幹細胞移植で脳梗塞患者の神経機能を回復:先端医療センター

脳の血管に血栓が詰まり、そこから先に栄養や酸素が行き届かなくなった結果、脳細胞が壊死する脳梗塞。言語障害、視野障害、体の麻痺など、発生部位によって様々な症状が現われるこの病気で亡くなる方は年間約7万人とされおり、高齢社会で高血圧や糖尿病、動脈硬化等の危険因子を抱えた人が年々増加しているため、死亡者数は今後も増加すると考えられています。

そんななか、兵庫県神戸市の先端医療センター病院では、脳梗塞の発症直後の重症患者を対象に、患者本人の骨髄から採取した幹細胞を注射し、患部周辺の血管を再生して障害を受けた神経機能を回復させる臨床研究をスタートさせました。

研究チームは、脳梗塞の発症直後、神経細胞のもとになる神経幹細胞が患部周辺へ集まって神経を再生しようとする点に注目。動物実験では、血管の再生により神経幹細胞に栄養などが供給でき、失われた神経機能が改善されることを証明しました。

ヒトを対象とした臨床研究では、2009年に世界に先駆けて国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)で実施、現在まで8例を実施し、半年後には6例が歩行できるまでに改善したほか、脳の血流量が増加するなどの効果が見られました。

対象となるのは、心臓でできた血栓が血流で脳に運ばれて詰まったタイプの脳梗塞を発症した20〜75歳の患者となっています。また他の治療法では改善が見られないなどの条件もあり、発症後10日以内に幹細胞を移植します。同治療法を受けられるのは隣接する神戸市立医療センター中央市民病院国立循環器病研究センターの患者がメインとなりますが、他病院の患者についての相談にも応じるとしています。

脳梗塞は発症3時間以内ならば、血栓を溶かす作用のある「tPA」が特効薬となりますが、重篤な脳内出血のリスクもあることから専門医を揃えた医療機関でないと対応が難しかったり、発症から時間が経過して神経障害が起きた後の治療法は確立されていないなどの問題がありました。

同センターの田口明彦再生医療研究部長は「効率よく幹細胞の分離できる機器や、幹細胞と同様の作用を持つ新薬の開発も進め、脳梗塞による寝たきりの患者さんを減らしたいと」と語っておられます。

失明ラットが、正常に近い視覚を回復:眼病治療に光

東北大国際高等研究教育機構の富田浩史准教授(分子生物学)らの研究グループは5日、光を感じる緑藻の遺伝子を組み込んだ失明ラットが、正常に近い視覚を回復することが分かったと発表した。4日付の米科学誌プロスワンに掲載された。

研究グループは、緑藻に光を感じる遺伝子があることに着目。この遺伝子を組み込んだラットを失明させて実験した結果、ものの動きや色の濃淡の判別などで正常なラットとほぼ同等の視覚を取り戻したという。

研究グループによると、国内では毎年約1万6千人が難病の網膜色素変性症加齢黄斑変性のほか、糖尿病網膜症緑内障などで失明している。富田准教授らは人に近いサルを使った実験を進め、この遺伝子を注入して視力を回復させる治療法の確立を目指していく方針。(香川ニュース)

加齢黄斑変性症
廊下によって網膜の中心の黄斑部に異常が起こります。網膜の外側にある網膜色素上皮の細胞が老化すると、そこに老廃物がたまってきます。その老廃物を吸収するために、脈絡膜の血管から新たに新生血管ができます。

ところが、新生血管は、もろくて破れやすいため、出血したり、血液成分が周囲に漏れ出してしまいます。この新生血管が網膜の中に入ってきて、出血やむくみを起こします。

新生血管が黄斑の領域に発生し、黄斑が膨れ上がってきて異常が起こると、視力障害が現れます。初期にはものの中心がぼやけたり、黒ずんで見えたり、ゆがんで見えるようになります。

がん患者の2%はCT検査による医療被曝が原因:コロンビア大学

放射線を利用するCTスキャンの使用頻度が米国で急増、将来のがん患者のうち約2%をこれらのCT検査による被ばくが引き起こす恐れがあると、コロンビア大の研究チームが米医学誌に発表した。CT検査の3分の1は医学的に不要との統計もあるとして、不必要な使用を避けるよう警告している。

