メノポーズ世代の更年期障害治療薬「ル・エストロジェル」が発売

バイエル薬品は、メノポーズ世代と呼ばれる閉経10年前後の中年女性に特有の更年期障害を改善する医療用医薬品「ル・エストロジェル」を発売した。国内初のエストラジオール外用ゲル剤。1日1回腕に塗って体内に女性ホルモンを補給し、更年期障害を改善するという。

「ル・エストロジェル」の有効成分は天然型のエストロゲンで生体内で活性が高いとされる。資生堂が開発し、2006年に厚労省の製造販売承認を取得。バイエル薬品は同社と共同事業契約を結び、国内では独占販売する。

日本では約2000万人のメノポーズ世代の女性がおり、その多くはエストロゲンの欠乏によるほてりやのぼせなどの血管運動神経症状に苦しんでいるという。

30gと80gの2タイプがあり、どちらも皮膚刺激の少ないジェル剤。プッシュ式のボトルに入っており、一定量が簡単に取り出せる。医師の処方が必要だが、薬価収載されていないため、公定価格がなく自由価格での販売になる。(くまにち)

更年期障害について
女性は、40歳半ばくらいから、さまざまな体の変化を感じるようになります。
おもに月経が不規則になる、顔や体がほてる、腰や手足は冷える、イライラしたり気分が落ち込む、また、眠れない、頭痛がするなどです。

こうした体の変調で「更年期」の始まりを自覚することになります。
更年期とは、医学的には、閉経前後の計10年くらいをいい、閉経とは、女性ホルモン(エストロゲン)をつくっていた卵巣が衰え、その働きを止めた状態です。

エストロゲンが減ることにより、さまざまな影響、つまり更年期の症状が出てくるわけです。日常生活にも影響するようなひどい症状が出る場合、それを更年期障害といいます。

武田薬品「アクトス」が糖尿病患者の心臓発作や脳卒中のリスク軽減

武田薬品工業の糖尿病治療薬「アクトス」は、糖尿病患者の心臓発作や脳卒中のリスクを軽減させたことが、保険金請求数千件を対象にした調査で分かった。調査は武田が資金提供したもので、19日開かれた会合で発表された。

それによると、アクトスの服用により心臓発作の確率は38%、脳卒中の確率は20%それぞれ低下した。またアクトスは、競合する英グラクソ・スミスクラインの「アバンディア(一般名ロシグリタゾン)」よりも心臓発作による入院のリスクが22%低いことも分かったという。

アバンディアが糖尿病患者の心臓発作リスクを40%強高めたとする研究報告が今年、医学誌に掲載されて以来、武田はアバンディアから市場シェアの獲得を目指している。
医学誌ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(JAMA)などほかの研究では、アクトスは一部の病気から心臓を守る可能性も示唆された。(Bloomberg)

糖尿病とは?
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、インスリンの作用が低下する病気です。インスリンには、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギー源として筋肉に蓄えたり、脂肪として長期的に貯蔵するのを促進するはたらきがあります。

インスリンの作用が低下すると、血液中のブドウ糖が細胞で利用されないため、血液中の濃度が上昇し(血糖値が上がり)、尿中にも糖が混じるようになります。

糖尿病が進行すると、細小血管がおかされ、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの合併症が現れます。また、メタボリック症候群と呼ばれる病態に加え、禁煙などの危険因子が重なると、動脈硬化を基盤とした大血管障害を合併し、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。

うつ病治療薬「パキシル」を社会不安障害へ適用追加申請

英系製薬会社のグラクソ・スミスクライン(東京)は、販売中のうつ病薬「パキシル」を社会不安障害(SAD)にも使えるように承認申請したと発表した。薬の対象患者を増やして、処方の拡大を狙う。

社会不安障害(SAD)は人前で注目が集まるような状況で、強い不安や恐怖を感じる病気。米国では13.3%の人が一生に一度は病気になると言われている。
国内の推定患者数は不明だが、潜在する患者は多いとしている。(NIKKEI NET)

社会不安障害(SAD)について
他者と接することに対して予期恐怖を感じ、なんとか回避しようとします。また、人から注目されるような状況(結婚式のスピーチや会議の席など)に置かれると、恐怖のあまりにパニック発作を起こすこともあります。

