ジェネリック医薬品、薬剤師の判断で変更可能を提案:厚生労働省

価格の安い後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進をめぐる問題で、厚生労働省は中央社会保険医療協議会(中医協)で、医師が処方箋で指定した銘柄の後発医薬品の在庫が薬局にない場合、薬剤師の判断で医師の許可なく同じ有効成分の別の後発品への変更を認めることなどを柱とする案を提案した。
診療側の委員は「医師が処方する薬を決める権利を侵害しかねない」と反発しており、調整は難航しそうだ。

後発品の中には、流通量の少ない銘柄がある。厚労省の提案は、医師がこうした銘柄を指定しても、薬局が対応しきれなかったり、在庫のある特定の薬局に患者を事実上誘導することになったりすることを考慮したもの。
「薬剤師が説明責任を果たし、患者が同意した場合」に限って、別銘柄への変更を認めるとしている。

政府は後発品の数量シェアを12年度までに現行の倍の30%にする目標を掲げている。厚労省は、目標のペースで普及すれば医療費の国庫負担を年間約200億円削減できると試算している。(asahi.com)

後発医薬品
医療用医薬品には同じ成分、同じ効き目でも値段の高い薬(先発医薬品)と安い薬(後発医薬品)があります。後発品は、欧米では一般名(generic name成分名のこと)で処方されることが多いため、ジェネリック医薬品とも呼ばれています。

どのような画期的な発明の医薬品でも、その発売からおよそ6年後、または特定年月で特許が切れると、その有効成分や製法等は共有の財産になり、医薬品製造業者は自由に医薬品を製造できるようになるため、同じ成分の医薬品より安く国民に提供できるようになります。

糖尿病の小型検査装置「DCAバンテージ」:最少の血液量で検査

独シーメンスグループのシーメンスメディカルソリューションズ・ダイアグノスティックス(品川)は、糖尿病の小型検査装置「DCAバンテージ」を診療所向けに発売すると発表した。
糖尿病の診断に使うヘモグロビンの血中含有量を、業界最少の1マイクロリットルの血液で調べられる。

他社の小型検査装置では測定できない尿中の「アルブミン」「クレアチニン」と呼ぶ物質も測定できる。微量のアルブミンとクレアチニンを測定すれば糖尿病性腎症の早期発見につながる。
尿の必要量は40マイクロリットルで、7分で測定する。今後1年で1000台の販売を目指す。(NIKKEI NET)

糖尿病性腎症とは?
糖尿病にともなって起こる重大な合併症の一つです。糖尿病を十分に治療しないで10〜15年たつと発病し、腎機能が障害されてきます。高血糖が原因です。
尿を作るために血液をろ過する糸球体が、血液中の過剰な糖を濾過するのに負担がかかり障害を受けたものです。特に女性の場合、過食による肥満から糖尿病になり、そして糖尿病性腎症へというケースが増えいています。

症状としては、糖尿病が一定期間以上改善されないと、尿中にタンパクが排出されるようになり、それがだんだん増えてきます。進行すると、尿乏、貧血、高脂血症、高カリウム血症など尿毒症の症状が現れ、食欲不振や全身倦怠感なども出てきます。

塗り絵の認知症患者への効果を検証

脳の働きを活性化するとして、塗り絵の効果を科学的に検証している古賀良彦氏が、先ごろ開催された「国際ぬり絵シンポジウム」の基調講演「塗り絵とアンチエイジング」で、最新の研究成果を紹介した。それによると認知症の進んだ人に対しても、塗り絵は優れた効果があるという。

塗り絵は一見するとシンプルな遊びだが、実は意外に広範囲の脳を使う。例えば下絵を眺めているときは、視覚野のある後頭葉や、色や形の記憶が保存されている側頭葉を使い、「何色でぬるか」「どこからぬるか」など、作業プランを立てているときは、前頭葉にある前頭連合野が働く。もちろん実際に色をぬるときは、同じく前頭葉にある運動野が働く。

塗り絵の認知症患者への効果についても、古賀氏は今回、認知症の人に塗り絵を継続的に行ってもらうことで、記憶や認知といった脳の高次機能に、どのような変化があるかも調べた。
その結果、「認知症に対する治療法が確立されていない現在、認知症患者に対する塗り絵の可能性は、十分に期待できる」とその効果を高く評価している。(ameba news)

認知症について
人間が本来持っている識別、分析、判断、記憶などの能力が低下し、さまざまな障害を招く病気が認知症です。認知症の主な原因には脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症があります。

