パーキンソン病の発症リスクを高める遺伝子を発見

筋肉が硬直したり、手足が震えたりするパーキンソン病の発症リスクを高める遺伝子を、東京大や米国立衛生研究所(NIH)などの研究チームが発見した。この遺伝子に変異がある人は変異のない人に比べて病気を発症する確率が約6倍高い。新しい治療法の開発につながるという。 成果は22日発行の米科学誌「ニューイングランドジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」に発表した。

欧米・アジアの16施設で約1万人を対象に遺伝子を解析したところ、パーキンソン病患者の7%で「GBA」と呼ぶ遺伝子に変異が見つかった。病気のない人での変異は1%しかなかった。変異した遺伝子を持つ患者ほど発症した年齢が若かったという。(NIKKEI NET)

パーキンソン病
筋肉の緊張や運動などを調整している神経系統の錐体外路(すいたいがいろ)系がおかされる病気です。発病は40〜50代に多く、手足や顔面の筋が突っ張り、堅くなったり、手足が震えたりと、動作が遅くなるのが特徴です。

病状が進行するにつれ、顔の表情がなくなり、四肢が堅くなり、首は少し下に下がり、ひざとひじを軽く曲げた状態になってきます。L-ドーパという有効な薬が効果をあげていますが、このほかアマンタジンやアトロピン系の合剤パーロデル・ドプスが作られ効果をあげています。症状を取る薬で、根本的な治療薬ではありませんが、筋強剛と無動症の7割は消失します。

日経メディカルなら、海外医学誌のBMJJAMALancet 日本語版を読むことができます。

帯状疱疹の患者が10年で2割増:宮崎県皮膚科医会

子どものころに感染した水ぼうそうのウイルスが原因で起こる「帯状疱疹(ほうしん)」の患者が10年間で2割強増えていることが、皮膚科を対象にした大規模調査で分かった。50代以降で発症する患者が多く、発症率は女性の方が男性より2割以上高いことも判明した。

調査は宮崎県皮膚科医会が2006年までの10年間に県内の病院・診療所計46施設を受診した帯状疱疹の患者計4万8388人を対象に実施した。帯状疱疹の調査では過去最大規模という。(NIKKEI.net)

帯状疱疹
体の片側が、神経痛のような激しい痛みと共に、所々赤くなり、その上に水泡が集まってできます。神経に沿ってできるので、数日のうちに水泡が帯のように連なってきます。この水泡はまもなくかさぶたをつくり、ひどい時には潰瘍となることもあります。

治療は、患部に抗生物質や非ステロイド系抗炎症剤入りの軟膏を塗ります。痛みに対しては、ビタミンB12内服と同時に鎮痛剤を用います。治るまでには約3週間罹りますが、正しく治療が行われていないと、痛みが長く残ったり、瘢痕が残ってしまいます。

花王が食用油「エコナ」の特保の表示許可を自主返上

花王の食用油など「エコナ」シリーズ商品に発がん性物質に分解される可能性のある成分が含まれていた問題で、同社は特定保健用食品(特保)の表示許可の「失効届」を保健所に提出した。

消費者庁が同日、表示許可の取り消しに向けた再審査の手続きに入ることを決定したが、同社は自主的に許可を返上して事態の長期化を避けた形だ。

花王が表示許可を返上したのは食用油「クッキングオイル」、マヨネーズ風調味料「マヨネーズタイプ」などエコナシリーズで特保の許可を得ていた全6品目。花王はこの6品目を含むエコナシリーズ全59品目を9月16日から出荷停止している。(NIKKEI)

特定保健用食品(特保)とは?
厚生労働省の許可によって販売できる食品で、含まれている成分の効果・効能に科学的根拠があり、その有効性や安全性のすべてが厳しく審査されたものです。現在急増している生活習慣病を、食事によって予防することを目的として誕生しました。

脂肪が付きにくい油をはじめ、コレステロールや血圧、血糖値、骨の健康が気になる人向けの食品などがあります。平成19年10月の段階で710品目があり、オリゴ糖、食物繊維、β-カロテン、ヘム鉄、EPAなどの成分が認可されており、「特定保健用食品」の文字とマークが付いています。

