで平均2年半かかっていることが、同症の患者らで作るNPO「サン・クラブ」のアンケートで分かった。
病気の認知度が低いことが原因とみられ、栂(とが)紀久代理事長は「病気の情報がなく、治療に健康保険が適用されないなど、患者が『医療難民』になっている実態を知ってほしい」と話している。

同クラブが会員200人を対象に郵送でアンケートを実施。6月末までに118人から回答があった。調査結果によると、専門医への受診までにかかった期間については、1年以上だった人が38人と最多で平均2年半。専門医に関する情報についても、「自分で探した」との回答が最も多い27人で、2番目の「患者団体(サン・クラブ)から」の25人と合わせて全体の44%を占めた一方、「医師の紹介」は20人(17%)にとどまった。
医師の間でもまだ広く認知されていないため、患者が専門医にたどり着くのに時間がかかる現状が浮き彫りになった。

また原因は交通事故が73人と62%を占めたが、転倒も13人(11%)、出産やスポーツもそれぞれ5人(各4%)と、軽微な衝撃でも発症したケースがあった。

脳脊髄液減少症は最近になって仕組みが分かってきた疾病で、日本脳神経外科学会も昨年10月、総会で初めて討議対象に取り上げた。医療機関でも認知され始めているものの、見逃されるケースも多いという。

調査結果について栂理事長は「本来は早期治療が必要な病気なのに、病名が分からないため治療が遅れ、効果的な治療法も、保険が認められず苦しんでいる患者が多いことを知ってほしい」と話している。(SANKEI WEB)

脳脊髄液減少症について
交通事故やスポーツなどによる衝撃で脳をおおう硬膜に穴があくと、脳と脊髄の周囲を循環している脳脊髄液が漏れて脳の位置が下がり、頭痛やめまい、倦怠感、吐き気、思考力・集中力の低下、睡眠障害などの症状が現れます。
立位や座位で症状が悪化し、横になると軽快することがあると言われていますが、全ての人に当てはまるわけではなく、症状が長期化すると体位による変動は少なくなるようです。

患者本人の血液を注射し、血液凝固で髄液が漏れた場所をふさぐ「ブラッドパッチ療法」が有効とされています。現在のところ厚生労働省は保険適用を認めていませんが、交通事故などの被害者らによって、むち打ちや転倒時の衝撃でも髄液が漏出することがあると主張され始めています。

慢性骨髄性白血病の治療薬「グリベック」の効き方を遺伝子診断

財団法人・癌研究会の癌化学療法センター東京大学医科学研究所などの研究チームは、慢性骨髄性白血病の治療薬「グリベック」(一般名イマチニブ)の効き方を遺伝子で事前に診断する基盤技術を開発した。
切除したがん組織から抽出した10―20種の遺伝子で見極める。他の抗がん剤への応用も目指す。

グリベックの効果のある患者とそうでない患者を30人以上選び、病巣からがん細胞だけを切り出して2万種以上の遺伝子を抽出した。少量の検体から確実に見分けられるように各遺伝子を増幅しながら薬の感受性との関係を解析した。(NIKKEI NET)

慢性骨髄性白血病について
急性骨髄性白血病では、未熟な白血病細胞が増殖しますが、慢性骨髄性白血病では、いろいろな成長段階の細胞が増加するため、症状の現れ方も緩やかです。

初期には無症状のことが多く、血液検査で白血球数が増加していることで発見されるケースもあります。白血球のうち未成熟な芽球の割合が増加するにつれて、全身倦怠感、疲れやすさ、体重減少などの症状が現れてきます。

また、脾腫(脾臓の腫れ)にともなう腹部膨満感がみられることもあります。
さらに芽球が増えると、歩屋根リンパ節に腫瘤を形成したり、脳脊髄や髄膜にも白血病細胞が浸潤します。

最近発売された、異常細胞にのみ作用するグリベックという内服薬で高い効果が得られます。
そのほか、従来の化学療法やインターフェロン療法を用いる場合もあります。全身状態が良好な50歳以下の患者では、適合ドナーを見つけ、骨髄移植を行なうことが最善策となります。

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冠動脈CTで女性と若者にがんリスク:米心臓専門医

米国の医師らが17日、心疾患の診断に用いられる心臓のレントゲンについて、ある特別な種類のものには女性や若者に対してがんを引き起こす可能性があり、注意して使用するべきと発表した。
米国医師会の学会誌で発表された研究によると、問題となっているのはCT(コンピュータ断層撮影)冠動脈造影法と呼ばれる技術。体内に侵入することなく心臓の内部とその動脈を見ることができる。