アルツハイマー型認知症は大脳全体の萎縮によって起こる病気で、40〜60歳に多発します。一方、脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血など脳の血管障害や外傷などが原因となって起こります。

アルツハイマー型の症状は、記憶障害、徘徊、不眠、手足のふるえなどですが、脳血管性では夜間に幻覚や興奮をともない、泣き笑いなどの感情障害が多くみられます。
一般的に脳血管性のほうがアルツハイマー型より軽いのですが、運動障害は重症です。

血液検査でアルツハイマー病の発症リスクを特定も

軽度の認知症を患う人の中でどの人がアルツハイマー病を発症するかどうかを血液検査によって特定できるようになるかもしれない。医学誌「ネイチャー・メディスン」に1掲載された論文によると、研究者らはアルツハイマー病に関連する18個のたんぱく質を発見した。このたんぱく質が検査の一部を担う可能性がある。

調査は米スタンフォード大学のトニー・ウィスコレイ准教授(神経学)が中心になって実施し、同氏は血液検査の開発で米サトリス(サンフランシスコ、未公開)の設立も支援した。

米国にはアルツハイマー病患者が約450万人いる。アルツハイマーは記憶や話す能力が損なわれる進行性の脳の病気。どの患者がアルツハイマー病を患っているかを医師が特定するのが難しいことから、新たな治療薬の研究は遅れている。現時点でアルツハイマー病を確認できる手段は検視解剖だけだ。(Bloomberg.co.jp)

アルツハイマー病について
脳の神経細胞が急激に破壊される認知症です。ついさっきのことを忘れるなどの記憶障害から始まり、症状は緩やかに進行します。初期には運動麻痺などの神経症状を伴わないのが特徴ですが、妄想などの症状は、比較的早く現れます。運動機能が保たれている分、徘徊などの行動が問題となります。

脳の神経細胞の病的な破壊が進み、神経が萎縮していくことが原因です。
アルツハイマー病になると、アミロイドベータという異常たんぱく質がたまることが突き止められてから、これを標的とする治療法の開発が進んでいます。

東洋新薬、特定保健用食品(トクホ)の取得件数が100件に

健康食品メーカーの東洋新薬は、特定保健用食品(トクホ)として、整腸効果が期待できる「エブリファイバー」などあらたに5商品の表示許可を厚生労働省から取得し、取得総数が100件に達したと発表した。トクホの許可商品数は710。同社の取得数は全国最多という。(asahi.com)

特定保健用食品(トクホ)とは?
その食品の中の成分が、科学的試験結果に基づいて健康に有用な機能性があると厚生省が認め、食品に「健康表示」(健康への効用を示す表現)を付けることを許可した食品です。

バランスの良い食生活を送るのが難しい今日、不足しているものを補ったり、食事の中で他の食品と置き換えたり、調理の材料や調味料のひとつとして利用するなどして日常的に取ることが効果的です。

赤ワインが食中毒の予防にも有効:米大学研究チーム

健康に多くの面で役立つ赤ワインで、食中毒も予防できることが分かった。ミザリー・コロンビア大のムスタパ博士を中心としたチームは、高コレステロール血症やがんの予防効果があることが知られている、赤ワインが腸内乳酸菌にどんな影響を与え、また病気を誘発する細菌を予防する效果があるかについて研究を進行した。

研究の結果、赤ワイン、特にカベルネットフランス、メルロット、ジンファンデルが、乳酸菌等の体に役立つ細菌には害にならず、病気を起こす食中毒誘発菌から人体を保護することが分かった。

今回の研究で大膓菌、サルモネラ、リステリア、ヘリコバクター・ピロリ菌などが研究された中で、特に食品や水で伝染し胃潰瘍をよく起こすヘリコバクター・ピロリ菌について、赤ワインが特に防御効果があることが分かった。

研究チームは赤ワインのエチルアルコール、pH、そしてワインの赤色を出すポリフェノールの一種であるリスベラールが食中毒を予防できると述べた。

食中毒について
急性腸炎のひとつです。食品中で増殖した最近が体内に入ってさらに増加し、胃腸に直接作用するタイプ(サルモネラ菌などの感染型)と食品中で増殖した細菌が毒素を生産して胃腸に作用するタイプ(黄色ブドウ球菌などの毒素型)があります。

感染型が潜伏期間が12時間から2、3日と長く、主な症状は38度以上の発熱、腹痛、嘔吐、下痢などです。一方、毒素型は潜伏期間が数時間から1日と短く、主な症状はほぼ同じですが、発熱はありません。

