自分はメタボリックシンドローム:成人の30%が自覚

成人の31%は「自分はメタボリックシンドロームだ」と思っており、50代男性では半数以上の57%が自覚。男女1200百人の調査で、メタボリックシンドロームへの関心の高さが明らかになった。

医薬品・医療機器会社のジョンソン・エンド・ジョンソンが、全国の20〜70代の男女各年代200人を対象に、がん、脳卒中、心筋梗塞の三大疾患とメタボリック症候群に関する意識調査を7月にインターネットで行った。

自分はメタボリックシンドロームと思っているのは男性38%、女性24%。五十代男性だけでなく、30代、40代男性も40%台と高い。実際に自分の胴回りを測ってみたのは男性29%、女性21%で、全体では4人に1人の25%だった。

メタボリック症候群は、胴回りが男性85センチ以上、女性90センチ以上の内臓脂肪型肥満で、血圧や血糖値が高めの状態。厚生労働省の2005年の調査では、40〜74歳で男性の26%、女性10%がメタボリック症候群が強く疑われる、という結果だった。

一方、三大疾患で一番関心があるのは、がんで66%。心筋梗塞19%、脳卒中15%の順だった。メタボリックシンドロームは心筋梗塞、脳卒中を起こしやすい。(くまにち)

メタボリック・シンドロームとは?
生活習慣病のなかの、内臓脂肪蓄積型肥満、脂質代謝異常、高血圧、糖代謝異常の4つは、とくに「メタボリックシンドローム」と呼ばれ、これらの要素が複数合併すると、それぞれが軽症でも動脈硬化が加速され、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まってきます。

メタボリックシンドロームの診断基準は、ウエスト周囲径が男性85cm以上/女性90cm以上で、かつ下記のA・B・Cのうちの2項目を満たすときです。

  • A.脂質異常…中性脂肪150mg/dl以上あるいはHDLコレステロール40mg/dl未満
  • B.血圧異常…最高血圧130mmHg以上あるいは最低血圧85mmHg以上
  • C.糖代謝異常…空腹時血糖110mg/dl以上

日本人はピロリ菌感染から胃がんに移行するリスクが高い

胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌に感染しても、胃がんのなりやすさは遺伝子の型によって異なり、日本人の大半はなりやすい型であることが、名古屋大大学院の浜島信之教授らの研究で分かった。横浜市で開かれる日本がん学会で10月4日に発表する。

胃がん発生にはさまざまな要因があるが、日本や韓国などは欧米よりも発生率が高く、多くがピロリ菌に関連しているとされる。同教授らは、ピロリ菌感染者が胃がんを発症する場合、胃粘膜の委縮から胃がんへと段階的に進行することに着目。感染者の日本人248人の遺伝子を調べ、委縮に移行した人としていない人との違いを分析した。

その結果、「PTPN11」という遺伝子の一部の型が「GG」「GA」の人は5〜6割の高率で胃粘膜委縮が起きており、「AA」の人では1割強にしかみられなかった。日本人の9割以上はGG型とGA型で、AA型は1割に満たず、ピロリ菌感染から胃粘膜委縮に移行するリスクが高いことが示唆された。(時事通信)

胃がんについて
胃粘膜から発生するがんの総称です。症状初期には特別な症状は現れません。上腹部痛や吐き気、胸焼けなどがみられることもありますが、食べすぎや胃炎などの症状と変わらないので、がんとは気付かず、検診などで発見されます。

がんが進行すると、腹痛や胃の不快感、嘔吐が強くなり、吐血や下血が現れ、やがて全身倦怠感や体重減少なども顕著になります。

胃がんの確定診断は、内視鏡で病変部を直接観察するとともに、組織の一部を採取して調べる組織検査によってなされます。これらの検査結果から、病巣が胃壁の表面に存在するのか、あるいは胃壁深く浸潤しているのかといったがんの進展度や病巣の大きさ、さらに組織型、転移の有無を調べることによって、早期と進行がんが区別され、治療方針が決定されます。

救急蘇生術における人工呼吸は効果なし:日本救急医学会

突然意識を失って倒れた人を蘇生させるための応急手当は、心臓マッサージだけで効果があり、従来勧められてきた人工呼吸は必要ないことが、日本救急医学会関東地方会の研究班の調査で分かった。

研究班は02〜03年、関東各地の病院と救急隊の協力を得て、そばに人がいる状態で突然心臓が止まって倒れ、救急車で病院に運ばれた18歳以上の患者4068人を調べた。
そばにいた人から人工呼吸と心臓マッサージを受けた患者が712人で、心臓マッサージだけを受けた患者は439人。救急隊到着まで蘇生措置を受けなかった患者が2917人だった。

倒れてから30日後の時点で、介護なしで日常生活が送れる状態に回復した割合は、両方受けた患者が4%、心臓マッサージだけの患者は6%で、人工呼吸なしでも変わらなかった。一方、蘇生措置なしの患者は2%にとどまった。