しかし同技術は、影響を受けやすい人々に対してがんを引き起こすのに十分な量の放射線を浴びせることになると指摘。特に、女性と若い男性にとって危険性があるという。

この研究を指揮したコロンビア大学病院の心臓専門医、アンドリュー・アインシュタイン博士は電話インタビューに応じ、同じ量の放射線を浴びても女性の発がんリスクの方が男性よりも高い傾向にあると説明。男女間の第2の違いとして乳がんの危険性を挙げ、「心臓は乳房のすぐ後ろにあるため、(CT冠動脈造影により)結局乳房まで被ばくしてしまう」と述べた。

同チームは、このレントゲン技術によりがんを患う可能性は、80歳の男性が3261分の1なのに対し、20歳の女性は143分の1としている。(ロイター)

CTについて
CTはコンピュータ断層造影(コンピュータ・トモグラフィー)の略称です。横たえた身体を、円筒状のエックス線発射装置の中でスライドさせながら、360度方向から一定の間隔で撮影し、コンピュータ処理して、体内の多数の断層画像や立体画像を得る検査です。

紅花のポリフェノール成分に血管の硬化抑制作用

染料や食用油の原料になるベニバナ(紅花)の種子に多く含まれるポリフェノール成分に、血管の硬化を抑える働きがあることが、味の素健康基盤研究所と京都府立医大福島県立医大の共同研究で分かった。
心筋梗塞や狭心症、脳卒中など動脈硬化による疾患の予防に役立つと期待される。13日から大阪で開かれた日本動脈硬化学会で発表された。

研究グループは、ベニバナの種子に多く含まれる2種類のポリフェノール(クマロイルセロトニン、フェルロイルセロトニン)に着目。動脈硬化症を自然に発症するウサギにこの成分を食べさせると、血管年齢(血管の硬さ)の指標となる脈波伝播(でんぱ)速度(脈が伝わる速さ)の上昇が抑えられることを確かめた。

また、この成分は血管の内側で、強い抗酸化作用により炎症反応などを抑え、血管組織の硬化を抑制していることが、マウスを使った実験から示唆された。

さらに、味の素の男性社員20人に、この成分を4週間摂取してもらったところ、血管年齢が高めの14人では摂取前よりも脈波伝播速度が下がり、ヒトでも血管の柔軟性を維持する効果がある可能性が示された。

2種類のポリフェノール成分は1キロの種子に約3グラム含まれており、含有率は米やトウモロコシの100倍以上。ベニバナの種子はエチオピアでは一般的に食用とされ、韓国や日本でも一部で食べられているという。(Sankei Web)

ポリフェノールとは?
ポリフェノールは、植物が光合成でつくる糖分の一部が変化したものです。ポリフェノールの種類は約300種におよび、複数の水酸基(OH基)が結合したベンゼン環をもっているのが特徴です。
このOH基は活性酸素やフリーラジカルといった有害物質を捕らえて、安定した無害な物質に変える作用があります。このため、ポリフェノールは強力な抗酸化作用があります。

また、脂肪燃焼を促進する効果、血栓を予防して血液をサラサラにする効果、血管を守る作用、血流を改善する作用など、さまざまな健康効果があることがわかっています。

主治医が後期高齢者の心身状態を評価へ:厚生労働省

厚生労働省は75歳以上の後期高齢者について、主治医が年に1回程度、心身の状態を総合的に評価する新たな仕組みを設ける方針を固めた。この評価をすると診療報酬を得られるようにする。
年2回程度の定期的な検査結果と併せ、評価内容を本人や家族、看護師、ケアマネジャーと共有することで、効果的なケアを行う狙いだ。

08年4月にスタートする後期高齢者向け医療制度では、高齢者向けの独自の診療報酬体系をつくることが決まっている。「患者の心身を総合的に診ることができる医師」を公的に主治医として認定し、在宅ケアや終末期ケアでも中心的な役割を担うことが柱となる。

患者の心身についての評価はその一環。主治医が日常の診察から受ける印象に加え、「自分1人でトイレに行けますか」などさまざまな質問をして、日常生活の能力や意欲、情緒などを判定する。

継続的に患者を診ている医師の評価を周囲の人々が共有することで、治療方針についての合意を得やすくなり、患者のニーズに合ったケアが可能になるとみている。

厚労省はこのほか、薬の重複投与や副作用のリスクを避けるため、75歳以上の4割以上の人が持っている「お薬手帳」に複数の医療機関で処方されている薬や注射の内容をすべて記録するようにする。(asahi.com)