家庭での手当てで自然に回復することもありますが、症状が出るまで時間の短い毒素型は、重症化しやすく、受診が必要です。感染型でも、下痢などの症状がひどい場合には受診します。
血便や強い倦怠感をともなう腸管出血性大腸菌(O-157)によるものでは、生命にかかわることもあるので、緊急に受診が必要です。

病院での治療は、原因や症状にもよりますが、脱水を防ぐための補液、抗生剤の使用が基本です。

メタボリックシンドロームの診断基準を巡り異論が相次ぐ

おなかに脂肪がたまるメタボリックシンドロームの診断基準を巡り、専門家から異論が相次いでいる。基準の一つであるウエストサイズ(腹囲)が、女性で90センチ以上なのに対し、男性は85センチ以上と、諸外国に比べても厳しいなどが理由だ。
この症候群の人を見つける「特定健診・保健指導」が来年度に始まるが、「これでは健康な人まで『異常』と判定される」との指摘もあり、日本肥満学会などは今後、診断基準に関する委員会を開き、基準の見直しの必要性を検討するとしている。

この症候群は、腹囲に加え、血圧、空腹時血糖、血中脂質のうち2項目以上で異常があった場合に診断される。特定健診・保健指導は、40〜74歳が対象で、現在の健診の項目に腹囲測定が新たに加わる。(YOMIURI ONLINE)

メタボリック症候群
生活習慣病には高血圧、糖尿病、高脂血症などがあります。これらの疾患は内臓に脂肪が蓄積した肥満が原因であるとされ、内臓脂肪によりさまざまな病気が引きおこされる状態をメタボリック症候群といいます。

高血圧、高脂血症、糖尿病などひとつひとつの症状は軽くても、複合すると心筋梗塞や脳梗塞のリスクが急激に増大することから注目されています。
診断基準の必須項目としてウエスト径があり、男性85センチ以上、女性90センチ以上がメタボリック症候群を診断する際の目安となります。

顎顔面疾患の治療マッサージロボット「WAO-1」

早稲田大学の高西淳夫教授、朝日大学の勝又明敏准教授は、顎関節症などの顎顔面疾患の治療マッサージを医師や歯科医師に代わって行うオーラル・リハビリテーション・ロボット「WAO-1」を開発したと発表した。
歯科用レントゲン撮影装置メーカーの朝日レントゲン工業が製作した試作機を使い、11月にも実際の患者を対象に臨床応用試験を始める。

WAO-1は、顔やあごを2つの腕でマッサージするロボット。腕の付け根の位置から指の角度まで片腕ごとに制御可能で、あらゆる方向に力を加減できるのが特徴だ。

高西教授は歩行ロボットや感情表現ロボットなどの研究で知られ、今回のWAO-1にも、これら人型ロボットに使われる複雑な制御技術が搭載された。

市販のマッサージチェアなどは、指定されたプログラム通りに動くだけで、力をコントロールする機能はほとんど搭載されていないため、業界の取り決めで首から下のマッサージしかできない。
WAO-1は、首から上を初めてマッサージするため、ソフトウエアやヒューズなどで一定以上の力がかからないように制限を加えたほか、強い力がかかるとロボットの腕が折れる「トルクリミッター機能」を搭載した。(FujiSankei Businessi)

顎関節症とは?
口をあけ閉めするときや食べるときに、耳の前にある顎関節が痛み、口が開けられなくなったり、「カクカク」「ザラザラ」などの音がしたりします。
関節を動かす筋肉に異常がある場合、顎関節内の円板や関節包に損傷がある場合、関節円板の転移をともなう顎関節内障など、いくつかのタイプに分けられます。

原因ははっきりわかっていませんが、噛みあわせの異常、姿勢の悪さ、ストレスなど、いくつかの要因が重なり合って発症するといわれています。治療に際しては、消炎鎮痛剤や筋弛緩薬を投与したり、冷温シップ、マッサージなどを併用して、痛みや凝りをとります。

乳幼児の喘息治療薬「シングレア細粒4mg」が発売:万有製薬

万有製薬は乳幼児用の気管支ぜんそく治療薬「シングレア細粒」(一般名モンテルカストナトリウム)を発売した。苦味がなく、口の中ですぐに溶け、水なしで直接のませられることから乳幼児に服用させやすい新剤形となっている。
また、スプーン1杯程度のヨーグルトやゼリー、アイスクリームなどに混ぜてのませることもできる。対象年齢は1歳以上〜6歳未満。