このようなことから、学校や会社に行けなくなり、ひどくなると家から出られなくなり、さらにはうつ状態に陥って、社会的機能が著しく低下することになります。

赤面恐怖(人前で緊張して顔が赤くなることに対する恐怖)、視線恐怖(自分の視線や人の視線を恐れる)、自己臭恐怖なども含まれます。

小林製薬の肥満改善薬「ナイシトール85」に大容量サイズ

小林製薬は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に関心の高い男性向けに、内容量を倍増させた肥満改善薬「ナイシトール85大容量」を発売した。昨年3月に発売した従来品の初年度売上高が当初予想の約8倍の35億円と好調で、リピーターが約7割に達したことが分かったため、大容量タイプを投入することにした。

従来品は180錠で希望小売価格が2940円だったのに対し、大容量タイプは360錠で5460円。1日量(12錠)で換算すると約13円割安になる。

同社は、2006年度に108億円だった肥満対策薬の国内市場が、今年度は180億円に拡大すると予想。ナイシトール85の売上高は40億円超を目指す。

ナイシトール85の中身は防風通聖散。厚生労働省が認めた効能・効果の一部を使った「おなかの脂肪が多い方に」というキャッチコピーをパッケージに大きく打ち出している。

メタボリックシンドロームへの関心が全国的に高まったこともあり、昨年度は生産が追いつかないこともあった。(FujiSankei Businessi)

メタボリック・シンドロームについて
生活習慣病のなかの、内臓脂肪蓄積型肥満、脂質代謝異常、高血圧、糖代謝異常の4つは、とくに「メタボリックシンドローム」と呼ばれ、これらの要素が複数合併すると、それぞれが軽症でも動脈硬化が加速され、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まってきます。

メタボリックシンドロームを改善するためには、高エネルギー、高脂肪の食事を控え、運動に努めて、へそ周りのウエスト周囲径、つまり内臓脂肪を減らすことが大切です。

携帯電話の電波が脳細胞の分裂に影響か:イスラエル研究機関

イスラエルのワイツマン科学研究所が発表した調査によると、たとえ低レベルのものでも携帯電話が発する電波に脳がさらされた場合、脳細胞の分裂を妨げる可能性があることが分かった。
携帯電話を10分でも利用するとがんに関連する影響を脳に与える可能性があるという。

だが研究者は、「携帯電話の発する電波とがんとの間に明確な関連性があることを裏付ける決定的証拠を見出したわけではない。ある特定の細胞が携帯電話の電波に反応することを示唆しているだけ」としている。専門家は、携帯電話利用の影響により「がんにつながる可能性は低い」とコメントしている。

携帯電話ががんを引き起こす可能性があるとする調査が出たのは、これがはじめてではない。2006年には、米食品医薬品局が携帯電話の安全性について、スウェーデン国立研究所が行った調査結果に基づき報告をまとめるとしている。
スウェーデン国立研究所の調査は脳腫瘍のリスクに関する懸念を高めたもので、研究者は、携帯電話をよく利用する人のがん性の腫瘍が大きくなる危険性を見つけ出した。

脳腫瘍について
頭蓋内に発生する主要の総称で、脳組織そのものに発生する原発性脳腫瘍と、ほかの臓器から転移する転移性脳腫瘍に大別され、原発性脳腫瘍はさらに良性と悪性に分けられます。

良性腫瘍には髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腺腫などがあります。悪性腫瘍の大半は神経膠細胞から発生するグリオーマ(神経膠腫瘍)です。

すべての脳腫瘍に共通してみられる症状は、頭痛、吐き気、そのほかに腫瘍のある部位によって多様な局所症状(けいれん、手足の運動麻痺や知覚障害、視野狭窄、記憶力の低下など)が現れます。

診断では、症状に対する問診や頭部CT検査がまず行われます。さらに、頭部MRIで詳しく調べ、必要に応じて、眼底検査、脳血管造影、腫瘍マーカー(血液検査)などを行い、診断を確定します。

脳腫瘍の治療ですが、腫瘍が小さく、良性であれば、手術だけで治療できることもありますが、腫瘍が大きかったり、悪性である場合は、手術だけでなく、放射線療法、抗がん剤による化学療法、免疫療法などを組み合わせて治療します。

脳内物質のニューロメジンU(NMU)が骨密度もコントロール

食欲を抑制する働きがある脳内物質「ニューロメジンU(NMU)」が、骨密度の増減もコントロールしていることを、竹田秀・東京医科歯科大特任准教授(骨代謝)らの研究チームが発見した。
新たな骨粗しょう症治療薬の開発につながる可能性があり、16日付の米医学誌「ネイチャー・メディシン」電子版に掲載された。

竹田特任准教授らは、正常なマウスとNMUを持たないマウスの骨密度を比較。NMUを持たないマウスは正常マウスより、骨密度が腰椎で約24%、脛骨で約29%高かった。
NMUを持たないマウスの脳にNMUを投与すると、腰椎の骨密度は約20%減少したが、骨のもとになる「骨芽細胞」に直接NMUを投与しても変化はなかった。
このため、NMUが脳の中で作用すると、骨芽細胞になんらかの信号が送られ、骨の生成が抑制されると考えられるという。