後期高齢者医療制度とは?
75歳以上の「後期高齢者」全員が加入する公的医療保険制度です。2006年の通常国会に提出された医療制度改革関連法案に盛り込まれ、2008年度から新たな独立型の健康保険としてスタートします。
保険料は原則として加入者全員から徴収する。保険料徴収は市町村が行い、財政運営は全市町村が加入する都道府県単位の広域連合が担当する仕組みです。

財政は、本人保険料1割▽税金約5割▽74歳以下が加入する各健康保険からの支援金約4割−の比率で負担する。保険料は広域連合ごとに決定するが、厚生労働省の試算では2008年度の制度発足時には 月額6200円程度になる見通しです。
配偶者や子供の扶養家族となっているため保険料を払ってこなかった人は、激変緩和措置として2年間半額となります。

顎関節症の痛みを軽減させるサプリメントを開発

関節の軟骨に含まれるグルコサミンを主成分とする栄養補助食品(サプリメント)を顎関節症の患者に一定期間投与すると、痛みの軽減が認められることが、三重大医学部口腔外科が実施した臨床試験で分かった。臨床試験の詳しい結果は、7月15日に仙台市内で開かれる日本顎関節学会で発表する。

健康食品開発会社「イシダファーマ」(津市)との共同開発。商品化は今秋の見通しで、歯科医を通じて販売する。このサプリメントを六週間服用した患者は痛みの感じ方が半減したという。
顎関節症は、口を開けると音がする、痛む、口が開かなくなるなどが主症状。若い女性に患者が多く、全国で千六百万人の患者がいると推定される。重症化すると、食べることや、話すことさえ困難になる場合もあるという。(中日新聞)

顎関節症とは?
口が空けにくくなり、空けたり閉じたり動かしたりする歳に、鈍痛を感じます。
また、口を動かす時に耳の前方でカクンと、ジャリジャリといった異音がする場合があります。
顎関節症の原因は、かみ合わせの異常、歯軋り、歯を食いしばるくせ、顎を動かすくせ、ストレスなどによって、必要以上に顎に負担がかかることが考えられます。

せんべいなどの固い食べ物を避けたりして、顎への負担をなるべく軽くしましょう。
また、スプリント(マウスピース)という器具を使ったり、痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤を内服するのもよいでしょう。

ピロリ菌の増殖を抑制する体内物質を人工合成:理化学研究所

胃かいようや胃がんの原因とされる細菌「ヘリコバクター・ピロリ」の増殖を抑制するヒトの体内物質を、理化学研究所の研究チームが人工合成することに成功した。
大量生産が可能となったことで、ピロリ菌を除去する薬剤の開発や、増殖を抑制するメカニズムの解明につながるという。米化学会誌「ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー」(電子版)に近く掲載される。

ピロリ菌はヒトの胃の粘膜表面にすみ着くが、粘膜の深部にはいない。深部粘膜から、たんぱく質と結合した形で分泌される糖鎖と呼ばれる化合物に、ピロリ菌の増殖を抑制する作用があるためとされている。

しかし、この糖鎖は粘膜にごく微量しか存在せず、研究に必要な量を抽出することができなかった。また、分子が巨大で立体構造が複雑なため、人工合成も難しかった。

研究チームは、糖鎖の原料となる新たな化合物を独自に開発した。この化合物を使って化学反応を起こしたところ、目的とした糖鎖を効率よく合成することに成功した。

研究チームの真鍋史乃・理研専任研究員は「ピロリ菌の除菌には抗生物質が使われるが、有用な細菌も殺してしまうし、失敗例も1〜2割ある。この糖鎖はピロリ菌以外には作用しないと考えられ、医薬品として有効だろう」と話している。(毎日新聞)

ピロリ菌とは?
正式な名前をヘリコバクター・ピロリといいます。螺旋状の形をしていて、胃の粘膜に住みついています。胃の中に入ってきた細菌は通常、胃酸によって殺されますが、ピロリ菌は持っている酵素によって、胃の中にある尿素をアンモニアに変え、アルカリ性のアンモニアで胃酸を中和して、胃酸の殺菌作用を逃れているのです。

ピロリ菌は胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんの原因になるのではないかといわれています。ただし、ピロリ菌が陽性でも潰瘍が起こらない人、陰性でも潰瘍を起こす人がいて、ピロリ菌だけが原因とはいえません。他の因子(ストレス、食生活、体質、喫煙など)も関係していると考えられています。