シングレアは、ロイコトリエン受容体拮抗薬と呼ばれ、気管支気道の炎症を抑える。日ごろから気道の炎症やアレルギー反応を抑制し、発作を予防する長期管理薬として国内外のぜん息管理ガイドラインで推奨されている。

国内の臨床試験では、1日1回服用で小発作(軽い喘鳴があり軽い陥没呼吸を伴う)の回数は治療前の7.89回が、2週目4.56回、8週目2.66回に減った。

気管支喘息について
一般に「喘息」と呼ばれているものです。典型的な症状は、発作性の咳と、呼吸にともなうゼーゼー、ヒューユーという喘鳴、息が苦しくなる呼吸困難の3つがあげられます。
これらの症状が悪化と軽快を繰り返すのが特徴です。咳発作は、日中に比べ、夜間から早朝に起こることが多く、ひどいときは呼吸困難から生命の危機に陥ることもあります。

気管支喘息を根本的に治す方法はなく、長期的に病気と付き合っていかなければなりません。できるだけ発作を起こさないように、予防と自己管理に務めることが大切です。
発作を繰り返す人は、慢性的な気道の炎症がみられます。この炎症を抑えるためには、長期的に吸入ステロイド薬を常用すると効果があり、発作の予防につながります。

発作に対しては、気管支拡張薬が有効です。発作が激しく、呼吸困難で苦しんでいるときは、医療機関での速やかな治療が必要です。

ピロリ菌が長期間、感染し続ける仕組みを解明:東京大医科学研究所

ピロリ菌が、胃の中で感染を持続させる仕組みを、東京大医科学研究所などの研究チームが解明した。
ピロリ菌は胃潰瘍や胃がんの原因になるとされる。抗生物質による除菌以外の新たな治療法の開発につながる成果で、11日発行の米科学誌に掲載される。

胃や腸の表皮細胞は絶えず自ら細胞死を引き起こし、2〜3日ごとに新たな細胞と置き換わることで病原菌の感染から身を守る。その中で、ピロリ菌が長期間、感染し続ける仕組みは謎だった。

笹川千尋・東京大医科学研究所教授(細菌学)らは、ピロリ菌に感染したスナネズミでは、細胞死が通常の半分程度しか起きないことを発見。一方、「CagA」というたんぱく質を作れないピロリ菌を作り、スナネズミに感染させると、通常通り細胞死が起きた。このため、ピロリ菌は胃粘膜にCagAを注入することで細胞死を抑制していると結論した。

ピロリ菌の中には、薬に耐性を持つ菌も出始めている。笹川教授は「細胞死を抑制する経路を断てれば、持続感染を防ぐ新たな治療法への布石になる」と話している。(毎日新聞)

ピロリ菌とは?
正式名称をヘリコバクター・ピロリといいます。螺旋状の形をしていて、胃の粘膜に住みついています。胃の中に入ってきた細菌は通常、胃酸によって殺されますが、ピロリ菌は持っている酵素によって、胃の中にある尿素をアンモニアに変え、アルカリ性のアンモニアで胃酸を中和して、胃酸の殺菌作用を逃れています。

ピロリ菌は胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんの原因になるのではないかといわれています。ただし、ピロリ菌が陽性でも潰瘍が起こらない人、陰性でも潰瘍を起こす人がいて、ピロリ菌だけが原因とはいえません。他の因子(ストレス、食生活、体質、喫煙など)も関係していると考えられています。

ジェネリック医薬品の普及へ向け、調剤報酬を上乗せへ

厚生労働省は、先発医薬品と同じ成分・効果を持ちながら価格が安い後発医薬品(ジェネリック医薬品)を普及させるため、後発薬を一定数量以上、品揃えした薬局には調剤報酬を上乗せする検討に入った。具体的には現在、原則として1回420円の調剤基本料に加算する考えだ。

患者が後発薬を選ぼうとしても、薬局に在庫がなく、あきらめざるを得ないケースが少なくないことから、十分な種類と量の在庫を確保してもらい、患者のニーズに応えられる態勢を整える。平成20年度の診療報酬改定で実現を目指す。

後発薬の普及が進まない理由について、厚労省は後発薬に対する医師の根強い不信感だけでなく、薬局側にも薬の価格が安い後発薬を敬遠し、患者への説明の手間や在庫コストがかかることを嫌う傾向があると分析している。なかでも、在庫に関しては、患者が後発薬を希望しても、品切れだったり、後発薬そのものを置いていなかったりする薬局もあり、先発薬を選ばざるを得ないケースが少なくない。