患者の約9割を占めた救急隊到着時に完全に呼吸が停止していた人に限った分析では、回復率は心臓マッサージだけの患者が6%だったのに対し、両方受けた患者は3%で、心臓マッサージだけの患者の方が回復率が高いとの結果になった。

人工呼吸は不要との結果について、長尾班長は「呼吸が止まっても12分程度は血液中の酸素濃度がそれほど下がらないことや、心臓マッサージの際の胸の動きで、空気が肺に送り込まれることなどが考えられる」と話している。

心臓マッサージは、救急隊が来るか、AED(自動体外式除細動器)が届くか、患者の体が動くまで続ける。1人では消耗するため、2分程度をめどに交代で行うとよいという。(毎日新聞)

AED(自動体外式除細動器)について
AEDは、高性能の心電図解析装置を内蔵した医療機器です。「突然の心停止」では多くの場合、心室細動という心臓の筋肉の細かいけいれんになります。

けいれんを抑えるには、できるだけ早く心臓に強い電流でショックをかけて心臓のリズムを元に戻さなくてはなりません。これを「除細動」といいます。
心停止から除細動までの時間はその後の生存率に大きく影響し、1分経過するごとに生存率が7〜10%低下していきます。

そこで、心停止した人に対して、現場で直ちに除細動の治療を行えるようにしたのが、AEDです。AEDは、電源を入れて電極パットを貼ると、自動的に心電図を解析して、電気ショックを行うべきか否かの指示を出します。その後は指示に従って操作すれば、迅速に電気的除細動が行えます。

福島孝徳記念クリニックが開院へ:世界最高水準の医療を提供

脳神経外科専門の「塩田病院付属福島孝徳記念クリニック」(十九床)が、長柄町国府里に完成した。最新の医療機器を備え、高度な技術を持つ執刀医をそろえるなど、「世界最高水準の医療を提供する」という。10月1日に開院する。

同クリニックは、医療関係者の間で「神の手を持つ男」とも称賛される脳外科医福島孝徳さんを最高顧問として迎え、助言を受けて建設された。福島さん自身も月一回程度は来院し執刀する。

一刻を争う急患に対応するため、患者が救急車で運ばれてから手術室、集中治療室(ICU)などへの移動が素早くできるように部屋を配置。
多くの機器を導入した高度な手術に対応する広い手術室や、高い効果の期待できる医療機器をそろえている。将来的に増床が認められれば、二十四時間体制での救急医療も行いたいという。(東京新聞)

脳腫瘍とは?
脳腫瘍とは頭蓋骨内に発生する腫瘍の総称です。増殖が遅く転移しない良性腫瘍と、急激に増殖して脳のほかの部位に転移しやすい悪性腫瘍とがあり、その発生部位から、脳の実質内に発生するものと脳の実質外に発生するものに分けられます。
脳実質内に発生する腫瘍のほとんどが悪性で、神経膠腫(グリオーマ)、髄芽腫、肺細胞腫などがあります。脳実質外に発生する腫瘍としては、髄膜腫、下垂体腺腫、脳神経鞘腫などがあり、ほとんどが両性です。

脳腫瘍は子供から老人までみられ、子供では小脳、成人では大脳に発生することが多くなっています。原因は不明ですが、まれに先天的腫瘍や遺伝に関連するものもあります。

脳腫瘍の症状と経過
腫瘍によって頭蓋骨内の圧力が高まるため、頭痛やめまい、吐き気、嘔吐、視野狭窄、痙攣などの症状が現れます。また、脳神経障害として、顔面麻痺、失語症、味覚や嗅覚の障害、記憶力の低下、聴力の低下がおこることもあります。
良性のものが多く、摘出すると完治しますが、発生部位によっては完全な摘出が困難と判断される場合もあります。

脳腫瘍の判定のポイント
問診での症状からおおよそ診断がつく場合もありますが、脳腫瘍が疑われる場合は、状況に応じて頭部X線写真、頭部血管造営検査、CT検査、MRIなどを行なって診断を確定します。
さらに、転移が疑われる場合は、それぞれの疾患部位に応じた腫瘍マーカーなどの検査を行います。

鼻水を検体にインフルエンザ診断:DSファーマバイオメディカル

大日本住友製薬の子会社で診断薬や研究用資材の開発、販売を手掛けるDSファーマバイオメディカルは、鼻をかんで採取した鼻汁をインフルエンザ感染の有無を診断するための検体とする承認を取得したと発表した。

DSバイオが2005年1月に発売したA型とB型のインフルエンザ診断薬「クイックビューラピッドSPインフル」に使用可能な検体種として追加する。従来は専用のぬぐい棒で鼻腔やのどをぬぐったり、スポイトで鼻腔から吸引して採取した検体を用いて診断していた。(NIKKEI NET)