チームによると、米国の医療現場でCTスキャンの使用回数は1980年の約300万回から2006年には約6200万回へと急増。断層画像を取得するのに何度もエックス線を照射するため、撮影1回当たり15−30ミリシーベルトを被ばく。
一連の検査でこれを2、3回繰り返し、計30−90ミリシーベルト被ばくするという。

チームは「CT検査の利益とリスクを比較することが大切だが、不要不急の検査や、放射線の影響を受けやすい子どもへの使用は控えるべきだ」としている。(北海道新聞)

CT(コンピューター断層撮影装置)検査について
横たえた体を、円筒状のX線発射装置の中でスライドさせながら、360度の方向から一定の間隔で撮影し、コンピュータ処理して、体内の多数の断面画像や立体映像を得るものです。

体の奥深くの臓器にも対応でき、全身の臓器の病気を観察することができます。
通常のCT検査で診断が確定できない場合は、造影剤を血管から注入して、病変部位を浮き出させる方法が用いられます。

肥満症治療剤「KES524」の製造販売の承認申請:エーザイ

エーザイは、国内で開発を進めてきた肥満症治療剤「KES524」について製造販売承認の申請を行ったと発表した。「KES524(一般名:シブトラミン塩酸塩水和物)」は、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害作用に基づく肥満症治療剤で、すでに世界83カ国で承認・販売されている。

エーザイの発表によると、肥満症患者を、KES524投与グループとプラセボ投与グループに分け、多施設、無作為化二重盲検比較試験を52週間を実施した。
その結果、体重、内臓脂肪面積などにおいて、同剤を投与したグループはプラセボ投与したグループと比較して有意な改善が確認できたとしている。

副作用としては、軽度または中程度の便秘、口内乾燥、心拍数増加等がみられた。
同社では、「欧米と同様、日本でも肥満症や近年注目されているメタボリックシンドローム等における疾病管理の重要性が高まる中、肥満症の疾病管理に資する新たな治療剤を提供することで患者のベネフィット向上に貢献していきたい」としている。(tech inside)

肥満症について
食べ過ぎや運動不足による単純性肥満と、ほかの病気が元になって起こる症候性肥満の2つに分かれますが、ほとんどの場合が単純性肥満です。単純性肥満は、摂取したエネルギーに消費エネルギーが追いつかず、余分なエネルギーが追いつかず、余分なエネルギーが脂肪として体内に蓄積されるものです。

アレルギー性皮膚炎の改善する緑茶染め綿製品

アレルギー性皮膚炎の改善効果を期待できる緑茶染め綿製品を、浜松市の緑茶関連商品開発会社「エルブ」が開発し、特許を取得した。既に認められている緑茶の抗菌、消臭作用に加え、緑茶の保健作用を生かした衣料などの普及に弾みがつきそうだ。

アレルギー反応の初期の段階では、治療薬が6割程度の抑制力を持つのに対し、緑茶染めも4割程度の抑制力を示した。初期のほか、強い反応を起こした後や、腫れた後から塗っても抑えられ、予防、治療双方の効果が確認された。この研究成果などを基に10月、特許が下りた。

既に、緑茶染めの綿製品の量産技術や抗菌・消臭作用については特許を取得し、靴下やタオル、Tシャツなどを販売している。今後はこれらの商品に「肌を健やかに保つ」「肌が弱い人も安心」などと明記して販売するという。(中日新聞)

アレルギー性皮膚炎について
アレルギーによる皮膚トラブルは、「蕁麻疹」「接触皮膚炎」「アトピー性皮膚炎」が3大症状といわれています。しかし、アレルゲン(抗原)は、動植物、食品、化粧品、金属、化学薬品、薬など、さまざまなものが考えられるため、原因が特定できない場合も多くあります。

アレルギー性皮膚炎の症状は、「軽微」「軽症」「中等症」「重症」と段階的に悪化していきます。皮膚のかゆみによってかいてしまい、それによって悪化していく、という悪循環に陥り、症状が悪化していきます。