社会保障費の伸びの抑制を求められている厚労省は、後発薬の使用が拡大すれば医療費削減につながるとみて、シェア(数量ベース)を現在の2倍の30%に拡大する計画だ。
薬局の在庫コストの軽減以外にも、後発薬の使用を前提とした処方箋書式への変更の検討など、普及に向けた取り組みを進めている。(産経新聞)

後発医薬品について
薬は、長い年月と多額の費用をかけて開発され、臨床試験などを経て有効性と安全性が認められたものだけが、医薬品として利用されています。

その薬を開発した製薬メーカーが特許を取れば、製造や販売を独占できるわけですが、特許期限は20〜25年で、それを過ぎるとほかの製薬メーカーでも同じような薬を製造、販売することが認められています。

この後発医薬品のうち、医療用医薬品(医師が処方する薬です)をジェネリック薬品と呼んでいます。画乳成分、品質、効果ともほぼ同じでありながら、開発費用がかからないので、価格を安く抑えられるのが大きな利点です。
欧米の医療機関では早くからジェネリック薬品が使用されており、5割以上を占めるとされています。

異常タンパクの修復メカニズムを解明:アルツハイマー治療に光

細胞内にたまった異常なたんぱく質を見つけ、修復機構を発動させるメカニズムを、奈良先端科学技術大学院大の木俣行雄・助教授(動物細胞工学)らのグループが解明し、8日付の米科学誌セルバイオロジーに発表した。アルツハイマー病など、異常なたんぱく質が蓄積する病気の治療につながる可能性があるという。

立体構造が変形した異常たんぱく質が細胞内で作られると、センサー物質「Ire1(ワン)」が検知し、構造の正常化を助ける分子「シャペロン」の合成量を増やして修復する。

Ire1にはふだん、シャペロンの一種「BiP」が結合しており、異常たんぱく質が増えると分離することが知られていたが、Ire1がどうやって活性化するかは不明だった。

木俣助教らは酵母を使った研究で、BiPが分離すると、Ire1が集合し、その中に取り込んだ異常たんぱく質に直接、結合することで活性化することを発見した。活性化したIre1は遺伝子に情報を伝え、シャペロンの合成を促す。(YOMIURI ONLINE)

アルツハイマー病について
脳の神経細胞が急激に破壊される認知症です。ついさっきのことを忘れるなどの記憶障害から始まり、症状は緩やかに進行します。初期には運動麻痺などの神経症状を伴わないのが特徴ですが、妄想などの症状は、比較的早く現れます。運動機能が保たれている分、徘徊などの行動が問題となります。

脳の神経細胞の病的な破壊が進み、神経が萎縮していくことが原因です。
アルツハイマー病になると、アミロイドベータという異常たんぱく質がたまることが突き止められてから、これを標的とする治療法の開発が進んでいます。

椎間板ヘルニアの原因遺伝子の一つを発見:新薬開発に期待

腰痛や座骨神経痛を招く椎間板ヘルニアの原因遺伝子の一つを、理化学研究所と慶応大、富山大、京都府立医科大の研究チームが発見した。この遺伝子のDNA塩基配列が特定のタイプの場合、そうでない人に比べて約1.4倍、発症しやすくなる。研究成果は発症の仕組みの解明や新薬開発に役立つと期待される。

この遺伝子は、軟骨組織だけにある「11型コラーゲン」を生み出す遺伝子の一つで、「COL11A1」と呼ばれる。日本人の椎間板ヘルニア患者の協力を得て、この遺伝子のDNA塩基配列を調べたところ、特定の部位の塩基の種類がチミンの人は、シトシンの人に比べ、11型コラーゲンを生み出す働きが3分の2程度に低下し、約1.4倍発症しやすくなることが分かった。(時事通信)

椎間板ヘルニアについて
椎間板は背骨を構成する複数の椎骨という骨の間にある軟骨組織です。吸い看板は空気の抜けたタイヤのようないびつな円形で、やわらかい髄核という組織を、線維輪という軟骨がタイヤの接地面のようにぐるっと巻いています。

この弾力性のある椎間板は椎骨と椎骨をつなぎ、脊椎にかかる衝撃を吸収するクッションの役割を果たしていますが、20歳代からすでに始まる組織の老化や強い衝撃などで線維輪がふくらんだり、線維輪に亀裂が生じて髄核が外にはみ出すと、脊椎や神経根を圧迫して障害を起こします。