インフルエンザについて
約200種類もある風邪のウイルスの中の一種「インフルエンザウイルス」の感染で起こります。インフルエンザウイルスにはA・B・Cの3種類があり、A型はさらに5つのタイプに分かれています。
流行するのはA型とB型ですが、どちらかというとA型のほうが流行の範囲や規模が大きく、短い期間で流行を繰り返します。

インフルエンザはほかの風と違い全身の症状が強いのが特徴です。
突然、39度前後の高熱が出てから、寒気がして頭痛や関節痛などの痛みがあり、同時に手足や腰の筋肉痛やだるさなどの全身的な症状も出てきます。そしてほぼ同時にのどが痛み、咳が出て、声がれや鼻水が出るなどの呼吸器症状が強くなります。

このような症状が3、4日続くと熱が下がり始めて、苦しかった全身症状や呼吸症状も軽くなっていきます。順調なら1週間から10日ほどでよくなります。

神戸大学付属病院に美容外科の専門診療科:10月1日診療開始

神戸大学病院は美容外科の専門診療科を新設することを発表した。国立大学で初めての試みだ。社会の高齢化に伴い、美容外科は若い女性だけでなく、中高年の生活の質を高める医療として需要が高まっている。だが、今の医学教育の中で学ぶ機会がほとんどなかった。
神戸大は専門教育の場を設け、若い医師を育てるとともに、老化と闘うアンチエージング医学の拠点作りを目指す。

10月1日に診療を始める。全年齢を診るが、主に中高年のしわやたるみ対策、脂肪吸引を対象にする。容姿に自信を取り戻すことで、生活や心の張りも戻ってくるという報告があり、高齢者にとって大きな意味を持つからだ。

現在、美容外科を志す人は、やけどの跡の修復などをする形成外科の経験を基に、試行錯誤で技術や知識を身につけているのが実情だ。技術水準は個人差が大きく、医療被害にもつながっているという指摘がある。

神戸大病院では、形成外科の専門医2人が専従し、若い研修医らを交えてチームで診療する。医療保険の適用外で自費診療だが、まぶたの垂れ下がりなど、保険治療の対象と診断した場合は、他の診療科に紹介する。(asahi.com)

しわやたるみの除去について
しわの周囲のいろいろな角度から製剤を入れてしわを目立たなくなるする注入療法で、効果がない深いしわやたるみには、リフティングという手術療法が用いられます。

フェイスリフト
顔の側面や耳の後ろなど、目立たないところを切開し、皮膚を吊り上げて余った皮膚を取り除く方法です。手術は全身麻酔か局所麻酔で行われ、たいてい5〜6時間はかかります。
顔を切開するため、出血がともないますが、自然に吸収されます。吸収しきれずに血腫になったとしても、早めに処置すれば大事に至ることもあります。

術後は数日間、顔が腫れることも考慮しておく必要があります。抜歯は状態にもよりますが、1〜2週間後に行われます。顔には表情筋をつかさどる顔面神経が走っていますから、高度な技術を持つ医師を選び、カウンセリングを十分行い、納得したうえで手術を受けることが大切です。

アイリフト
眼瞼切開法を用いて、上まぶたや下まぶたのたるみを改善します。そのほか、眉毛をあげるアイブローリフト、頬のたるみを治すミニリフト、額のしわを伸ばすフォーヘッドリフトなども開発されています。

アリクストラ錠を急性冠症候群治療薬として追加承認:EU

欧州医薬品審査庁(EMEA)は、グラクソ・スミスクライン社の抗血栓症薬「アリクストラ錠」(一般名:フォンダパリヌクスナトリウム)を、急性冠症候群治療薬としての効能・効果で追加承認した。

フォンダパリヌクスは、72時間以内の経皮的冠動脈インターベンション(介入)または在来治療法が適用されない不安定狭心症患者や非ST上昇型心筋梗塞患者に対する抗凝固療法として欧州心臓病協会の治療ガイドラインでは最も推奨されている。

フォンダパリヌクスは、血液凝固の際、中心的に働く]a因子の働きを選択的に妨げる。]a因子はトロンビン(血液凝固を促進する血中タンパク質)の生成過程で中心的な役割を担っている。

国内では、アリクストラは膝関節全置換手術後などの静脈血栓塞栓症の発症抑制を効能・効果として初めて承認を取得。現在、腹部手術後の静脈血栓塞栓症の予防を効能・効果として承認申請している。
海外旅行などの際、飛行機の狭い座席に長時間座っていることで起こる「エコノミークラス症候群」は、静脈血栓塞栓症の形態の一つとされている。(くまにち)

静脈血栓塞栓症について
静脈血栓塞栓症は、深部静脈血栓症(主に下肢の深部静脈に血栓ができる病態)と肺血栓塞栓症(深部静脈に形成された血栓が肺動脈に飛んで肺動脈が塞がれ、重篤な場合死に至る疾患)といった一連の病態の総称です。
近年、飛行機などによる長時間の移動中に発症したというニュースでも話題となっているエコノミークラス症候群は静脈血栓塞栓症の一病態です。