健康面で気になるところがある人は利用するとよいでしょう。ただし、服薬中の人は、薬との相互作用や副作用の心配があるので主治医に相談しましょう。

パーキンソン病治療薬「E2007」の承認申請を延期へ:エーザイ

世界で最も売れている認知症薬「アリセプト」を製造するエーザイは、今年度中を計画していたパーキンソン病治療薬E2007(一般名:perampanel)の欧米での承認申請を延期する。これまでの試験で十分な効果が見られなかったなどとして、解析・試験を重ねてあらためて申請を目指す。

これまでの試験結果で、パーキンソン症状が現れる時間の短縮について本剤投与群とプラセボ(偽薬)投与群との間に「差が認められなかった」としている。

エーザイは、本剤の良好な安全性などは確認されたとして、試験の詳細な解析を進める。その結果を現在進めている試験に反映させて、パーキンソン病への有用性をより明確にしたいとしている。

クレディ・スイス証券の酒井文義アナリストは、エーザイのパーキンソン病治療薬の欧米申請延期について「残念な結果であり、実質的には開発は難しくなったとも言える」と指摘した。(Bloomberg.co.jp)

パーキンソン病とは?
中脳黒質のドパミン神経細胞が変性・脱落する進行性の脳の変性疾患です。発病原因は不明ですが、脳内でのドパミンの不足が様々な運動障害を引き起こすと考えられています。

パーキンソン病は、神経変性疾患においてはアルツハイマー病についで患者数が多く、振戦(ふるえ)、筋固縮、無動、姿勢反射障害の4大症状が特徴です。

日本における患者数は、平成17年度厚生労働省患者調査より約14万5000人と推計されていますが、50〜60歳代で発症することが多く、高齢化に伴って患者数は増加しています。

メラノーマ(悪性黒色腫)の新しい温熱療法:信州大学

信州大学医学部は、皮膚がんの一種メラノーマ(悪性黒色腫)の治療について、他大学と共同研究を進める新しい温熱療法を発表した。がんに抗体付きの酸化鉄微粒子を注入して磁場装置で加温し、病巣のみを消滅させる方法で、世界初の試みという。
30日から臨床試験を実施する予定で、効果が立証されれば他種のがん治療への応用も期待できる、としている。

温熱療法には、中部大学の研究グループが考案した「抗体付きマグネトリポソーム」を使用。酸化鉄微粒子を脂肪膜で包み抗体を結合させた素材で、体外から高周波の磁場を照射して43―46度の温熱刺激を与える。発熱作用のある鉄素材を病巣に集積させて加温調整することで、周囲の正常組織を傷つけずに治療できるのが特長だ。

臨床試験では、65歳の男性患者に3日間、46度で30分間ずつの温熱療法を施し、がん病巣の変化を調べる。今後2年間に計6例の臨床試験を実施し、体内の別の転移部にも免疫機能の向上が見られるかどうかなどを検証していく。

基礎実験では、マウスに移植した人間のメラノーマ細胞が完全に消滅。1回目の磁場照射で病巣がかさぶた状になり、3回目には平たん化した。免疫反応の誘導も確認している。(長野日報)

メラノーマ(悪性黒色腫)
全身に発生し、進行が早く転移しやすい悪性度の高いがんで近年、日本人にも増えてきました。日光に長時間当たる顔や首に多発し、外傷、靴擦れ、凍傷、やけどの跡が誘引となります。

黒あるいはまだらな黒褐色の斑か結節で、大きさ、形は様々です。2〜3ヶ月で急に大きくなり、赤くただれて出血するのが発見のサインです。
突然、手のひらや足の裏に黒色斑が出て、急に大きくなったり、今まであった小さな黒色斑が7mm異常になった場合は、皮膚科を受診しましょう。

軟骨組織も鮮明に判別するMRI「アチーバ」:フィリップス

フィリップスの日本法人、フィリップスエレクトロニクスジャパンは1.5テスラ(テスラは磁場の強度)の磁気共鳴画像装置(MRI)「アチーバ」を発売した。
従来機種では難しかった軟骨組織も鮮明に見分けられる。1台約10億円。病院から診療所や検診センターまで幅広く売り込み、1年間で80台の販売を目指す。

アチーバは撮影した画像を白から黒まで明るさに段階を付けて表示できる。これまでの1.5テスラMRIの撮影画像は白と黒の2段階で表示していたため、軟骨と腱を区別できなかった。これまで放射線技師らが担当していた撮影角度の決定や画像処理を自動化する機能などを加え、使いやすさも高めた。(NIKKEI NET)