悪性リンパ腫治療の経口抗がん剤「フルダラ錠10mg」が発売

バイエル薬品(大阪市)は、悪性リンパ腫の治療を目的とする抗がん剤「フルダラ錠10mg」(一般名はリン酸フルダラビン)を発売したと発表した。
再発または難治性で、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫と、マントル細胞リンパ腫に適応する。経口タイプのため外来での治療も可能。悪性リンパ腫に苦しむがん患者にとって治療の選択肢が増える。

B細胞性非ホジキンリンパ種は日本人に最も多い悪性リンパ腫。低悪性度型の同リンパ腫は細胞分裂があまり盛んでないため、化学療法が効きにくい問題があった。
2001年に抗がん剤「リツキシマブ」が登場し、他の薬剤との併用療法で治療成績は向上したが、長期間投与を続けると効き目が落ちる例もあった。(NIKKEI NET)

悪性リンパ腫について
全身のリンパ節やリンパ組織にできるがんです。頚部や脇の下、足の付け根(鼠頚部)などにあるリンパ節から生じた場合は、グリグリしたしこりが感じられます。
左右の肺の間(縦隔)にできると、初期はほとんど症状が出ませんが、進行してから呼吸困難などの症状が現れます。腹部では、腹痛、おなかの張りがみられます。体重が減少することもあります。

悪性リンパ腫と診断されると、すぐに抗悪性腫瘍薬などで治療を開始します。
腫瘍の種類によって、抗悪性腫瘍薬を中心にするか、放射線治療を行なうかが決まります。治療法が進歩してきており、治癒率はかなり高くなっています。

腎性貧血治療薬「ネスプ静脈注射用シリンジ」が発売

キリングループのキリンファーマ社(東京都)は、人工透析患者の貧血治療薬「ネスプ静脈注射用シリンジ」(一般名ダルベポエチンアルファ)の発売を開始した。

ネスプ静脈注射用シリンジ

ネスプは、ヒト・エリスロポリチン(EPO)と呼ばれる造血ホルモンのアミノ酸配列の一部を変えて、新たな糖鎖を付け加えた遺伝子組み換え剤。
従来のEPO製剤よりも血液中の半減期が長く、持続的な赤血球の増加作用がある。
結果、これまでのEPO製剤よりも投与回数を減らして貧血を改善する一方、医療事故のリスク減少などにもつながる。

キリンビールは1996年、米アムジェン社と共同開発に着手。01年5月の米国と豪州での発売を皮切りに、欧州、カナダ、韓国など既に40カ国以上で「アラネスプ」の商品名で販売している。

日本腎臓学会の推定で慢性の腎臓病患者は約480万人。一方、人工透析患者は26万人を超えているという。腎性貧血は、透析患者の主な合併症で、患者の約80%以上にヒト・エリスロポリチン製剤が使われている。

キリンファーマ社は7月1日、キリンビールグループの独立した製薬会社になった。生体内に予め存在する物質の再現にとどまらず、それ以上の特性を持った物質を創造するバイオ医薬を研究、開発の軸にするという。(くまにち)

腎性貧血について
腎性貧血とは、腎臓機能の低下によって生じる貧血です。赤血球をつくる働きを高めるホルモン(エリスロポエチン)の分泌がうまく行われなくなるのです。そのため慢性腎不全になると、ほぼ腎性貧血になります。

血液検査にて、ヘマトクリット値、血色素量 、赤血球数、鉄、フェリチン(貯蔵鉄)、出血凝固時間(プロトロンビン時間活性化部分トロンボプラスチン時間)、MCV(平均赤血球容積)、エリスロポエチンを投与しても貧血が改善しない時は、ビタミンB12や葉酸の検査も行います。

現在の腎性貧血の治療にはエリスロポエチンという赤血球を造るホルモンを使います。
腎不全になると腎臓でこのホルモンが造られなくなるので、人工的に製造されたこのホルモンを注射する事で貧血は改善されます。

肺がんの発症遺伝子を発見:間野博行 自治医科大教授ら

肺がんの引き金となる新たな遺伝子異常を、間野博行・自治医科大教授らの研究グループが発見し、11日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表した。
喫煙が関係しているとみられ、これまで困難だった肺がんの早期発見が可能になるだけでなく、有効な治療薬の開発などにつながる成果として注目される。