しかしながら、静脈血栓塞栓症は、実態としては病院において手術に伴って発症するケースが多くを占めます。
特に股関節置換術・膝関節置換術等の下肢の手術後は、深部静脈血栓症の発症率が34〜65%1)と高く、ひとたび急性肺血栓塞栓症を発症すると、死亡率は約30%とされ、死亡例の40%以上が発症1時間以内に死にいたる深刻な疾患2)です。発症してからでは救命が困難なため、その予防の重要性が指摘されています。

結核の新規患者・罹患率が7年連続減:厚生労働省

厚生労働省は25日、2006年に新たに結核を発症した患者は前年から1935人減って2万6384人、人口10万人当たりの患者数を表す罹患率も1・6減少し20・6と、いずれも7年連続で減少したと発表した。都道府県別の罹患率では、地域間格差が依然大きかった。

20代の結核罹患率は、その前後の年齢層に比べて高かった。また、新規患者に占める高齢者の割合は増加傾向にあり、70歳以上が占める割合は47%で、前年比2・1ポイント増だった。

都道府県別の罹患率で最も低いのは長野県の11・8。一方で高いのは大阪府(36・1)、東京都(26・5)、長崎県(26・4)の順で、最も高い大阪府は長野県の3・1倍と、大きな格差が見られた。(Shikoku.news)

肺結核について
細菌の一種である結核菌に感染して起こる病気で、すべての結核症の約90%を占めます。
進行すると、咳と痰が出てきます。咳は喉頭や気管支に結核が起きるとひどくなります。熱は37度台の微熱ですが、栗粒結核といって肺に感染した結核菌が血液中に入り、全身めぐっていろいろな臓器感染を起こすことがあり、この場合は高熱が出ます。

肺結核の治療は、いくつかの抗結核薬を組み合わせて用います。必ず用いられるのは、リファンピシンとイソニアジドで、これらにほかの薬を加えます。治療薬の効果で、6ヶ月〜1年で完治します。

症状が軽く、人に感染させる可能性が少ないと判断されるときには、通院による外来治療が原則です。症状が強く、痰の中に多量の結核菌が含まれている場合には、入院が必要となります。

結核は、咳をしたときに飛ばす飛沫(口から飛び散る水滴)の中に含まれる結核菌を吸い込むことで、人から人へ感染する病気です。しかし、痰に結核菌が多量に出ていなければ、伝染力は強くありません。

新しいタンパク質「心臓特異的ミオシンキナーゼ」を発見

血液を全身に送り出すポンプとしての心臓の働きを調節する新しいたんぱく質を国立循環器病センターの北風政史・心臓血管内科部長らが発見し、米医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション」の電子版に発表した。
心臓の働きが弱っている患者用に、副作用がほとんどない治療薬を開発できる可能性があるという。

研究グループは、重症の心不全患者12人から同意を得たうえで心筋組織の一部を採取し、そこで働く遺伝子を調べた。その結果、筋肉を構成する主要なたんぱく質であるミオシンの一部に作用して筋収縮を起こすたんぱく質を見つけ、「心臓特異的ミオシンキナーゼ」と名付けた。

拡張型心筋症の患者は、このたんぱく質の量が少なく、ラットなどの動物実験で、このたんぱく質を作る遺伝子の働きをおかしくすると、筋組織の構造が乱れ心臓が拡大した。心臓の形を整える役割も持つと考えられる。(YOMIURI ONLINE)

拡張型心筋症について
血液を送り出す心室の内腔が拡大し、心筋の収縮力が低下するために血液を送り出しにくくなり、しばしばうっ血性心不全を起こすほか、不整脈や血液のかたまりが血管内に詰まる塞栓症を伴うこともあります。
症状としては、動悸や疲労感、呼吸困難、むくみ、胸部圧迫感、不整脈などを生じます。

治療では、血管拡張作用とともに、心筋の働きを改善することで延命効果が期待できるACE阻害薬やβ-遮断薬が使われます。拡張型心筋症は、血液のうっ滞が起こりやすいので、血栓(血のかたまり)ができるのを防ぐための抗凝固薬も使われます。

卵子を試験管で培養する体外受精治療法を開発

体内から採取しておいた卵巣組織サンプルをもとに、卵子を試験管で培養するという体外受精治療のまったく新しい方法を英国の不妊治療クリニックが開発した。
5年後には実用化の見通しで、女性が卵巣組織をクリニックに保存しておいて、妊娠時期を選択することができるようになる。場合によっては生命の危険もある卵巣過剰刺激症候群など、従来の体外受精治療に伴うリスクを排除することもできるという。

手術の方法は、体に小さな穴を開けて数千個の未成熟な卵子を含む卵巣組織の裂片を採取し、それを冷凍保存する。その後ホルモン系化学物質を用いて未成熟な卵子を成熟化させ、体外受精に適したものにするというもの。