骨粗しょう症患者は国内で少なくとも1100万人に上り、2050年には4500万人に達すると推測される。竹田特任准教授は「NMUが作用しないようにする薬が開発できれば、骨密度を増加させることができるのではないか」としている。(毎日新聞)

骨粗鬆症について
カルシウムが骨から溶け出し、骨密度が低下して骨がスカスカになるものです。X線検査をすると、骨に軽石のような細かい穴がいっぱい開いた状態になっています。
60歳以上の女性によく発生しますが、これは閉経によって女性ホルモンの分泌が減少して骨の形成が低下するのと、骨の吸収が亢進するためです。

また、男女とも老化するとビタミンDの代謝機能が衰えてカルシウムの吸収が悪くなり、骨を作る作用が低下します。そのほか、若い頃からの偏食や食事からのカルシウム不足、運動不足による筋力の低下も骨折の誘因となります。

関節リウマチや内科的な病気の治療のために、副腎皮質ステロイド約を長期間服用している場合も、骨粗鬆症の発症を促します。

薬剤耐性遺伝子:海洋細菌から人体へ移動も

抗生物質を効かないようにする薬剤耐性遺伝子は、自然界の海洋細菌から、人の体内にもいる大腸菌や腸球菌に移動しやすいことが分かった。耐性菌を含んだ生魚などを食べると、使ったことのない抗生物質でも効かなくなる可能性を示す結果だという。
松山市で開催中の日本微生物生態学会と国際微生物生態学シンポジウムアジア大会の合同学会で、愛媛大沿岸環境科学研究センターの鈴木聡教授らが17日、発表する。

実験では、魚の養殖でも利用される抗生物質の一つであるテトラサイクリンが効かなくなる耐性遺伝子を持った5種類の海洋細菌を使った。
これらの海洋細菌と、大腸菌や腸球菌を一緒に培養した。すると、細胞の膜構造が互いに似ている場合に、耐性遺伝子が大腸菌や腸球菌に取り込まれる確率は最高1000分の1程度あった。

似た細菌が接触して細菌間で遺伝子が移動する確率は、100万分の1から10万分の1程度だとされる。ところが、耐性遺伝子では100〜1000倍高い値になった。

鈴木教授は「環境中の菌から、人の体内の病原性の大腸菌などに耐性遺伝子が移ると、抗生物質が効かなくなる恐れがある」と話している。(asahi.com)

薬剤耐性菌
多くの細菌は抗生物質やサルファ剤などの化学療法剤によって発育・増殖が抑制(阻止)されますが、しばしば、本来有効とされる薬剤による阻止効果がみられなくなることがあります。これらの細菌をその薬剤の耐性菌といいます。

薬剤耐性は細菌自体がもっている仕組みで、化学療法剤の過剰投与によっておこる場合が多いですがが、細菌の細胞質内にある薬剤耐性因子(DNA)であるプラスミドが他の同種の細菌へ組み込まれて耐性菌になる場合もあります。
また、染色体性の自然耐性菌や染色体遺伝子の突然変異による耐性菌もあります。

「MESACUP anti-p53 テスト」:血液検査で早期がんを発見

千葉大大学院医学研究院の落合武徳前教授らの研究グループが、血液検査で早期がんを発見できる新たな診断法を開発した。
厚生労働省は食道がん、大腸がん、乳がんについてこの診断法を使った検査薬「MESACUP anti-p53 テスト」を承認し、検査薬が発売された。年内にも保険が適用される見込みで、人間ドックなどでの普及が期待されている。

新診断法は人体の免疫反応を利用。体内のがん抑制遺伝子「p53」が突然変異して産出される異常な「p53たんぱく質」に対して人体が作り出す抗体を測定する。

正常なp53たんぱく質が遺伝子の損傷を修復するなどの働きを持つ一方、異常なp53たんぱく質はそれらの機能を失っているため、遺伝子に損傷のある細胞が増殖してがんになると考えられている。

ある研究データによると、食道がん患者の62%、大腸がん患者の59%の体内で異常なp53たんぱく質の過剰発生が確認されており、それに対して体が作り出す抗体を測定すれば、がんの有無を一定の確率で予測できるという。

従来の血液検査によるがん診断法では、がん細胞が産出するたんぱく質自体を検出・測定してきたが、「陽性」が明らかになった時点では既に進行がんとなっているケースがほとんどだった。