喫煙歴のある62歳の男性患者の肺がん細胞から採取した多数の遺伝子を、実験用の正常細胞に組み込み、がん化した細胞から原因遺伝子を特定した。

この遺伝子は、細胞の増殖を指令する遺伝子「ALK」と、細胞の形の維持などを担う遺伝子「EML4」が融合した異常型で、ALKが際限なく増殖指令を出してがんを引き起こすらしい。さらに、肺がん患者75人を検査したところ、5人の患者から融合遺伝子を検出した。そのうち4人は喫煙者。

グループによると、融合遺伝子は、たんや血液1cc中に、がん細胞が10個程度含まれていれば検出が可能。顕微鏡でがん細胞を確認する従来の方法に比べ、肺がんの診断が飛躍的に早まると期待される。

肺がんに関しては、EGFRという遺伝子の変異が知られており、この働きを阻害する治療薬「ゲフィチニブ」(商品名イレッサ)もある。ただ、EGFRの変異は非喫煙者の患者に多く、喫煙による肺がんに特有の遺伝子変異は不明だった。(YOMIURI ONLINE)

肺がんとは?
肺がんとは、肺や気管支などの粘膜に発生するがんで、とくに中高年の男性が多くかかります。
最近では検診を受ける人が増加し、治療方法も進歩していますが、症状がなかなか現れないため、発見された時は既に進行しているケースも多いのが現状です。

太い気管支に発生すれば、無気肺や閉塞性肺炎を合併します。気管支の細くなったところや、肺胞に発生するもには腺がんが多いですが、これはがんの組織型のひとつで、気管支粘膜に発生したがんです。
肺がんの組織型には他に数種類がありますが、肺がんではこの腺がんが最もよくみられます。

肺がんは周囲のリンパ節への移転が早く、また脳や骨髄へ転移しやすいので手術が困難な場合がよくあります。また、喫煙が誘発し、1日の喫煙本数が多いほどかかりやすいことがわかっています。

肺がんは胸部X線検査や喀痰検査、気管支内視鏡による生検、胸部CT、MRI(磁気共鳴画像)などで診断します。

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エクセロンパッチが承認:パッチ型のアルツハイマー治療薬

スイスのノバルティスが開発したアルツハイマー型認知症に対する世界初のパッチ剤「エクセロンパッチ」(一般名:リバスチグミン)が、米FDAで承認された。
軽度から中等度の患者が対象で、24時間にわたり薬効が持続する。貼り薬のため介護する側にとっては、一目で薬剤が投与されていることを確認できるというメリットもある。
日本では小野薬品と共同開発しており、今年1月にPIIIを開始したところ。

エクセロンには現在、カプセル剤(日本未承認)があるが、今回承認されたのはパッチに剤形を改めた経皮吸収型薬剤。コンプライアンスの改善が狙い。臨床試験では、投与のしやすさ、日常生活への支障の少なさなどから、介護者の7割がカプセル剤より使いやすいと評価したという。

また、薬剤の特性上、血中濃度を一定に保つほか、経口剤でみられた副作用の吐き気などの消化器症状も1/3程度に抑えられることが確認されている。

承認は、1195人を対象にした国際臨床試験「IDEAL」に基づいて行われ、カプセル剤の最高用量(6mg、1日2回)と同様の効果が確認されている。現在、日本ではPIII、欧州では昨年に承認申請した。

同剤は、脳内神経伝達物質であるアセチルコリンの分解を防ぎ、アセチルコリン量の低下を抑え、効果を発揮するとされている。分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼに加え、ブチリルコリンエステラーゼも阻害する唯一の薬剤で、この作用により同社は、記憶力と思考力の両方の維持、行動障害の改善、日常生活の各場面における対応力の改善の可能性があるとしている。(薬事日報)

アルツハイマー型認知症について
典型的な初期症状は、昔のことはよく覚えているのに、数分前のことが思い出せないという記憶障害です。そのほか、抑うつ気分になったかと思うと多弁になるなど、情動的な変化もみられます。

症状は徐々に進行していき、やがて、日時や場所、人と自分との関係がわからなくなっていきます(失見当識)。さらに、洋服の着脱などの日常的な動作が困難になり、家族の顔も判別できなくなります。最終的には会話も不能になり、寝たきりの状態になります。