「女性の体にほとんどリスクを与えずに無数の卵子のプールを採取できる上、投与する薬などの点で比較的低コストで実現する」と、この方法を開発したアラン・ソーンヒル氏。

「これまでの体外受精のように最高で10個ぐらいの卵子をもとに体外受精を行う代わりに、無数の卵子を卵巣過剰刺激症のリスクを冒すことなく採取できる。これまで必要だった手続きを省くことで女性には大きな利益となるはず」としている。(AFPBB)

卵巣過剰刺激症候群とは?
排卵誘発剤の注射などによって、多数の卵胞がいっしょに大きくなるために起こる副作用のことです。卵巣過剰刺激症候群の主症状は卵巣の腫れ、嘔吐、下痢などがあげられます。
重症の場合は血栓症などを引き起こすので注意が必要です。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の患者が増加中

肝炎や肝硬変はお酒をたくさん飲む人の病気と考えられていた。しかし、最近はお酒をあまり飲まない人の脂肪肝も増え、メタボリックシンドロームとの関係が注目されている。東京で開かれた日本肝臓学会では、生活習慣病と肝疾患のシンポジウムが開催された。

鹿児島厚生連病院の今村也寸志総合内科部長は同病院健康管理センターの人間ドック受診者(三十〜七十四歳)のデータを報告した。
男性の脂肪肝は一九九五年の22%から2000年33%、2005年38%と増加。女性は13%から2000年に21%に増え、2005年は横ばいで、男女ともここ十年でほぼ倍増している。

脂肪肝がある人には肥満が多い。ところが、男性の体格指数(BMI)を2000年と2005年で比較すると、肥満の割合には差はなく、体脂肪率が増加していた。
今村部長は「最近の脂肪肝の増加は肥満だけでなく、不規則な食生活と運動不足による内臓脂肪の増加、筋肉量の減少も関与しているとみられる」と分析した。

脂肪肝の中でも、お酒を飲まない、あるいはあまり飲まない人の脂肪肝が「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」だ。西原利治高知大准教授は「国内の成人の8%がNAFLDと推定される」と指摘した。

NAFLDは、一日の飲酒量がアルコール換算で二十グラム(日本酒一合、ビール中瓶一本程度)以下と少なく、B型やC型肝炎ウイルスの感染もないのに、肝臓に中性脂肪が過剰にたまった脂肪肝の状態。

脂肪肝について
肝臓の30%以上の肝細胞に中性脂肪がたまった状態です。日本人では肥満、アルコール、糖尿病が脂肪肝の3大原因です。そのほか副腎皮質ホルモンなどによる、薬剤性、クッシング症候群、栄養不足などによっても起こります。

自覚症状がほとんどないため、定期健診などで偶然発見されることが多いようです。診断には血液検査だけでは不十分なので、もっとも有効な腹部の超音波検査を併せて行います。

脂肪肝の治療の基本は、禁酒・食事療法。適度な運動です。食事は摂取エネルギーを制限し、タンパク質やビタミンB・Cを十分にとるようにします。肥満が原因の人は、それと合わせて運動習慣を身につけ、エネルギー消費と筋力強化に努めます。糖尿病の人は治療を受け、血糖値をコントロールします。

薬剤耐性マラリアに有効な物質を確認:特効薬の開発に期待

岡山大大学院医歯薬学総合研究科の綿矢有佑教授(薬学)のグループが、薬剤耐性のあるマラリアに有効な物質の開発に成功したと発表した。09年から臨床試験を実施する。
この物質を使った新薬が開発、量産されれば、1錠数十円程度での提供も可能という。

マラリアは熱帯・亜熱帯のハマダラ蚊を媒介してマラリア原虫が体内に入り、発熱や貧血などを起こす感染症。重症化すると死亡する。治療には「クロロキン」などの特効薬があるが、1955年ごろから、薬剤耐性を持つマラリアが現れるようになった。

綿矢教授らは、5000の化合物で実験した際、炭素、酸素、水素が結びついた「環状過酸化化合物」の一種に、マラリア原虫を死滅させる効果があることを確認。薬剤耐性を持つマラリアに感染させたネズミなどで実験したところ完治し、副作用もみられなかった。

綿矢教授は「被害はアフリカなどの発展途上国に多い。少しでも安価な治療薬の開発につなげたい」と話している。(毎日新聞)

マラリアについて
マラリア原虫がいるハマダラ蚊に刺されると、マラリア原虫が体内に入り繁殖して赤血球を破壊します。症状としては、1ヶ月以内の潜伏期間を経て、発熱、貧血、脾臓の腫れが起きます。

ときに異常高熱、意識障害、けいれん、腎不全、脳炎、心不全などといった生命にかかわる合併症が起きることがあります。

早期に適切な治療をすれば治る病気です。マラリア原虫に対してはキニーネ、クロロキンなどを服用します。

向精神薬「リタリン」:ノバルティスがうつ病を適応症除外へ

依存性の高い向精神薬「リタリン」の乱用が広がっている問題で、製造・販売元のノバルティスファーマが、適応症から難治性・遷延性うつ病を削除する方向で検討していることが分かった。
ノバルティス社は関係学会や厚生労働省の了解が得られ次第、同省薬事・食品衛生審議会に自主的に削除を申請する方針。