MRIとは?
磁気共鳴画像装置(マグネティック・リゾナンス・イメージング)の略称です。体内に強い磁気を発すると、体内の各組織にある水素の原子核が共鳴現象を起こし、信号状のものを放出します。それをとらえて、コンピュータで処理し、画像化します。

MRIはエックス線を使わずに縦・横・斜めの度の角度からも映し出すことができます。全身のほとんどの臓器を観察することができますが、心臓ペースメーカーなどを装着している場合は、磁気の影響によって誤作動が祖湯時安いので、検査を受けることはできません。

中高年の変形性膝関節症、治療せず放置が大半

科研製薬生化学工業はひざの痛みに関する調査結果を発表した。中高年の63.0%がひざの痛みを抱えており、痛みを出始めたのは平均で56.4歳だった。
中高年のひざ痛の原因の大半は変形性膝関節症という病気だが、医療機関で治療を受けている人は2割程度にとどまり、ひざ痛が病気であるとの認識は薄いことが分かった。

医療機関で治療を受けていない人のうち、8割はサポーターを着用したり、大衆薬を使うなど自分なりの対処をしていた。しかし、2割の人は特別な対応はしていないと回答した。(NIKKEI NET)

変形性膝関節症とは?
座った姿勢から立ち上がるときや、階段の上り下りをする際に、膝関節に痛みが起こります。我慢して動き出すと一時的に楽になりますが、すぐに痛みはぶり返します。

放置すると水がたまり(関節水腫)、膝の曲げの母子が不自由になり、正座や規律動作、歩行も困難になります。さらに進行すると、膝が完全に伸びなくなり、O脚の程度も大きくなります。

荘園治療薬の内服や、湿布で治療します。膝用のサポーターや関節を支える装具で膝の負担を軽減するのも有効です。膝関節に多量に水がたまった場合は、針を刺して抜き、ステロイド薬を注入する場合があります。最近は、関節機能を改善するヒアルロン酸の関節内注射も用いられます。

公費助成でインターフェロン治療、患者数を10万人へ倍増:厚労相

ウイルス性肝炎患者に対する国の救済策について、舛添厚生労働相は、治療費の公費助成により、C型肝炎に有効なインターフェロン治療を受ける患者数を現在の5万人から10万人に倍増させる意向を記者団に表明した。

治療費助成は7年計画で、一般財源から計1000億〜2000億円が必要になるとの見通しも示した。具体的な制度の枠組みは、与党プロジェクトチーム(PT)が来週中にもまとめる見込みで、その案に沿った内容になるという。

インターフェロン治療は、C型肝炎の6割程度に効果があるとされ、よく効くタイプなら9割ほどが完治するとも言われる。しかし、現在は公費助成がなく、1年前後の治療期間に自己負担が月約7万〜8万円と高額の費用がかかるため、治療を受けたくても経済的な事情で受けられない患者も多い。

インターフェロン治療について、与党PTは今年9月、治療費を公費助成する方針を示し、自己負担額をどうするかなど、具体的な助成制度の仕組みについて検討してきた。

舛添厚労相によると、助成策では、患者の所得に応じて自己負担額に段階を設ける方針。低所得者には自己負担を月1万円程度にとどめて残りの治療費を公費で助成、一定以上の高所得者には助成しない案が検討されている。(YOMIURI ONLINE)

C型肝炎について
C型肝炎は、感染した人の約3/4がキャリア(肝炎を発症しないでウイルスが持続的に存在している状態)になり、そのまた3/4の人がウイルスを退治しきれずにC型慢性肝炎になります。

慢性肝炎では症状がみられないことが多く、肝炎が悪化したときに、だるさ、食欲不振、軽い黄疸などがみられ、その状態を繰り返します。慢性肝炎の中の約半数が肝硬変へと進み、その一部に肝臓がんが発生します。

C型肝炎ウイルスの感染の有無は、スクリーニング検査としてHCV抗体を調べます。C型肝炎ウイルスに感染していることが確定したら、次に病気がどのレベルまで達しているかを調べることが大切です。

膵臓がん、抗がん剤「ゲムシタビン」と「S-1」の併用で延命効果

末期の膵臓がん患者に、標準的に使われている抗がん剤に別の抗がん剤を組み合わせた治療をすると、発見からの生存期間が約6か月から約10か月に延びることが、国立がんセンターなどの臨床試験で明らかになった。