アルツハイマー型認知症の決定的な治療法はありませんので、進行を遅らせることができる抗痴呆薬(ドネペジル、ガランタミン)が使われています。
抗痴呆薬は神経細胞の壊死を防ぐことはできませんが、ある程度の期間、意思能力を保つことができるので、患者自身が今後のことを決めておいたり、介護施設に入所する時期を延ばして家族との過ごす時間を増やしたりすることが可能です。

卵子提供を受けた妊婦の8割が合併症で入院

閉経後に米国で卵子提供を受けた50歳前後の妊婦の約8割が、切迫早産などの重い合併症で入院が必要になったことが、東京日立病院(文京区)の合阪幸三・産婦人科医長の調査でわかった。

国内では、匿名の第三者からの卵子提供を認めようという声も強く、今後、提供卵子による高齢妊娠が増えそうで、合阪医長は「特に、超高齢出産の場合は、スタッフのそろった周産期医療センターなどでのケアが必要」と強調している。10日、都内で開かれた日本周産期・新生児医学会で報告した。

調査対象は、合阪医長が過去5年間に担当した31人。平均年齢は50歳で、最高齢は56歳、最年少は46歳だった。米国で卵子提供を受けて、妊娠後、国内で出産を希望して来院した。多胎妊娠は4人で、すべて双子だった。

多胎妊娠に比べリスクの低い27人の合併症の発生は、妊娠高血圧が9人(33・3%)と最も多く、卵子提供のない通常の出産よりも約6倍頻度が高かった。妊娠糖尿病も8人(29・6%)で約2・5倍、切迫早産も12人(44・4%)で約3倍だった。
これらの合併症の治療のため、27人のうち22人が入院した。双子を妊娠した4人は全員、切迫早産のために入院した。また、母乳の分泌は、1か月検診時では、31人中17人が良好だったが、3か月検診時には3人に激減した。

匿名の第三者からの卵子提供を巡っては、厚生労働省の生殖補助医療部会が容認した。しかし、法制化には至らず、日本学術会議で是非を検討している。(YOMIURI ONLINE)

切迫流産について
通常の月経より少ない出血や下腹部の張り、痛みがあります。流産の危険性が高い状態ですが、子宮頚管はまだ閉じています。胎児が元気なら、妊娠を継続できる可能性が残っています。

治療法の基本として絶対安静が求められます。原因がすぐにはわからないので、安静にして胎児の生存を心拍で確認するなど、経過を観察します。
超音波検査で子宮内に胎芽と胎嚢が認められ、黄体ホルモンの不足が原因と考えられる場合は、絨毛性ゴナドトロピンの注射で治療し、体内の黄体を刺激して分泌を促したり、天然の黄体ホルモンを補充します。
妊娠中期(16週〜)以降で、規則的な子宮収縮が起きている場合は、収縮を抑える薬で治療します。

なお、切迫流産を乗り越えて無事に分娩に至った場合は、生まれてくる赤ちゃんに影響はありません。

風邪薬の売れ行きからインフルエンザなどの流行を予測

ドラッグストアでの風邪薬の売れ方から、インフルエンザなど感染症の流行をいち早く察知出来ることが分かった。国立感染症研究所が2年余りにわたって全国600薬局のデータを基に検証し、市販薬の「予知能力」を立証したからだ。
発生が懸念されている新型インフルエンザや新型肺炎SARSなど深刻な感染症を早期に察知するシステムに応用できる。被害拡大を防ぐ手軽で有力な手段になりそうだ。

感染研感染症情報センターの大日康史主任研究官らは、03年冬〜04年春と04年冬〜05年春の2シーズンで全国約600薬局の風邪薬の売り上げデータと、国のインフルエンザ患者発生報告による患者数を、買いだめ需要が多い年末年始の10日間を除くなどした上で比較した。

すると例えば03年12月22日に、1薬局あたりの売り上げが、それまでの約2万円から4万円に倍増したのに対し、患者報告は翌月の1月13日に前週に比べ約3倍に増えていた。
両シーズンを通して統計処理をした結果、薬の売り上げの変化が公式の患者報告より約2週間先行し、薬の動向がインフルエンザ流行をいち早く察知する指標になることがわかった。

多くの感染症は発熱や頭痛、だるさなど「風邪かな?」と感じる症状から始まる。また、風邪症状を感じた人の半数は、まず市販薬を買うというデータもある。
大日さんは「インフルエンザに限らず、風邪薬の売り上げが急に増えたら、感染症が異常発生しているサインです」と説明する。
ドラッグストアの日々の売り上げは、レジを通じてコンピューターで自動集計されている。感染症の監視は、これに簡単なソフトウエアを加えるだけでできるという。