しかし新診断法は、わずかながん抗原に対しても出現する抗体を測定するため、早期がんの診断がある程度可能だという。(産経新聞)

大腸がんについて
大腸がんは肺がんと並んで、増加傾向の著しいがんで、毎年約6万人が罹患しています。大腸がんによる死亡は、男性では肺がん、肝臓がんに次いで3番目、女性では1番目になると推定されています。

大腸がん特有の症状はありませんが、血便や残便感、腹痛、便が細くなる(便柱細少)、下痢と便秘の繰り返しなど排便に関する症状がよくみられます。
これらの症状はS状結腸にがんができた場合にみられやすく、なかでも血便の頻度が高くなっています。血便は痔と勘違いして受診が遅れることが多いので注意しましょう。

大腸がんは、早期であればほぼ100%完治します。ただ、一般的には自覚症状に乏しいため、症状のない早期のうちに発見することが重要です。

順天堂大学病院が「がん治療センター」を新設

順天堂大病院(東京)は18日、「がん治療センター」を新設する。がんの種類による専門診療科ごとの縦割り体制を改め、検査から診断、治療、さらに緩和ケアまで一貫した診療体制を確立する。

センターは11診療科の専門医のほか、重症集中ケア、ホスピスケア、床ずれなどの専門看護師、臨床心理士らで構成。再発、転移後など行き場を失った患者が“がん難民”とならないよう、センターが患者の要望に沿った総合的な対処方法を示して各科との連携、調整を図っていく。

また、医学的説明から地域の医療機関の紹介まですべての相談に専門医が当たる「予約有料外来」(30分1万500円)も設置される。鶴丸昌彦副院長は「患者さんを中心に様々の分野を組み合わせた診療とともに、がん予防、地域の医療従事者の研修や情報提供を目指す」と話している。(YOMIURI ONLINE)

がん治療センターにおけるがん医療の要点
外来化学療法
患者さんが自宅にいながら比較的自由に社会生活を維持され、本格的な治療が受けられます。

専門医によるチーム医療
各領域の専門医が最新の技術と知恵をもって患者さんに安全でベストな治療をチームで行います。

がんの早期発見
がんの発見は、患者さんの身体の異常から始まります。自覚的な異常や他覚的な所見を専門的に診て、常にがんの早期発見に力を注ぎます。

がん登録
各種がんの発生状況や治療成績を基に、治療法の検討やがんによる死亡率を減少させるため、国立がんセンターが中心となって地域がん登録が行われています。
当センターでも医師と専任の事務職員が登録の作業に当たります。個人情報の保護については、万全を期して守ります。

セカンド・オピニオン対応
患者さんが現在受けている治療について、検証してほしいとの要望を受けた場合、受診していただき、現在の主治医の意見を聞き、正しい判断と情報を患者さんにお渡しします。その後も適切な治療が進められるよう対応いたします。

緩和ケア
がんの治療を受けながら、その人らしい生活が継続し、QOL(生活・生命の質)を高められるよう支援します。そのために、がん治療の専門診療科とともに、痛み、嘔気嘔吐・息苦しさなどの身体症状の緩和や、不安やイライラなどの心のケア、家族の方からの相談、在宅ケアや緩和ケア病棟など療養場所に関する相談などをお受けし対応します。

特定健康診査の費用は医療費控除へ:厚生労働省

厚生労働省は2009年度の税制改正として、特定健康診査・特定保健指導に係る費用の医療費控除を決定した。具体的には、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、医療保険者が平成20年度から行うメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診・保健指導(特定健康診査・特定保健指導)に係る費用の自己負担分を、医療費控除の対象とした。

メタボリックシンドロームは、肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の原因である『内臓脂肪型肥満』によってさまざまな病気が引き起こされやすくなった状態をいい、放置し続けると心疾患、脳卒中、糖尿病合併症へと発展する。

厚生労働省の調査では、高血圧患者数は3900万人、高脂血症は2200万人、糖尿病(予備軍を含め)は1620万人、肥満症は468万人といわれている。

メタボリック症候群
生活習慣病には高血圧、糖尿病、高脂血症などがあります。これらの疾患は内臓に脂肪が蓄積した肥満が原因であるとされ、内臓脂肪によりさまざまな病気が引きおこされる状態をメタボリック症候群といいます。

高血圧、高脂血症、糖尿病などひとつひとつの症状は軽くても、複合すると心筋梗塞や脳梗塞のリスクが急激に増大することから注目されています。
診断基準の必須項目としてウエスト径があり、男性85センチ以上、女性90センチ以上がメタボリック症候群を診断する際の目安となります。