椎間板ヘルニアは背骨の構成にしたがって、腰椎椎間板ヘルニアや頚椎椎間板ヘルニアなどに分けられ、それぞれ症状が違ってきます。

就寝中の降圧薬の効果切れに注意:脳卒中や心筋梗塞を発症

薬で血圧を下げている高血圧患者では、昼間の血圧にかかわらず、就寝中の血圧が高いほど、脳卒中や心筋梗塞などの脳心血管疾患を起こしやすいことがわかった。
今井潤・東北大教授(臨床薬学)らが、大規模な国際共同研究の結果を英医学誌「ランセット」に報告した。
朝飲んだ降圧薬の効果が切れ、睡眠中の血圧が十分に下がっていない可能性がある。

今井さんらは欧州などとの共同研究で、デンマーク、ベルギー、スウェーデン、ウルグアイ、中国、岩手県花巻市の一般住民7458人(調査開始時の平均年齢57歳)を約10年追跡調査した。

開始時に血圧を24時間測り、その後の発症率を調べた。開始時に降圧薬を飲んでいなかった5821人(うち約3割は高血圧患者とみられる)では、9%の人が脳心血管疾患を起こした。昼、夜ともに血圧が高い人ほど発症率が高かった。

これに対し、降圧薬を飲んでいた1637人では、約25%の人に発症があった。昼の血圧と脳心血管疾患の発症率には関係が見られなかったが、就寝中の上(収縮期)の血圧が90で約15%、110で約20%、130では約25%などと高いほど発症率が大きくなった。共同研究グループは、就寝中の上の血圧は120以上が高血圧としている。

東北大の大久保孝義准教授は「就寝中の血圧を測って降圧薬の効果を判定し、十分でない場合は寝る前に服薬するなどの対策が必要ではないか」としている。(asahi.com)

高血圧症について
高血圧症には、原因を特定できない本態性高血圧症と、身体のどこかに原因となる病気がある二次性高血圧症の2つがあります。日本では本態性高血圧症が高血圧症の9割以上を占めています。
症状はとくに現れませんが、人によっては肩こりや頭重感、不眠、動悸などを感じることがあります。

治療は、塩分を控えた食事を心がけたり、肥満を解消するなど、生活習慣の見直しが基本となりますが、それでも改善がみられない場合は、降圧薬を用います。

脳脊髄液減少症:保険適用外と医療機関不足で治療を受けられず

交通事故やスポーツなどの衝撃をきっかけに、激しい頭痛やめまいに襲われる「脳脊髄液減少症」患者の3分の1が、症状改善に有効な治療を受けられないでいる実態が、患者団体「サン・クラブ」の調査でわかった。

保険適用外で費用が高額なうえ、治療してくれる医療機関が少ないことが理由という。調査は、NPO法人「脳脊髄液減少症患者と家族の救済を考える会」が今年7〜8月、患者200人を対象に実施した。

脳脊髄液減少症は、衝撃で脳を保護する硬膜が破れ、脳脊髄液が漏れることによって起こるとされる。自分の血液を注入し、脳脊髄液が漏れ出す個所をふさぐ「ブラッドパッチ治療」が有効とされるが、調査結果によると、この治療を受けていない人が62人いた。
保険が適用されないため30万〜50万円かかる治療費が工面できない人や、限られた医療機関に患者が集中して順番待ちとなっている人がいるためだという。(YOMIURI ONLINE)

脳脊髄液減少症について
交通事故やスポーツなどによる衝撃で脳をおおう硬膜に穴があくと、脳と脊髄の周囲を循環している脳脊髄液が漏れて脳の位置が下がり、頭痛やめまい、倦怠感、吐き気、思考力・集中力の低下、睡眠障害などの症状が現れます。
立位や座位で症状が悪化し、横になると軽快することがあると言われていますが、全ての人に当てはまるわけではなく、症状が長期化すると体位による変動は少なくなるようです。

患者本人の血液を注射し、血液凝固で髄液が漏れた場所をふさぐ「ブラッドパッチ療法」が有効とされています。現在のところ厚生労働省は保険適用を認めていませんが、交通事故などの被害者らによって、むち打ちや転倒時の衝撃でも髄液が漏出することがあると主張され始めています。

喫煙と糖尿病で膵臓がんリスクが2倍に:厚生労働省研究班

たばこを吸っていたり、糖尿病と診断されたりした男性は、そうでない男性に比べて、膵臓がんのリスクが約2倍高くなることが、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)の大規模調査でわかった。