大豆食品をよく食べる女性は、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが低下

大豆食品をよく食べる中高年女性は、そうでない人より脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクが低いとの疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が29日までにまとめた。
大豆に含まれるイソフラボンが影響しているらしい。男性にはこうした傾向はみられなかった。

研究班は岩手、秋田、長野、沖縄の4県で、40−59歳の男女約4万人を1990年から2002年にかけて追跡。期間中、587人が脳梗塞を、308人が心筋梗塞を発症した。

豆腐や納豆などの大豆食品を週に5日以上食べる女性は2日以下の女性よりも、脳梗塞の発症リスクが36%、心筋梗塞の発症リスクは45%低く、循環器疾患による死亡のリスクは69%低かった。

大豆食品の量からイソフラボンの摂取量を算出して分析したところ、イソフラボン摂取量が多いほど脳梗塞、心筋梗塞のリスクが低い傾向があり、特に閉経後の女性でその傾向が顕著だった。(shikoku news)

心筋梗塞について
狭心症がさらに進行して、心筋に酸素を補給している冠状動脈がつまり、心筋が壊死した状態が心筋梗塞です。40歳代から発症率が高くなり、50〜60歳代がピークです。

大部分は、動脈硬化によって内側が狭くなっている冠動脈に血液の塊(血栓)が詰まって起こりますが、冠状動脈の一部に球に痙攣が生じて起こる場合もあります。

症状は突然の激しい胸痛で始まります。締め付けられるような激しい痛みや圧迫感のために冷え汗を流し、安静にすることができません。ときには意識を失うこともあります。

ED(勃起障害)に悩む男性、1/3がすぐに治療を断念

ED(勃起障害)に悩む男性の3分の1が、初めて服用した治療薬で効果を得ることができず、そのまま性生活を完全にあきらめている実態が明らかになった。
性機能障害について研究を行う欧州の非営利団体が、独医薬品大手バイエルの資金援助を受け、ED患者631人(平均年齢55歳)を対象に調査を実施。27日にリスボンで開かれた会議で結果を発表した。

それによると、調査対象者全員が治療薬を服用したことがあり、うち7割が調査当時も何らかの薬の服用を続けていた。また対象者の68%が、最初に試した治療薬の効果が感じられなかった時、自信を喪失したと回答。32%が落ち込んだ状態になり、24%は自分の症状は今後良くならないと思ったと答えた。
全体の3分の1が、最初の治療薬で失敗した後、ほかの薬を試すために医師を再度訪ねることはなかったという。

今回の結果について、調査を行った団体では「男性が依然EDの治療に関する助けを求めることに消極的だと裏付けられるとともに、初回の治療が成功することの重要性がわかった」としている。(MSN産経)

ED(勃起不全)について
陰茎が十分に勃起しないため、性行為が満足に行なえない状態です。身体的な原因としては、先天性・後天性の陰茎の形体異常、男性ホルモンの不足による発育異常、脳・脊髄の病気による勃起不全などがあります。糖尿病が十分に治療されずに数年以上経過したり、重症になるとEDになることがしばしばあります。

しかしながら、EDを訴える人の多くは、身体の病気は見つからず、いわゆる心因性であることが多いようです。特に新婚の場合は、精神的な原因によって不能になることが多く、過労、心配、早漏による自信喪失なども原因となります。

がん予防に野菜だけでは不十分:世界がん研究基金

がん予防のためには、野菜を食べるだけでは安心できない―。世界がん研究基金(本部・ロンドン)が公表した報告書で、こんな評価が出た。
10年前にまとめた最初の報告書では、野菜の摂取は肺など5種のがんについて「確実にリスクを下げる」と5段階で最も高く評価されたが、今回は急落。胃などについて、「恐らく確実にリスクを下げる」とされるにとどまった。代わって浮上したのは「適正体重の維持」だった。

10年で最も大きく変わったのが野菜への評価。初版で野菜が「リスクを確実に下げる」とされたがんは、口腔、食道、肺、胃、大腸。「恐らく確実に下げる」が喉頭、膵臓、乳房、膀胱(ぼうこう)。多くのがんの予防につながるとされた。
それが今回、「確実に下げる」はゼロ。「恐らく確実」も口腔・咽頭・喉頭、食道、胃の各がんにとどまった。