妊婦の救急医療システム、半数の地域で不十分:日本産婦人科医会

奈良県の妊婦が先月29日、救急搬送の受け入れを9病院で断られて死産した問題を受け、日本産婦人科医会が各都道府県の周産期救急医療の現状を調べたところ、救急システムは約9割の地域で整備されているが、十分機能している地域は全体の半数に過ぎないことがわかった。

調査は、同医会の47都道府県支部長あてにアンケート形式の文書で行った。回答のあった44都道府県の記述式回答を同医会が分類した結果、周産期救急医療システムが「整備されている」と答えた都道府県は38(86%)だった。
ところが、妊婦の受け入れなどについて「問題なく機能している」と答えたのは21(48%)でおよそ半数。夜間については、「整備されている」との回答は34(77%)に下がった。

また、受け入れ可能な施設などに関する情報を集中管理するコントロールセンターが整備されている地域は11(25%)にとどまり、奈良県のように、救急車と医療施設がその都度、連絡を取り合って搬送先を決めているケースが過半であることも明らかになった。

同医会は「おおむね全国的にシステムは整備されてきたが、人手不足で機能していない地域も多い。回答を詳しく分析して、各地の状況を的確に把握していきたい」としている。(YOMIURI ONLINE)

周産期医療とは?
周産期とは妊娠後期から新生児早期までのお産にまつわる時期を一括した概念をいい、 この時期に母体、胎児、新生児を総合的に管理して母と子の健康を守るのが周産期医療です。

周産期医療を行う施設は、妊娠の異常、分娩期の異常、胎児・新生児の異常に適切に対処するために産科医と小児科医が協力し、 その他の医療スタッフとの連携医療が必要な高度専門医療施設です。

集中治療が必要なハイリスク妊娠・分娩には、いつどこで生まれても最適な医療が受けられる周産期医療体制が必要です。

ジェネリック医薬品の普及へ国立医薬品食品衛生研究所を設立

厚生労働省は後発医薬品(ジェネリック)の普及を目指して来年度から、品質管理の強化に乗り出す。特許切れの薬を別のメーカーがつくる後発薬は、安価で医療費抑制につながると期待されているが、品質への不安などからシェアが伸び悩んでいる。
同省は、品質の苦情などがあった後発薬について、科学的に検証する検討会を国立医薬品食品衛生研究所(東京)に設け、医師や患者の不安解消をめざす。

「後発医薬品品質情報検討会」は、研究所内に大学教授や製薬会社関係者ら約10人でつくる。後発薬の品質について医師や患者から苦情が寄せられたり、学会や論文で疑問が出されたりした際、その内容を科学的に検証し、回答する。必要に応じて品質試験も行う。

また、これまで原則都道府県が行ってきた後発薬の製造工場への立ち入り検査に、来年度からは国も乗り出す。

国内の04年度の後発薬シェア(数量ベース)は16.8%で、米国の56%、英国の49%などと比べると著しく低い。処方する医師や患者の一部に、品質への不安が残ることが背景にあるとみられる。

同省は後発薬について「厳しい審査を経て承認しており、安全性や効果が先発薬に劣るわけではない」(審査管理課)との立場だが、苦情などを科学的に検証する仕組みができれば、医師や患者の安心につながり、普及に弾みがつくと判断した。

政府は後発薬の数量シェアを12年度までに30%にする目標を掲げる。厚労省は目標のペースで普及すれば、医療費の国庫負担を年間約200億円削減できると試算する。(asahi.com)

ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは?
製造方法などに関する特許権の期限が切れた先発医薬品について、特許権者でない医薬品製造企業がその特許内容を利用して製造した、同じ主成分を含んだ医薬品を指します。

新薬(先発医薬品)の開発には巨額の費用と膨大な時間を必要とするため、開発企業(先発企業)は新薬の構造やその製造方法、構造などについて特許を取得して、自社が新規に開発した医薬品の製造販売を独占し、価格を高く設定して投下した資本の回収を図ります。

しかし、特許権の存続期間が満了、または再審査期間が終了すると、他の企業(後発企業)も特許使用料を支払うことなく先発医薬品と同じ主成分を有する医薬品(=後発医薬品)を製造販売ができるようになります。

環境省が大気汚染と喘息のリスクを大規模調査へ

幹線道路に近く自動車の排ガスによる大気汚染が激しい地域に暮らすことで、呼吸器疾患のリスクがどのぐらい高まるかを調べるため、環境省は今冬から二十数万人の成人を対象に大規模な疫学調査をする。同省によると、これほどの規模の調査は世界的にも例がないという。