膵臓がんは発見時に手術ができない末期がんが多く、治療の難しいがんとして知られており、延命効果が期待できる治療法として注目を集めそうだ。

同センターなど10か所の医療機関は、末期で転移のある膵臓がん患者54人を対象に、膵臓がん治療での標準的な抗がん剤「ゲムシタビン」と、別の抗がん剤「S-1」を併用した臨床試験を実施。その結果、ゲムシタビンの単独使用に比べて4か月の延命効果が確認された。

がんが半分以下に縮小する効果が出たのは24人(44%)と半数に近く、反対に治療開始から1か月後にがんが2割以上大きくなった患者は2人(3・7%)にとどまった。

同センター中央病院の奥坂拓志医長は「期待以上の延命効果。がんが小さくなって痛みが減る患者もあり、膵臓がんの有望な治療法になるだろう」と話している。(YOMIURI ONLINE)

膵臓がんについて
膵臓がんは、膵頭部にできるものが最も多く、全体の約7〜8割を占めます。すい臓の周囲には重要な臓器や血管が多いため手術は困難で、死亡率の高いがんといえます。

かつてはあまり多い病気ではありませんでしたが、近年は食生活の欧米化に加えて、診断技術の進歩によりすい臓がんと診断される患者さんが増え、増加の一途にあります。

初期にはほとんど自覚症状はありませんが、症状として最も多いのは、上腹部の不快感と痛みです。進行すると食欲不振や体重減少、全身の倦怠感などもみられるようになり、黄疸も出てきます。

果物の摂取で循環器疾患のリスクが低下:厚生労働省研究班

果物をたくさん食べる人ほど脳卒中など循環器病のリスクが低くなる、という調査結果を厚生労働省研究班が発表した。岩手、秋田、長野などの8県に住む男女8万人に野菜や果物の摂取量をアンケート。がんと循環器病の発症を最長7年間追跡した。

津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長が主任研究者となった調査で、1日の摂取量で対象者を4グループに分けて発症率を比べた。

果物の摂取量が最も多いグループ(平均280グラム)は、最も少ないグループ(同35グラム)より発症リスクが19%低かった。果物100グラムはみかん1個、りんご半分に相当する。
たばこを吸わない人の発症率が低くなる傾向がみられ、吸う人は同じ量の果物を食べても効果が小さい可能性があるという。

今回の調査では、野菜と循環器病、野菜や果物とがん全体では関連が認められなかった。坪野吉孝・東北大学公共政策大学院教授(疫学)は「これまで考えられていたほど野菜と果物の病気の予防効果ははっきりしなかったが、個別のがんでは効果が認められるものもある。健康全般に良いことには変わらない」と話している。(asahi.com)

脳卒中とは?
高血圧症でいつも動脈に高い圧力がかかっていれば、脳の細い動脈が疲労して、突然詰まったり、出血することがあります。また、動脈硬化があれば、脳の比較的太い血管が詰まることがあります。

そうなると、血液の循環に障害が起こり、酸素や栄養が脳に届かず、その働きが低下したり脳細胞が死亡します。それによって運動機能や言語機能が麻痺したりするのが脳卒中です。
いずれも生命の危機が発生します。脳卒中の起こりかたで脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞などに分かれます。

薬剤耐性マラリアに有効な治療薬を開発

アフリカなど発展途上国にまん延する熱帯感染症の1つ、マラリアの薬剤耐性株に有効な治療薬を、岡山大の綿矢有佑教授(薬学)らが開発した。

マラリアは蚊が媒介する原虫が赤血球で増える病気。治療には抗生物質が有効だが、既存の薬が効かない耐性マラリアが広まっている。綿矢教授は、サルやマウスの実験で新たな薬が耐性を持つ原虫に効く上、長く服用しても効き目が落ちないことを確かめた。

マラリアには年間3億−5億人が感染し、高熱などを起こして300万人近くが死亡する。耐性克服のため欧米を中心に新薬開発が進むが、高価なため既存薬すら普及していないのが現状だ。

綿矢教授は、既存薬と少し異なる構造を持つ化合物を合成。耐性マラリアを発症させた動物に投与すると、血中で増えた原虫が3日後にすべて退治され、完治した。(Sikoku.news)

薬剤耐性菌とは?
多くの細菌は抗生物質やサルファ剤などの化学療法剤によって発育・増殖が抑制(阻止)されますが、しばしば、本来有効とされる薬剤による阻止効果がみられなくなることがあります。これらの細菌をその薬剤の耐性菌といいます。