リタリンは中枢神経興奮剤「塩酸メチルフェニデート」の商品名。1958年の販売開始以来、軽いうつ病に使われていたが、食欲抑制効果があるため、依存が社会問題化。旧厚生省は98年、通常の抗うつ薬では効果が不十分な難治性・遷延性うつ病に適応症を限定した。

しかし、インターネットの普及などで十分な診察もせずにリタリンを処方する医療機関の情報が簡単に手に入るようになったことを背景に、その後も依存者が急増。
また、国立精神・神経センター(東京都小平市)の調査で、リタリンを乱用して依存症などの副作用で入・通院したケースが06年度、精神科病床を持つ全国の医療施設で15例に上り、2年前の約2倍になったことが明らかになっていた。

うつ病が削除されれば、リタリンの適応症は「ナルコレプシー」(睡眠障害)だけとなる。この病気の患者は国内で約20万人程度と推計され、診断も脳波などの厳格な検査が必要なため、医療関係者は「うつ病を適応症から外せばリタリンの乱用は激減する」と期待している 。(毎日新聞)

うつ病について
うつ病という病名から感情面のみの病気と思われがちですが、実際は身体症状も現れるのが特徴です。1日中、気分の落ち込みがありますが、とくに朝方にひどく、夕方にかけて軽くなっていく傾向があり、これを日内変動といいます。

睡眠障害はほとんどの患者が訴える症状で、全く眠れない、寝ついてもすぐに目が覚める、朝早く目が覚めるなどのタイプがあります。食欲も低下し、味気なく感じます。そのため、体重減少が見られることもあります。睡眠欲と食欲は、逆に異常に高まり、仮眠や過食になる人もいます。
そのほか、性欲減退、疲労・倦怠、頭痛、めまい、便秘・下痢などもみられます。

精神的症状としては、決断力が鈍り、仕事に対する医薬や趣味に対する興味もわかなくなります。気持ちが落ち着かなくなり、イライラして焦りや不安も強くなります。
動作は緩慢になり、ひどくなると、意識があるのに身動きができなくなることもあります。
また、罪悪感は特徴的な症状で、自分のことを責める気持ち(自責感)が強くなります。

メノポーズ世代の更年期障害治療薬「ル・エストロジェル」が発売

バイエル薬品は、メノポーズ世代と呼ばれる閉経10年前後の中年女性に特有の更年期障害を改善する医療用医薬品「ル・エストロジェル」を発売した。国内初のエストラジオール外用ゲル剤。1日1回腕に塗って体内に女性ホルモンを補給し、更年期障害を改善するという。

「ル・エストロジェル」の有効成分は天然型のエストロゲンで生体内で活性が高いとされる。資生堂が開発し、2006年に厚労省の製造販売承認を取得。バイエル薬品は同社と共同事業契約を結び、国内では独占販売する。

日本では約2000万人のメノポーズ世代の女性がおり、その多くはエストロゲンの欠乏によるほてりやのぼせなどの血管運動神経症状に苦しんでいるという。

30gと80gの2タイプがあり、どちらも皮膚刺激の少ないジェル剤。プッシュ式のボトルに入っており、一定量が簡単に取り出せる。医師の処方が必要だが、薬価収載されていないため、公定価格がなく自由価格での販売になる。(くまにち)

更年期障害について
女性は、40歳半ばくらいから、さまざまな体の変化を感じるようになります。
おもに月経が不規則になる、顔や体がほてる、腰や手足は冷える、イライラしたり気分が落ち込む、また、眠れない、頭痛がするなどです。

こうした体の変調で「更年期」の始まりを自覚することになります。
更年期とは、医学的には、閉経前後の計10年くらいをいい、閉経とは、女性ホルモン(エストロゲン)をつくっていた卵巣が衰え、その働きを止めた状態です。

エストロゲンが減ることにより、さまざまな影響、つまり更年期の症状が出てくるわけです。日常生活にも影響するようなひどい症状が出る場合、それを更年期障害といいます。

武田薬品「アクトス」が糖尿病患者の心臓発作や脳卒中のリスク軽減

武田薬品工業の糖尿病治療薬「アクトス」は、糖尿病患者の心臓発作や脳卒中のリスクを軽減させたことが、保険金請求数千件を対象にした調査で分かった。調査は武田が資金提供したもので、19日開かれた会合で発表された。

それによると、アクトスの服用により心臓発作の確率は38%、脳卒中の確率は20%それぞれ低下した。またアクトスは、競合する英グラクソ・スミスクラインの「アバンディア(一般名ロシグリタゾン)」よりも心臓発作による入院のリスクが22%低いことも分かったという。