同省が11日発表した計画によると、関東、中京、関西の6都府県の9市区で、交通量の多い国道や高速道路など沿いに住む40〜74歳の二十数万人を対象に、10年度まで続ける。

質問票で健康状態などを調べ、排ガスの指標となる、すす成分の元素状炭素(EC)や窒素酸化物(NOX)などにどれだけさらされているかを算出し、ぜんそく症状との関連を評価する。
一部の人については慢性閉塞性肺疾患(COPD)との関係も調べる。(asahi.com)

ぜんそくについて
呼吸困難に陥り、息づかいも荒く、呼吸のたびにゼーゼーと音を立てる発作を起こす病気です。咳と痰も出ます。発作は何時間か経つと自然におさまります。
発作中はとても苦しいのですが、いったん発作がおさまると、健康な人と見分けがつかないほど元気です。こういった状態を何年にもわたって繰り返します。

ぜんそく発作はアレルゲン(ちりやほこり、ダニなど原因となる物質)の吸入とは別に風邪をひくこと、天候(とくに寒冷)の影響、過労、運動、薬の服用、精神的ストレスなども誘因となります。

36時間持続のED治療薬「シアリス」が発売へ

日本イーライリリーが12日から、勃起不全(ED)治療薬「シアリス」を発売する。最大の特徴は、効果がこれまでの治療薬の9倍に当たる約36時間続き、服用のタイミングを計らずに済む点。

シアリスは03年に欧米で発売され、06年の売上高は約1100億円。性的刺激があれば約36時間、効果が持続。従来の治療薬のように、脂の強い食事を取ると効き目が弱まることもない、という。

使うには医師の処方が必要。自由診療のため費用は医療機関により異なるが、初診で数錠を処方される場合なら1万円以上かかりそうだ。

ED治療薬は国内で99年にファイザーのバイアグラ、04年にバイエルのレビトラが発売された。世界の市場規模は06年で3500億円で、現在のシェアはファイザーが約50%、イーライリリーが33%、バイエルが17%とみられる。(YOMIURI ONLINE)

ED(勃起不全)について
ED(勃起不全)とは陰茎が十分に勃起しないため、性行為が満足に行なえない状態です。
身体的な原因としては、先天性・後天性の陰茎の形体異常、男性ホルモンの不足による発育異常、脳・脊髄の病気による勃起不全などがあります。糖尿病が十分に治療されずに数年以上経過したり、重症になるとEDになることがしばしばあります。

しかしながら、EDを訴える人の多くは、身体の病気は見つからず、いわゆる心因性であることが多いようです。特に新婚の場合は、精神的な原因によって不能になることが多く、過労、心配、早漏による自信喪失なども原因となります。

アルツハイマー病の原因物質生成に関与する受容体を特定

熊本大学の水島徹教授の研究チームは、アルツハイマー病の原因たんぱく質の生成に関係する受容体を特定した、と発表した。この受容体の働きを阻害する薬はすでにいくつか知られている。
将来、アルツハイマー病の治療薬になる可能性があるという。動物実験などで有効性や安全性を検証し、数年後メドに臨床試験の開始を目指す。

研究チームは、炎症誘導物質「プロスタグランジンE2」が、アルツハイマー病患者の脳に蓄積される原因物質βアミロイドの産生に関係していることを突き止めた。

この炎症誘導物質が結合する受容体のうち2つが、βアミロイド産生の促進に寄与していることを解明した。遺伝子操作で2つの受容体を持たないマウスを作製、正常なマウスと比較したところ、βアミロイドの量が半分以下に減った。(NIKKEI NET)

アルツハイマー病について
脳の神経細胞が急激に破壊される認知症です。ついさっきのことを忘れるなどの記憶障害から始まり、症状は緩やかに進行します。初期には運動麻痺などの神経症状を伴わないのが特徴ですが、妄想などの症状は、比較的早く現れます。運動機能が保たれている分、徘徊などの行動が問題となります。

脳の神経細胞の病的な破壊が進み、神経が萎縮していくことが原因です。
アルツハイマー病になると、アミロイドベータという異常たんぱく質がたまることが突き止められてから、これを標的とする治療法の開発が進んでいます。

現在、この病気を完治させる薬はありませんが、アリセプトという薬が、初期から中期のアルツハイマー病の記憶障害や学習障害を改善し、病気の進行を緩やかにする効果が確認されています。

骨粗鬆症の発生メカニズムの一端を解明:東大研究チームら

骨粗鬆症が起きるメカニズムの一端を、科学技術振興機構と東京大の研究チームが世界で初めて突き止めた。女性ホルモンが、骨を壊す細胞(破骨細胞)の自己破壊を促し、骨の量を保つ働きがあるという。