1種の薬剤に対する耐性菌を単剤耐性菌といい、多種の構造が類似しない薬剤に対する耐性菌を多剤耐性菌と呼びます。また、ある薬剤の耐性菌が同種の薬剤にも耐性をもつ場合は交差耐性といいます。

薬剤耐性は細菌自体がもっている仕組みで、化学療法剤の過剰投与によっておこる場合が多いとされていますが、細菌の細胞質内にある薬剤耐性因子(DNA)であるプラスミドが他の同種の細菌へ組み込まれて耐性菌になる場合や、染色体性の自然耐性菌や染色体遺伝子の突然変異による耐性菌もあります。

急性リンパ性白血病の治療薬「アラノンジー」が承認へ

英系製薬会社のグラクソ・スミスクラインは抗がん剤「アラノンジー」で、難治性の急性リンパ性白血病とリンパ腫の治療薬として製造販売承認を取得したと発表した。
これらの病気の適応症を持つ国内初の治療薬。これまでは効果的な治療薬がなく、複数の抗がん剤を併用していた。

アラノンジーはがん細胞のDNA(デオキシリボ核酸)合成を阻害し、細胞死を招く。複数の抗がん剤を併用して一度は治ったが、再発した患者や難治性の患者が治療対象となる。(NIKKEI NET)

急性リンパ性白血病について
急性リンパ性白血病は「血液のがん」と言われる白血病で細胞の種類からリンパ性白血病と骨髄性白血病に分けられます。急性リンパ性白血病は悪性化した未熟なままのリンパ球である白血病細胞が著しく増加する病気です。

急性リンパ性白血病は小児においては最も多いがんであり、がんと診断される15歳以下の小児の40%がこの疾患です。T細胞急性リンパ性白血病は急性リンパ性白血病の中でも少数ですが、特に再発後の予後が非常に悪いとされています。

肺がん治療薬「タルセバ」の承認を取得:中外製薬

中外製薬は非小細胞肺がん治療薬「タルセバ」の承認を取得したと発表した。タルセバはがんの増殖を促す信号が細胞内で伝わるのを阻害し、がん細胞の成長を止める。
海外ではロシュグループが80カ国以上で承認を取得しており、2006年の売上高は8億1300万スイスフランだった。

一方で、臨床試験(治験)で間質性肺炎などの副作用が報告されたことを受けて、発売後、使用成績を調査することが義務づけられた。タルセバを扱うのは当面、適正使用を理解し、調査に協力できる医療機関に限られる。(NIKKEI NET)

間質性肺炎とは?
肺の間質組織(肺胞と肺胞を隔てる壁)の広範囲に炎症が起こる病気のことです。進行すると、肺が縮んで硬くなり、十分なガス交換ができずに、呼吸不全に陥ります。

原因は粉塵の吸入、薬剤の副作用(市販の風邪薬による場合も)などです。原因不明の場合を突発性間質性肺炎と呼びますが、治療のしやすいタイプと、肺線維症のように治療しにくいタイプがあり、呼吸器専門医の診療が必要です。

間質性肺炎のおもな症状は咳と運動時の息苦しさです。副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤で治療します。呼吸不全に陥っても、病状が安定していれば在宅酸素両方が可能です。

がん細胞の死滅を誘導する新たな遺伝子を発見:ソウル大学

ソウル大学の研究チームが細胞死滅を誘導する新たな遺伝子を見つけることに成功した。新しいがん治療法を開発することができるきっかけとなったものだと学界は評価している。
研究結果は、ネイチャーの姉妹誌であるネイチャーセルバイオロジーの電子版に掲載された。

同大学のチョン・ヨングン生活科学部教授チームは細胞内ミトコンドリアで作られるアデニル酸キナーゼ2(AK2)というタンパク質(酵素)が細胞死滅を調節するという事実が分かったと、明らかにした。特に肝臓がん細胞からAK2遺伝子機能が除去された事実を初めて確認したと伝えた。

チョン教授は論文の第1著者であるイ・ホジュン博士とともにミトコンドリアに存在するAK2タンパク質が細胞質に出て細胞死滅を誘導するという事実を明らかにした。
ミトコンドリアは細胞が活動できるようエネルギーを生成する細胞内小器官だ。チョン教授チームはまた、AK2タンパク質が活動ができないかタンパク質の数が少ない場合、細胞が死滅できないという事実を見つけ、多くの種類の人間の肝臓がん細胞株からAK2遺伝子による細胞死滅信号伝達体系が損傷されていることを確認した。