アバンディアが糖尿病患者の心臓発作リスクを40%強高めたとする研究報告が今年、医学誌に掲載されて以来、武田はアバンディアから市場シェアの獲得を目指している。
医学誌ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(JAMA)などほかの研究では、アクトスは一部の病気から心臓を守る可能性も示唆された。(Bloomberg)

糖尿病とは?
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、インスリンの作用が低下する病気です。インスリンには、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギー源として筋肉に蓄えたり、脂肪として長期的に貯蔵するのを促進するはたらきがあります。

インスリンの作用が低下すると、血液中のブドウ糖が細胞で利用されないため、血液中の濃度が上昇し(血糖値が上がり)、尿中にも糖が混じるようになります。

糖尿病が進行すると、細小血管がおかされ、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの合併症が現れます。また、メタボリック症候群と呼ばれる病態に加え、禁煙などの危険因子が重なると、動脈硬化を基盤とした大血管障害を合併し、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。

うつ病治療薬「パキシル」を社会不安障害へ適用追加申請

英系製薬会社のグラクソ・スミスクライン(東京)は、販売中のうつ病薬「パキシル」を社会不安障害(SAD)にも使えるように承認申請したと発表した。薬の対象患者を増やして、処方の拡大を狙う。

社会不安障害(SAD)は人前で注目が集まるような状況で、強い不安や恐怖を感じる病気。米国では13.3%の人が一生に一度は病気になると言われている。
国内の推定患者数は不明だが、潜在する患者は多いとしている。(NIKKEI NET)

社会不安障害(SAD)について
他者と接することに対して予期恐怖を感じ、なんとか回避しようとします。また、人から注目されるような状況(結婚式のスピーチや会議の席など)に置かれると、恐怖のあまりにパニック発作を起こすこともあります。

このようなことから、学校や会社に行けなくなり、ひどくなると家から出られなくなり、さらにはうつ状態に陥って、社会的機能が著しく低下することになります。

赤面恐怖(人前で緊張して顔が赤くなることに対する恐怖)、視線恐怖(自分の視線や人の視線を恐れる)、自己臭恐怖なども含まれます。

小林製薬の肥満改善薬「ナイシトール85」に大容量サイズ

小林製薬は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に関心の高い男性向けに、内容量を倍増させた肥満改善薬「ナイシトール85大容量」を発売した。昨年3月に発売した従来品の初年度売上高が当初予想の約8倍の35億円と好調で、リピーターが約7割に達したことが分かったため、大容量タイプを投入することにした。

従来品は180錠で希望小売価格が2940円だったのに対し、大容量タイプは360錠で5460円。1日量(12錠)で換算すると約13円割安になる。

同社は、2006年度に108億円だった肥満対策薬の国内市場が、今年度は180億円に拡大すると予想。ナイシトール85の売上高は40億円超を目指す。

ナイシトール85の中身は防風通聖散。厚生労働省が認めた効能・効果の一部を使った「おなかの脂肪が多い方に」というキャッチコピーをパッケージに大きく打ち出している。

メタボリックシンドロームへの関心が全国的に高まったこともあり、昨年度は生産が追いつかないこともあった。(FujiSankei Businessi)

メタボリック・シンドロームについて
生活習慣病のなかの、内臓脂肪蓄積型肥満、脂質代謝異常、高血圧、糖代謝異常の4つは、とくに「メタボリックシンドローム」と呼ばれ、これらの要素が複数合併すると、それぞれが軽症でも動脈硬化が加速され、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まってきます。

メタボリックシンドロームを改善するためには、高エネルギー、高脂肪の食事を控え、運動に努めて、へそ周りのウエスト周囲径、つまり内臓脂肪を減らすことが大切です。

携帯電話の電波が脳細胞の分裂に影響か:イスラエル研究機関

イスラエルのワイツマン科学研究所が発表した調査によると、たとえ低レベルのものでも携帯電話が発する電波に脳がさらされた場合、脳細胞の分裂を妨げる可能性があることが分かった。
携帯電話を10分でも利用するとがんに関連する影響を脳に与える可能性があるという。

だが研究者は、「携帯電話の発する電波とがんとの間に明確な関連性があることを裏付ける決定的証拠を見出したわけではない。ある特定の細胞が携帯電話の電波に反応することを示唆しているだけ」としている。専門家は、携帯電話利用の影響により「がんにつながる可能性は低い」とコメントしている。

携帯電話ががんを引き起こす可能性があるとする調査が出たのは、これがはじめてではない。2006年には、米食品医薬品局が携帯電話の安全性について、スウェーデン国立研究所が行った調査結果に基づき報告をまとめるとしている。
スウェーデン国立研究所の調査は脳腫瘍のリスクに関する懸念を高めたもので、研究者は、携帯電話をよく利用する人のがん性の腫瘍が大きくなる危険性を見つけ出した。

脳腫瘍について
頭蓋内に発生する主要の総称で、脳組織そのものに発生する原発性脳腫瘍と、ほかの臓器から転移する転移性脳腫瘍に大別され、原発性脳腫瘍はさらに良性と悪性に分けられます。