閉経に伴って女性ホルモンが減った女性は、骨粗鬆症にかかりやすくなるが、女性ホルモンがどのように骨に作用するかはよくわかっていなかった。新たな治療法の開発に役立つ成果で、米科学誌「セル」(表紙デザインは「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦氏!)電子版に掲載された。

研究チームは、破骨細胞の内部にあって女性ホルモンのエストロゲンが取り付く受容体という部分に注目。雌マウスを遺伝子操作して受容体をなくすと、通常のマウスより破骨細胞が増えて骨の破壊が進み、骨量は約5%落ちた。
さらにエストロゲンを投与すると、通常のマウスは破骨細胞の自殺を促すたんぱく質の量が増えたのに、エストロゲンの受容体をなくしたマウスに変化がなかった。(YOMIURI ONLINE)

骨粗鬆症について
骨からカルシウムが溶け出し、骨密度が低下して骨がスカスカになるもので、骨折を起こしやすく、お年寄りの寝たきりの原因の一つとされています。
60歳以上の女性によく発生しますが、これは閉経によって女性ホルモンの分泌が減少して骨の形成が低下するのと、骨の吸収が亢進するためです。

また、男女とも老化するとビタミンDの代謝機能が衰えてカルシウムの吸収が悪くなり、骨を作る作用が低下します。そのほか、若い頃からの偏食や食事からのカルシウム不足、運動不足による筋力の低下も骨折の誘因となります。

関節リウマチや内科的な病気の治療のために、副腎皮質ステロイド約を長期間服用している場合も、骨粗鬆症の発症を促します。

前立腺がんの「PSA検査」を集団検診で推奨せず:厚労省指針案

前立腺がんの早期発見に有効として急速に広がる血液検査「PSA検査」について、厚生労働省研究班(主任研究者・浜島ちさと国立がんセンター室長)は、「現時点で、集団検診として実施することは勧められない」とする初の指針案をまとめた。

検診での早期発見による死亡率の減少効果が不明な上、精密検査などによる合併症などのマイナス面が無視できないためで、今後、PSA検査を集団検診事業として実施している全国7割の市町村は、事業の存廃を含めた対応を迫られそうだ。

がんの集団検診の最大の目的は、検査を受けた集団のがん死亡率を下げることにある。通常、検診は早期発見に有効で、早期にがんが見つかれば、死亡率は下がるとされる。
しかし、前立腺がんでは、進行の遅いがんが多く、PSA検診で、自覚症状のない男性のがんを早期に発見しても、死亡率が下がるかは不明だった。そのため、研究班は、国内外のPSA検診の有効性を調べるため約2000本に上る研究論文を検証した。

その結果、大半の論文では死亡率の減少が証明されず、減少したとする研究も信頼性が低いと評価した。そのため研究班は、PSA検診の有効性の証明は、「現状では不十分」と判定した。
また検診で発見したがんの27〜84%が、治療の必要のないがんの疑いがあり、精密検査に伴う合併症も、他のがん検診に比べて高いと指摘。治療による性機能の低下、尿もれなども報告され、集団検診として「推奨しない」と結論づけた。

指針案に対し、PSA検診を推奨する日本泌尿器科学会(奥山明彦理事長)は「多くの発見すべきがんが見逃されているのが現状で、甘受できない」とする見解を公表、指針案に反発している。(YOMIURI ONLINE)

前立腺がんについて
前立腺がんは、欧米ではとても頻度の高いがんです。日本でも増加傾向にあり、今後、食生活の欧米化や人口の高齢化を考えると、さらに増えていくと思われます。
50歳以降から加齢とともに増加する、男性の高齢者のがんといえます。

前立腺がんは、初期では無症状のことも少なくありません。進行すると、尿路通過障害として排尿困難や頻尿、残尿管などが現れます。
膀胱や尿道まで浸潤すると、排尿痛や血尿が出ることがあります。

前立腺がんの診断には触診(直腸内指診)が重要で、肛門から指を挿入して病変の有無を確認することができます。腫瘍マーカーは前立腺特異抗原であるPSAやPAPが使用されていて、診断や治療効果の判定に重視されています。

これらの初期診断でがんが疑われたら、前立腺超音波や膀胱尿道造影を行ないます。
似たような症状を示す前立腺肥大症や前立腺炎との鑑別が大切で、診断が難しい場合には、超音波で病変を確認しながら細胞を採取して、病理検査を行ない診断を確定させます。