チョン教授チームは肝臓がん細胞にAK2遺伝子の機能を復旧させれば肝臓がん細胞が抗がん剤によって効果的に死ぬという事実も明らかにした。(中央日報)

肝臓がんについて
肝臓にできるがんの9割を占めているのが、肝細胞に発生する肝細胞がんです。一般に肝臓がんといえば肝細胞がんのことをいいます。
発症初期は、全身倦怠感、腹部膨満感、上腹部痛、食欲不振などがみられます。
進行すると、腹水や黄疸、体重減少をきたします。さらに、肝臓がんが破裂したり消化管出血が起こると、突然の腹痛と貧血状態におちいります。

肝臓がんの診断に際しては、GOT、GPT、腫瘍マーカー(AFP)など各種の血液検査のほか腹部超音波やCT、腹腔鏡、MRIなどさまざまな検査が行われます。また、確定診断のためには肝生検が必要となります。

白血病の再発の原因細胞を特定:治療薬に津がなる成果

急性骨髄性白血病は、「白血病幹細胞」というがん細胞の“親玉”が原因で再発することを理化学研究所九州大付属病院などの共同研究チームがマウスを使った実験で突き止めた。
幹細胞を死滅させる薬を開発すれば、再発を防ぐ根本的な治療法につながる可能性がある。22日の米科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」(電子版)に掲載された。

急性骨髄性白血病は、骨髄系の細胞ががん化して増殖する病気。成人に多く、抗がん剤や骨髄移植などで治療するが、症状がいったん収まっても、患者の多くは再発してしまうことが大きな課題になっている。

白血病の細胞は急速に増殖する一般的なタイプと、これらを作り出すごくわずかな親玉の幹細胞に大別される。研究チームはこの違いに着目し、免疫力を失わせたマウスにそれぞれの細胞を移植して反応を調べた。

その結果、普通の白血病細胞を移植しても発症せず、幹細胞を移植したときだけ発症することが判明。さらに抗がん剤を投与すると、普通の白血病細胞は死滅するが、幹細胞は生き残り、これが再発の原因と分かった。

幹細胞の性質を詳しく調べたところ、増殖のスピードが普通の白血病細胞より遅く、正常な細胞とほぼ同じだった。既存の抗がん剤は副作用を減らすため、増殖が速い細胞だけを攻撃する仕組みになっており、これでは幹細胞には効果がなく、再発を防げない理由も明らかになった。(産経新聞)

白血病について
骨髄や脾臓など血液をつくる器官で、未熟な白血球系細胞が無制限に増殖し、正常な白血球の増殖を阻害するもので、造血気のがんといえる病気です。

白血病では、肝臓、脾臓、リンパ節、腎臓、脳など全身の臓器に白血病細胞が増殖します。病気自体は少ないものの、発症すると出血や細菌感染が起こり、生命の危機に陥ります。

白血病は増殖する細胞の種類や進行状態で急性と慢性に分かれるほか、異常の発生部位によって骨髄性とリンパ性に分かれます。成人の急性の8割と慢性のほとんどが骨髄性ですが、小児では急性のリンパ性が主となります。

メタボリックシンドロームの診断基準「変更せず」:日本肥満学会

男性に厳しく女性に甘いメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の腹囲による国内診断基準が、世界標準と大きく異なる点について、基準策定の中心となった日本肥満学会は、「基準を変える必要はない」との見解を公表した。

内臓の周りに脂肪がたまるメタボリックシンドロームの診断基準は、腹囲が「男性85センチ以上、女性90センチ以上」の条件を満たした上で、血圧、血糖値、血中脂質の値のうち2項目が基準を上回ること。
来年度から40歳以上を対象に始まる特定健診では、メタボリックシンドロームやその予備軍と診断された人は、生活習慣病予防のための特定保健指導を受けることになる。

しかし、米国の肥満基準は腹囲が「男性102センチ超、女性88センチ超」で、世界的には男性の方が緩いのが普通。特定健診の導入を半年後に控え、基準の妥当性を疑問視する声が出ていた。

これに対し同学会の松沢佑次理事長は、「内臓脂肪の量から腹囲基準を決めたのは日本だけ。単なる肥満基準とは違う」と診断基準の妥当性を訴えた。(YOMIURI ONLINE)

メタボリック・シンドロームとは?
生活習慣病のなかの、内臓脂肪蓄積型肥満、脂質代謝異常、高血圧、糖代謝異常の4つは、とくに「メタボリックシンドローム」と呼ばれ、これらの要素が複数合併すると、それぞれが軽症でも動脈硬化が加速され、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まってきます。