良性腫瘍には髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腺腫などがあります。悪性腫瘍の大半は神経膠細胞から発生するグリオーマ(神経膠腫瘍)です。

すべての脳腫瘍に共通してみられる症状は、頭痛、吐き気、そのほかに腫瘍のある部位によって多様な局所症状(けいれん、手足の運動麻痺や知覚障害、視野狭窄、記憶力の低下など)が現れます。

診断では、症状に対する問診や頭部CT検査がまず行われます。さらに、頭部MRIで詳しく調べ、必要に応じて、眼底検査、脳血管造影、腫瘍マーカー(血液検査)などを行い、診断を確定します。

脳腫瘍の治療ですが、腫瘍が小さく、良性であれば、手術だけで治療できることもありますが、腫瘍が大きかったり、悪性である場合は、手術だけでなく、放射線療法、抗がん剤による化学療法、免疫療法などを組み合わせて治療します。

脳内物質のニューロメジンU(NMU)が骨密度もコントロール

食欲を抑制する働きがある脳内物質「ニューロメジンU(NMU)」が、骨密度の増減もコントロールしていることを、竹田秀・東京医科歯科大特任准教授(骨代謝)らの研究チームが発見した。
新たな骨粗しょう症治療薬の開発につながる可能性があり、16日付の米医学誌「ネイチャー・メディシン」電子版に掲載された。

竹田特任准教授らは、正常なマウスとNMUを持たないマウスの骨密度を比較。NMUを持たないマウスは正常マウスより、骨密度が腰椎で約24%、脛骨で約29%高かった。
NMUを持たないマウスの脳にNMUを投与すると、腰椎の骨密度は約20%減少したが、骨のもとになる「骨芽細胞」に直接NMUを投与しても変化はなかった。
このため、NMUが脳の中で作用すると、骨芽細胞になんらかの信号が送られ、骨の生成が抑制されると考えられるという。

骨粗しょう症患者は国内で少なくとも1100万人に上り、2050年には4500万人に達すると推測される。竹田特任准教授は「NMUが作用しないようにする薬が開発できれば、骨密度を増加させることができるのではないか」としている。(毎日新聞)

骨粗鬆症について
カルシウムが骨から溶け出し、骨密度が低下して骨がスカスカになるものです。X線検査をすると、骨に軽石のような細かい穴がいっぱい開いた状態になっています。
60歳以上の女性によく発生しますが、これは閉経によって女性ホルモンの分泌が減少して骨の形成が低下するのと、骨の吸収が亢進するためです。

また、男女とも老化するとビタミンDの代謝機能が衰えてカルシウムの吸収が悪くなり、骨を作る作用が低下します。そのほか、若い頃からの偏食や食事からのカルシウム不足、運動不足による筋力の低下も骨折の誘因となります。

関節リウマチや内科的な病気の治療のために、副腎皮質ステロイド約を長期間服用している場合も、骨粗鬆症の発症を促します。

薬剤耐性遺伝子:海洋細菌から人体へ移動も

抗生物質を効かないようにする薬剤耐性遺伝子は、自然界の海洋細菌から、人の体内にもいる大腸菌や腸球菌に移動しやすいことが分かった。耐性菌を含んだ生魚などを食べると、使ったことのない抗生物質でも効かなくなる可能性を示す結果だという。
松山市で開催中の日本微生物生態学会と国際微生物生態学シンポジウムアジア大会の合同学会で、愛媛大沿岸環境科学研究センターの鈴木聡教授らが17日、発表する。

実験では、魚の養殖でも利用される抗生物質の一つであるテトラサイクリンが効かなくなる耐性遺伝子を持った5種類の海洋細菌を使った。
これらの海洋細菌と、大腸菌や腸球菌を一緒に培養した。すると、細胞の膜構造が互いに似ている場合に、耐性遺伝子が大腸菌や腸球菌に取り込まれる確率は最高1000分の1程度あった。

似た細菌が接触して細菌間で遺伝子が移動する確率は、100万分の1から10万分の1程度だとされる。ところが、耐性遺伝子では100〜1000倍高い値になった。

鈴木教授は「環境中の菌から、人の体内の病原性の大腸菌などに耐性遺伝子が移ると、抗生物質が効かなくなる恐れがある」と話している。(asahi.com)

薬剤耐性菌
多くの細菌は抗生物質やサルファ剤などの化学療法剤によって発育・増殖が抑制(阻止)されますが、しばしば、本来有効とされる薬剤による阻止効果がみられなくなることがあります。これらの細菌をその薬剤の耐性菌といいます。

薬剤耐性は細菌自体がもっている仕組みで、化学療法剤の過剰投与によっておこる場合が多いですがが、細菌の細胞質内にある薬剤耐性因子(DNA)であるプラスミドが他の同種の細菌へ組み込まれて耐性菌になる場合もあります。
また、染色体性の自然耐性菌や染色体遺伝子の突然変異による耐性菌もあります。