調査は、1990年と93年に、茨城や長野、大阪など9府県に住んでいた40〜60歳代の男女約10万人が対象。喫煙や病歴、運動などについてアンケート調査を実施。その後、2002年まで膵臓がんになるリスクとの関連を調べた。

その結果、喫煙していた男性は、非喫煙者に比べて、膵臓がんになるリスクが1・8倍高かった。また、過去に糖尿病と診断された男性は、そうでない男性よりも、リスクが2・1倍高かった。女性では、統計的な差がなかったが、男性と同じ傾向が確認された。

膵臓がんの発症リスクを高めると考えられていた肥満のリスクは確認されなかった。運動による予防効果も認められなかった。(YOMIURI ONLINE)

膵臓がんについて
膵臓がんは50〜70歳の男性に多くみられます。全体の9割は、外分泌(消化液の分泌)に関連した細胞にでき、特に膵液が運ばれる膵管に発生します。
早期がんでは目立った症状は現れず、進行とともに上腹部痛や背中の痛み、食欲不振、体重減少などの症状が出てきます。

がんが十二指腸に近い膵頭部に起こると、胆管を圧迫するために胆汁の通過障害が起き、閉塞性黄疸が現れます。

膵臓がんの治療は、がんを切除する手術が基本です。膵頭部のがんでは、胃や十二指腸、総胆管や胆嚢をいっしょに切除します。脾臓に近い膵尾部のがんでは、膵体部と脾臓を切除します。

C型肝炎のウイルス検査受診率に伸び悩み:厚生労働省

C型肝炎対策として国が2002年度から始めた40歳以上対象のウイルス検査の受診率が、5年間の累計で36%にとどまったことが3日、厚生労働省のまとめで分かった。
同省は「ウイルス感染に気付かずに放置すれば、肝硬変や肝がんに進行する恐れがある。自覚症状がなくても必ず一度は受診してほしい」と呼び掛けている。

ウイルス検査は老人保健法に基づき、40−70歳の主婦や自営業者ら国民健康保険加入者が主な対象。年1回の「基本健康診査」に合わせ、40歳、45歳など5年ごとの節目に受診できる仕組み。

02年度−06年度までに対象となったのは約2380万人だったが、実際に受診したのは約863万人。5年間の陽性率は0・8−1・6%で推移していた。

C型肝炎は輸血や注射針の回し打ち、ピアスの穴あけなどさまざまな感染ルートがあり、感染者は推定200万−240万人。このうち150万−190万人は自覚症状がないとされる。(shikoku.news)

C型肝炎について
C型肝炎は、感染した人の約3/4がキャリア(肝炎を発症しないでウイルスが持続的に存在している状態)になり、そのまた3/4の人がウイルスを退治しきれずにC型慢性肝炎になります。
慢性肝炎では症状がみられないことが多く、肝炎が悪化したときに、だるさ、食欲不振、軽い黄疸などがみられ、その状態を繰り返します。
慢性肝炎の中の約半数が肝硬変へと進み、その一部に肝臓がんが発生します。

C型肝炎ウイルスの感染の有無は、スクリーニング検査としてHCV抗体を調べます。
C型肝炎ウイルスに感染していることが確定したら、次に病気がどのレベルまで達しているかを調べることが大切です。
各種血液検査、腹部超音波検査、CT検査が有用ですが、さらに肝臓そのものを見る腹腔鏡検査や肝臓の組織を見る肝生検で、より正確な肝臓の状態を把握することができます。

胎児細胞は母体に入ると、乳がんを予防:米研究チーム

女性が子どもを産むと乳がんにかかりにくくなるのは、赤ちゃんを守る特性を持った胎児細胞が子宮内で母親に受け渡されるためではないかとする説が、2日発売の医学誌「Cancer Research」10月号に発表された。

米シアトルのワシントン大学とフレッド・ハッチンソン癌研究所の共同研究チームは、胎児から母体に細胞が受け渡されるという現象(母子間マイクロキメリズム)に乳がん抑制効果があるかどうかを調べるため、女性82人(うち35人は乳がん患者)の血液を採取し、胎児のDNAが含まれる割合を調査した。

その結果、胎児のDNAが血中に含まれていた割合は、乳がんにかかったことのある女性で14%だったのに対し、乳がんにかかっていない女性の場合は43%にのぼった。

研究責任者は、「胎児細胞は母体に入ると、乳がんになりそうな細胞を見分けて破壊するのではないか」との仮説を立てている。ただ、同研究チームでは幹細胞に要因があるとする別の説についても調べており、今後もさまざまな角度から研究を継続する必要があるとしている。(AFP)