メタボリックシンドロームの診断基準は、ウエスト周囲径が男性85cm以上/女性90cm以上で、かつ下記のA・B・Cのうちの2項目を満たすときです。

  • A.脂質異常…中性脂肪150mg/dl以上あるいはHDLコレステロール40mg/dl未満
  • B.血圧異常…最高血圧130mmHg以上あるいは最低血圧85mmHg以上
  • C.糖代謝異常…空腹時血糖110mg/dl以上

関連ニュース:メタボリックシンドロームの危険値、女性はウエスト80cm:東北大学

鉄分の過剰摂取で糖尿病や神経障害の危険性

健康意識の高まりから今やマルチビタミンやサプリはサラリーマンの“常備食”。だが、過ぎたるは及ばざるが如し、で過剰摂取はやはり問題だ。例えば重要なミネラルとして人気が高い鉄分。必要以上に体内に蓄積されると、糖尿病や神経障害を起こす危険もあるという。

鉄分の過剰摂取でおきるのは「続発性ヘモクロトーシス」。摂取した鉄分が体内で正しく分解されずに、肝臓や膵臓などの臓器に蓄積して組織沈着する病気で、やがて肝機能障害、さらに悪化すると糖尿病や神経障害などを発症することもある。

「鉄を含むマルチビタミンを毎日飲んでいる場合、女性は毎月の生理時に余分な鉄を排出できます。しかし、男性は鉄が体内にたまりやすい」と話すのは東海大学医学部付属東京病院の西崎泰弘副院長。

同病院では「抗加齢ドック」を開設し現在までに約300人が受診しているが、男性受診者の中に、鉄分やフェリチン(鉄たんぱく)値の高い人が目立つという。

過剰摂取が問題なのは何も鉄分だけではなく、「ビタミンAやEなどの脂溶性ビタミンの過剰摂取も、健康被害に結びつくことがある」(西崎副院長)。適切なサプリの利用を今一度見直してみてはいかがだろう。(IZA)

ヘモクロマトーシスとは?
肝臓をはじめ、脳、心臓、膵臓など全身の臓器に鉄が過剰に蓄積される病気です。遺伝子の異常による先天性のものと、鉄分の過剰摂取が原因になる後天性のものがあります。

最初に、肝臓と膵臓で障害が起こるが多く、肝硬変や糖尿病が起こります。また、心不全や不整脈などの症状が見られるケースもあります。週に1〜2回、瀉血(血液を抜き取ること)を行うことによって、体内の鉄量を減らし、病気の進行を防ぐことができます。

メタボリックシンドロームの危険値、女性はウエスト80cm:東北大学

東北大学は、地域住民を対象とした長期前向きコホート研究「大迫研究」のデータに基づき、メタボリックシンドローム(MS)の危険性がある女性のウエスト周囲径基準値は80cmであると発表した。これに伴い、家庭で測る血圧がMS診断基準として有用であることも明らかにした。

対象者は、岩手県花巻市大迫町の住民395人。平均年齢は63歳だった。研究対象の綿密な解析の結果、ウエスト周囲径項目を除いたMSリスク因子の集積を検出する最適なウエスト周囲径基準値は、男性が87cm、女性80cmと判明。
また、自宅で測る血圧(家庭血圧)の高値がMSの存在を予測した。しかし、医療機関などで測定する血圧(随時血圧)では予測できなかった。

この結果は、以前の大迫研究で、インスリン抵抗性を指標としてMSの診断基準を検討した際に算出されたウエスト周囲径と同じ。現在、国内のMS診断基準値が男性85cm以上、女性90cm以上であることから、男女の基準値の見直しが必要であるとともに、MS診断基準の項目に家庭血圧を導入すべきであると結論付けた。(webBCN)

大迫研究とは?
大迫研究は、1986年に開始された岩手県大迫町の一般住民を対象とした高血圧・循環器疾患に関する研究です。家庭血圧の測定と24時間自由行動下血圧測定を実施した日本で初めての疫学研究として、日本はもとより世界でも広く知られています。現在も研究は続いており、その間に次のようなエビデンスが発表されています。