特定健康診査・指導の受託事業を開始:厚労省外郭団体と医療VB

厚生労働省の外郭団体、全国労働衛生団体連合会は中小企業などの健康保険組合を対象に、来年4月から義務化される生活習慣病対策の特定健康診査と特定保健指導の受託を始める。

医療関連ベンチャーのオーダーメイド創薬などと組みシステムを整備。健診などの体制を整えることが難しい健保組合の需要を取り込み、初年度240万人の利用を目指す。

健保組合には40歳以上の加入者を対象に、メタボリック(内臓脂肪)症候群などの生活習慣病対策の健診の実施が義務付けられる。検査結果を国の定めた方式で記録したり、メタボリック症候群と判断された人に健保組合が保健指導したりする必要があり、中小の組合にとって負担が大きい。(NIKKEI NET)

メタボリック症候群
生活習慣病には高血圧、糖尿病、高脂血症などがあります。これらの疾患は内臓に脂肪が蓄積した肥満が原因であるとされ、内臓脂肪によりさまざまな病気が引きおこされる状態をメタボリック症候群といいます。

高血圧、高脂血症、糖尿病などひとつひとつの症状は軽くても、複合すると心筋梗塞や脳梗塞のリスクが急激に増大することから注目されています。
診断基準の必須項目としてウエスト径があり、男性85センチ以上、女性90センチ以上がメタボリック症候群を診断する際の目安となります。

心肺停止状態での救急搬送:都道府県で生存率に5倍の格差

心筋梗塞などで心肺停止状態になり、救急搬送された患者の1カ月後の生存率が、都道府県によって約5倍の格差があることが7日、総務省消防庁が初めて行った調査で分かった。

格差の背景には、家族らによる応急手当ての有無、心肺蘇生に効果がある自動体外式除細動器(AED)の配備状況、消防と医療機関の連携などがあるとみられ、消防庁は今後、詳しく分析した上で、全国的な救急医療の水準の向上を図る。

調査の対象期間は2005年の1年間で、心臓病の症例に限定して集計した。
心肺停止状態で搬送されたのは全国で延べ1万6257人で、1カ月後の生存率は7・19%(1169人)だった。

都道府県別では、佐賀の生存率が最も高く、搬送した73人のうち10人で13・70%。次いで宮崎13・29%、高知12・75%だった。一方、最も低かったのは山口で、搬送187人のうち1カ月後の生存は5人で2・67%だった。(shikoku news)

心筋梗塞について
冠状動脈の血管が詰まってしまって底から先にほとんど血液が送られなくなって心因が壊死してしまうのが心筋梗塞です。50歳以上の男性に多く、死亡率3割といわれている危険な病気です。

心筋梗塞の原因の多くは冠状動脈の動脈硬化です。動脈硬化の部分が破れて、血栓という血のかたまりが付着したり血管閉塞の原因となります。
また、冠状動脈が収縮して血管内径が閉塞し、それが長く続くと心筋梗塞の原因となります。さらに、喫煙、高血圧症、高脂血症、糖尿病あるいは肥満などが危険因子となります。

関連ニュース:中年太りで心筋梗塞のリスクが増大:厚生労働省研究班

ヒト性融合胚の作成を承認へ:イギリス政府

イギリス政府が管轄する「ヒトの受精・胚研究認可局(HFEA)」は、ヒトの細胞核を、核を除去した動物の卵子に注入して「ヒト性融合胚」を作ることを原則認めると発表した。

難病の治療に役立てる狙いだが、倫理上に問題があるとして今回の決定を疑問視する声も出ている。

「融合胚」の作製は、パーキンソン病やアルツハイマー病などの原因究明に有効とされ、英ニューカッスル大ロンドン・キングスカレッジの二つの研究チームが、研究用に不足するヒトの卵子を補うため、牛やウサギの卵子を利用した研究などの承認を申請していた。

「融合胚」の99・9%はヒト、残り0・1%は動物に由来する。今回の申請認可は世界初との報道もあり、早ければ今年11月にも研究が始まると見られる。

HFEAが研究申請の審査の過程で行った世論調査では、約6割が研究を支持。だが、同様の研究は日本などでは禁止されており、宗教団体からは、「ヒトと動物の融合は問題」などの声が出ている。(YOMIURI ONLINE)

融合胚について
今回、英国政府が認めた融合胚の作成は、日本では禁止されています。英国の承認は政府レベルとして世界初とみられ、日本でも議論再燃の可能性があるとされています。
文部科学省は当初、作成容認の方針案をまとめました。しかし、倫理的な課題と技術的な難しさがあり、国の総合科学技術会議は「取り扱いは厳密にすべきだ」と2001年12月の指針で禁止しました。

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