乳がんについて
乳がんは、1.子供を生んだことのない人、2.30歳を過ぎてから初産を経験した人、3.初潮が早くて閉経が遅い人、4.脂肪摂取量の多い人、5.肥満傾向の人、6.親や姉妹など近親者に乳がんになった女性がいる人、などに発症が多く見られる傾向があります。
このことから、乳がんの発生・増殖にはホルモン(とくに妊娠・出産・授乳に関係する女性ホルモン)のバランスが多く関係していると考えられています。

現在、日本では、年間2万人の乳がん患者が発生しているますが、患者数は今後も増加が予測され、近い将来、乳がんは胃がんを抜いて女性の部位別がんの死因の1位になるとされています。

脂肪の質を変化させて糖尿病を予防

肥満になっても脂肪の質を変化させれば糖尿病になりにくいことを、筑波大大学院の島野仁准教授(内分泌代謝学)らが動物実験で突き止めた。米医学誌ネイチャーメディシン(電子版)に発表した。

糖を体内に取り込むインスリンの働きが、肥満や脂肪の増加によって妨げられるのが糖尿病の原因の一つとされる。

研究チームは、通常のマウスと、脂肪のもとになる脂肪酸の一種を合成する酵素を遺伝子操作で欠損させたマウスを、体脂肪率40%まで太らせて脂肪肝にしてみた。

通常のマウスの肝臓ではインスリンの働きを助けるたんぱく質が減り、働きを妨げるたんぱく質が増加。高血糖など糖尿病につながる恐れのある症状が出た。問題の酵素を欠くマウスは、インスリンの働きが適正体重の時とほぼ同じだった。

島野さんによると、この酵素がないと脂肪の質が変化して、肝臓にたまってもインスリンの働きを妨げずにすむらしい。

運動や食事制限をうまく実行できない糖尿病の患者に対し、この酵素を邪魔する治療法も考えられる。島野さんは「ダイエットが難しくても、糖尿病への効果が期待できそうだ」という。(asahi.com)

糖尿病について
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、インスリンの作用が低下する病気です。インスリンには、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギー源として筋肉に蓄えたり、脂肪として長期的に貯蔵するのを促進するはたらきがあります。

インスリンの作用が低下すると、血液中のブドウ糖が細胞で利用されないため、血液中の濃度が上昇し(血糖値が上がり)、尿中にも糖が混じるようになります。

糖尿病が進行すると、細小血管がおかされ、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの合併症が現れます。また、メタボリック症候群と呼ばれる病態に加え、禁煙などの危険因子が重なると、動脈硬化を基盤とした大血管障害を合併し、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。

飲んだら顔が赤くなる人、膵臓がんリスクが1.4倍に

酒を飲むと顔が赤くなる人は、そうでない人に比べて、膵臓がんになるリスクが1.44倍高いことが、愛知県がんセンター研究所(名古屋市)の調査で分かった。

アルコールを体内で分解する酵素の遺伝子タイプの違いによるもので、同研究所の松尾恵太郎主任研究員(がん疫学)は「飲酒後に顔が赤くなる人は、口腔がんや咽頭がんのリスクも高くなる。顔が赤くなるのは体内からの注意信号だと思って、飲酒を控えた方がいい」と助言している。

飲んだアルコールは体内でまず、発がん性が指摘されているアセトアルデヒドに分解され、次に酢酸へと分解されていく。松尾主任研究員らは、このアセトアルデヒドを分解する能力が、酵素の遺伝子タイプによって三つに分かれることに着目。
2001〜05年に同センターを訪れた膵臓がん患者138人と、がんではない1373人の酵素の遺伝子タイプと飲酒との関係を調べた。

その結果、分解能力が低く飲酒後に顔が赤くなる人は、分解能力が高く飲酒しても顔が赤くならない人に比べて、膵臓がんになるリスクが1・44倍高かった。(YOMIURI ONLINE)

膵臓がんについて
膵臓がんは50〜70歳の男性に多くみられます。全体の9割は、外分泌(消化液の分泌)に関連した細胞にでき、特に膵液が運ばれる膵管に発生します。
早期がんでは目立った症状は現れず、進行とともに上腹部痛や背中の痛み、食欲不振、体重減少などの症状が出てきます。

がんが十二指腸に近い膵頭部に起こると、胆管を圧迫するために胆汁の通過障害が起き、閉塞性黄疸が現れます。

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