国の感染症発生報告は法律に基づいて手順が決まっている。医師が診断した後、保健所に届け、同研究所が集計する仕組みだ。このため、早くても約10日かかる。もっと早く発生が分かれば、予防接種や薬、診療態勢などの対策をとる時間的余裕が生まれる。(asahi.com)

SARS(重症急性呼吸症候群)とは?
2〜10日の潜伏期ののち、発熱と悪寒、筋肉痛などいんる円座のような症状で始まります。
熱はいったん下がるように見えますが、肺炎へと進行して、再び高熱と咳が出て呼吸困難になります。下痢をすることもあります。

その後、発症者の約80%は軽快しますが、約20%は急速に呼吸困難が進行して集中治療が必要になります。致死率は全体では約10%ですが、高齢者や何らかの基礎疾患のある人は高くなります。

東南アジアでデング熱が流行の兆し:多雨と気温上昇が原因か

東南アジアで、蚊を媒介とするウイルス性感染症「デング熱」が流行の兆しを見せている。異常気象による多雨と気温上昇が原因とみられる。ワクチンや特効薬がなく、数十万人規模で爆発的に流行した1998年と2001年を上回る規模で拡大する恐れがある。

デング熱は、熱帯に生息するネッタイシマカから人へ感染する熱性疾患。40度近い熱が数日続き、関節痛や発疹を伴う。約1週間で自然回復するが、デング出血熱という重症状態に陥ると死亡することもある。

各国政府によると、今年上半期の発症者数は、タイが昨年同期比36%増の約2万1251人、ベトナムは同23%増の2万4255人、カンボジアは15歳以下の子供だけで昨年1年間を上回る1万2700人に達している。

タイ保健省のビチャイ生物媒介疾病局長は、「地球温暖化で東南アジアの雨量が急増し、蚊が大量発生している」と分析。「本格的な雨期を迎え、感染者の激増が懸念される」と述べた。
しかし、有効な対策はなく、各国政府は、蚊に刺されないよう注意を促し、殺虫剤散布などで蚊の繁殖防止に努めるしかないのが現状だ。(YOMIURI ONLINE)

デング熱について
1週間ほどの潜伏期間を経て、悪寒をともなう40度近い熱が出ます。発熱、全身の筋肉や関節の痛み、発疹が主な症状です。通常は5日ほどで自然に治りますが、まれに出血傾向など重篤な症状が起こることがあります。

デング熱に対する特効薬はなく、安静を保ちます。解熱剤は出血症状を悪化させることがるので、安易に使用しないようにしましょう。

ストレスが引き金のメタボリック症候群は注射で直せる?

ストレスが引き金でおなかが太り、メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)になるのは、脳で食欲をつかさどる視床下部の働きよりも、脂肪組織で交感神経から分泌される神経伝達物質「神経ペプチドY」(NPY)が増える局所的な影響が強い可能性があることが分かった。
ジョージタウン大医療センターなどの研究チームが5日までに、マウスの実験成果を米医学誌ネイチャー・メディシン電子版に発表した。

研究チームは、脂肪細胞でNPYを受け取る受容体タンパク質の一つ「NPY2R」の働きを薬物注射で抑えると、肥満や同症候群を防げることを発見。新たな肥満治療薬を開発できる可能性があるという。

研究チームは、マウスを毎日1時間ずつ氷水に入れたり、同10分間ずつ攻撃的な仲間がいるかごに入れたりする実験を長期間続けた。この際、通常の餌を与えていると目立った変化はないが、脂肪分と糖分が多い餌の場合、腹の脂肪組織で、NPYとNPY2Rを生み出す遺伝子の働きが強まった結果、脂肪細胞が増殖して太った上、メタボリック症候群に似た状態になった。

しかし、腹の脂肪組織に特定の薬物を注射し、NPY2Rの働きを抑えると、肥満などを防ぐことができた。NPYはこれまで、脳の視床下部での働きが注目され、同部での働きを抑える肥満治療薬の研究も進んでいる。(Fuji Sankei Business)

メタボリック症候群とは?
生活習慣病の代表格に肥満症、高血圧、糖尿病、高脂血症があります。これらの疾患は肥満、特に内臓に脂肪が蓄積した肥満が原因であるとされ、内臓脂肪によりさまざまな病気が引きおこされる状態をメタボリックシンドロームといいます。