24時間自由行動下血圧を用いた追跡研究

  • 24時間自由行動下血圧の心血管死亡・脳卒中発症予測能は、随時血圧より優れている。
  • 24時間自由行動下血圧135/80mgHg以上は高血圧である。
  • 夜間睡眠時に血圧が低下しないと心血管死亡のリスクが高い。
  • 昼間血圧が変動しやすいと心血管死亡のリスクが高い。

家庭血圧を用いた追跡研究

  • 家庭血圧の心血管死亡予測能は、随時血圧よりも優れている。
  • 家庭血圧135/80mgHg以上は高血圧である。
  • 家庭血圧では、収縮期血圧が拡張期血圧より重要である。

なかでも、脳・心血管疾患の確実な予防のためには、外来血圧よりも家庭での朝の血圧を管理することが重要であることを明らかにしました。日本や欧米の高血圧ガイドラインにも、家庭血圧の基準値として大迫研究の結果が引用されており、日本の臨床疫学データが国際的ガイドラインの基盤になっています。

リタリンのうつ病への効能を削除、適応症はナルコレプシーのみ

乱用が問題になっている向精神薬リタリンについて、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会は、効能からうつ病を削除することを認めた。これを受け、同省は月内にも適応症を睡眠障害ナルコレプシーに限定する。

さらに乱用防止に向け、部会は、製造販売元のノバルティスファーマ社に管理体制の構築を義務づけた。同社は来年初めまでにナルコレプシーを適切に診断できる医師や、リタリンを処方できる医療機関・薬局を登録制にして流通を管理する。医療用麻薬並みの厳しい規制という。

部会では、薬効成分がリタリンと同じで、小児の注意欠陥・多動性障害の治療薬コンサータについても、承認申請中のヤンセンファーマ社が同様の管理体制を提案。この疾患の新薬として、国内で初めて承認される見通しとなった。(YOMIURI ONLINE)

うつ病について
1日中、気分の落ち込みがありますが、とくに朝方にひどく、夕方にかけて軽くなっていく傾向があり、これを日内変動といいます。

睡眠障害はほとんどの患者が訴える症状で、全く眠れない、寝ついてもすぐに目が覚める、朝早く目が覚めるなどのタイプがあります。食欲も低下し、味気なく感じます。そのため、体重減少が見られることもあります。
睡眠欲と食欲は、逆に異常に高まり、仮眠や過食になる人もいます。そのほか、性欲減退、疲労・倦怠、頭痛、めまい、便秘・下痢などもみられます。

精神的症状としては、決断力が鈍り、仕事に対する医薬や趣味に対する興味もわかなくなります。気持ちが落ち着かなくなり、イライラして焦りや不安も強くなります。
動作は緩慢になり、ひどくなると、意識があるのに身動きができなくなることもあります。
また、罪悪感は特徴的な症状で、自分のことを責める気持ち(自責感)が強くなります。

ADHD児の家族、治療満足度は日本が最下位

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の子供を持つ日本の家族は、他国の家族に比べてストレスや将来への不安をより感じる傾向にあることが、世界10か国を対象に行った調査で明らかになった。
治療によるADHD克服への期待も日本が最も低く、家族・学校・医療が連携した総合的な支援体制がまだまだ遅れていることを裏づける形となった。

調査は日本イーライリリーが米国本社などと協力し、世界のADHD児の親1023人を対象に行った。対象国は日本(85人)のほか、カナダ、アメリカ、ドイツ、イタリア、オーストラリアなど。

「ADHDのために就職しても仕事がうまくいかないのではないかと心配だ」と考えている日本の家族は84%に上り、その他9か国平均の68%を上回った。「子供のADHDによってしばしばストレスを感じる、または不安にさせられる」とした家族も、9か国平均の72%に対して日本は82%に上り、10ポイント高かった。

子供が受ける治療について「家族全員が受けるプレッシャーが軽減されている」と思う人は、日本では45%と10か国平均の76%を大幅に下回った。「他の子供とうまくやっていくのに役立っている」と思う家族も、日本では世界平均の72%を28ポイント下回る44%にとどまり、治療への満足度の低さが浮き彫りとなった。(YOMIURI ONLINE)

注意欠陥・多動性障害(ADHD)
不注意、過活動、衝動性を特徴とするもので、7歳前に発症する持続性の障害です。約4%の子供にみられますが、男子に圧倒的に多いといわれています。

興味のあることには集中できますが、嫌いなことやよくわからないことにはほとんど関心を示さず、落ち着きがありません。1つのことを続けてやることが困難で、不注意による失敗をしやすく、人の話を聞いていることも苦手です。

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。