高血圧、高脂血症、糖尿病などひとつひとつの症状は軽くても、複合すると心筋梗塞や脳梗塞のリスクが急激に増大することから注目されています。
診断基準の必須項目としてウエスト径があり、男性85センチ以上、女性90センチ以上がメタボリック症候群を診断する際のポイントとなります。

アストラゼネカが乳がん啓発の無料小冊子を配布へ

アストラゼネカ社(大阪市)は、乳がん啓発の小冊子『お母さん どうしたの?』を作成。乳腺外来のある病院で無料配布するとともに、同社の乳がん啓発サイト「乳がん.jp」にも掲載している。

冊子は、イラストを中心に2部構成で編集。第1部は「お子さまと一緒に読むページ」。
お母さんが病気になり治療が必要なこと、いつも元気ではいられないがお子さんが原因ではないこと、お子さんが心配なときにどうすればいいかーなど、お子さんに着目して製作している。第2部は「お母さんのページ」。
いらつきや落ち込みなどの感情は当然あること、お子さんに伝える時に困ったこと、伝えて良かったこと、お子さんが心配に思ったことーなど、お母さんに着目し体験者の声を集めている。

国立病院機構九州がんセンター・サイコロジー科の大島彰医師、大谷弘行医師、白石恵子医師、乳腺科の大野真司医師が監修している。(くまにち)

乳がんとは?
乳汁を分泌して乳首へ送る乳腺組織に発生するがんです。治療効果は悪くないものの、毎年発症者が増えているので、それに伴って死亡者も増加傾向にあります。
がんが発生する部位は乳首より外側上の腋の辺りが最も多く、全体の約半分を占めています。腋の下のリンパ節に転移しやすく、そこから脊椎や骨盤などの骨や肺、脳へ転移することもあります。

乳がんはしこりで発見されることがほとんどです。しこりは一般的には痛まないことが多いので、大きくなって気付くこともよくあります。
しこり以外の症状では、さまざまな乳房の変化が見られます。乳頭や乳輪がただれたり、分泌物が出たり、乳糖が乳がんのある方向を向いたりします。

触診やマンモグラフィー(乳房X線検査)、乳腺超音波検査を行なって腫瘍の部位を確認し、最終的には、乳房のCT検査やMRI検査のほか、乳房を小さく切開して腫瘍の一部を採取する組織検査によって判定します。

創薬医学融合ラボ:京大とアステラスが新薬開発プロジェクト

京都大学とアステラス製薬は、基礎免疫学研究の成果から革新的な新薬を開発する大型研究プロジェクトを開始したと発表した。京大医学部の研究棟内に「創薬医学融合ラボ」を開設し、京大とアステラス製薬、国際公募の研究者による共同研究を10年かけて進め、「日本発の新薬」の臨床応用を目指す。大学と企業が1対1で創薬の大型拠点を作るのは、日本で初めて。

京大が世界トップレベルの研究を進めている免疫・アレルギー分野で、免疫抑制剤で実績のあるアステラス製薬の化合物ライブラリーやノウハウを生かして研究する。
アトピーやぜんそく、花粉症などのアレルギー疾患、リウマチなどの自己免疫疾患、がんや肝炎治療のための免疫活性化、臓器移植や再生医療のための免疫抑制剤などで、「世界売り上げトップテン」の新薬開発を目指す。

文部科学省「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」プログラムの採択を受け、最初の3年は年間計6億円の研究費で実施する。欧米では研究機関と企業の連携で大型創薬拠点が整備されており、日本発の新薬開発のモデルとしてプログラムが認められた。

「中核研究者グループ」としてプロジェクトに参加する成宮周医学研究科長は「基礎と臨床の境目がない時代にあって、医学研究の知識を患者のために生かしたい」、アステラス製薬の竹中登一会長は「いい薬をつくるには、ゲノム配列を網羅するだけでは駄目で、きちんと疾患を見なければいけない。免疫寛容など新しいメカニズムの研究から新薬を見つけたい」と話していた。(京都新聞)

創薬医学融合ラボとは?
この融合ラボには、京大学内研究者チーム、国際公募による若手研究者チーム、アステラス製薬研究者チームが集結し、免疫創薬をめざして協働研究を推進します。
ここには、知財管理や技術支援のチームも配備される予定です。この全く新しいタイプのラボは、創薬システムのイノベーションを目的としています。
これが成功すれば、他の多くの医学領域における創薬研究のモデルとして大きな波及効果をおよぼすのみならず、基礎医学研究、創薬技術、知財管理などに精通した創薬医学研究者の養成にも資することが期待されます。

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