代わりに危険因子として浮かび上がったのが「肥満」(日本では体格指数=BMIが25以上)で、食道、膵臓、大腸、乳房、子宮体部、腎臓の各がんで「リスクを確実に上げる」とされた。
ただ、一般的には野菜を多く食べ、運動することで「肥満」を防げるとされる。(asahi.com)

BMI(体格指数)について
BMIという指数を計算すると、自分が太っているか、太っているとすれば肥満度はどれくらいなのかを知ることができます。BMIは次のような計算式で求めることができます。

BMI=体重(kg)÷身長(m)の2乗

その結果18.5以上25未満であれば普通体重の範囲となり、25以上なら肥満と判定します。
BMIを割り出して、肥満の範囲に入る結果が出たとしても、本当に肥満といえるのか、危険な太り方なのかどうかは、体重に占める脂肪の割合や、脂肪のつき方によって違ってきます。

肥満は、体に脂肪がたまりすぎた状態のことですから、筋肉量の多く、いわゆる固太りは、肥満とはいえません。BMIが25以上の場合は、医師の診察を受け、肥満とかかわりのある病気の検査をしてもらうようにしましょう。

自然に骨とフィットするチタン合金製人工関節

周囲の骨と自然に一体化するチタン合金製人工関節の実用化技術を、中部大と京都大、金沢医科大の共同研究グループが確立した。この技術は日本メディカルマテリアルが厚生労働省の認可を受け、10月から医療現場で使用が始まっている。

研究グループは1994年、チタン合金に水溶液処理や加熱処理を加えると、体液中で骨と同じ成分を持つ膜をつくり出すことを発見。動物実験などを繰り返し、チタン合金にできた膜を骨と完全に一体化させることに成功した。2000年からは科学技術振興機構の支援を受け、チタン合金製人工関節の臨床治験を京都大や金沢医科大で実施し、成果を確認した。

骨と一体化する技術では、セラミックが人工骨として利用されているが、強度不足のため人工関節への技術活用には至っていない。人工関節には、チタン合金製がこれまでも使われているが、従来の技術では結合が不十分なため、10−15年程度で交換が必要だった。

新技術を用いれば、長期間使用できるのが特色。従来の人工関節とほぼ同程度の費用で提供できるといい、高齢による変形性股関節症などへの有効な治療手段として注目される。(中日新聞)

変形性股関節症とは?
股関節は、球形の大腿骨頭が、骨盤にある臼蓋にはまり込み、そのなかで自由に動く仕組みになっています。変形股関節症は、大腿骨頭の関節軟骨が加齢とともに擦り減り、臼蓋と直接触れ合うようになるために痛みが引き起こされるものです。

症状は、最初は時々股関節が痛みますが、休めば治る程度です。それを放置していると中高年になってから、しょっちゅう痛むようになります。
歩くと痛みが増して、休むと治りますが、そのころには股関節の運動も制限されてきます。

ヒトの皮膚から万能細胞:病気の原因解明や新薬開発研究に期待

人の皮膚細胞に遺伝子操作を加え、万能性を持つ胚性幹細胞(ES細胞)のように、さまざまな細胞に成長できる人工幹細胞をつくることに、京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授らと米ウィスコンシン大のチームがそれぞれ成功し、21日付で発表した。山中教授らの研究は米医学誌セルに、ウィスコンシン大は米科学誌サイエンスに、それぞれ論文が掲載される。

ES細胞と違い、作製に人の受精卵や卵子が不要なため、倫理問題を回避できるのが最大の利点。患者の治療に使うにはまだ安全面の課題が残るが、病気の原因解明や新薬開発などの研究には早期に利用可能とみられ、再生医学研究を加速させる画期的成果だ。

山中教授らは、大人の皮膚細胞に特殊なウイルスを使って4種類の遺伝子を組み込んで培養。未分化な性質を保ったまま増殖し、多くの種類の細胞に成長できるなど、ES細胞と似た性質の幹細胞をつくった。ウィスコンシン大は胎児と新生児の皮膚細胞に、うち2つは山中教授らと異なる4種類の遺伝子をウイルスで組み込み、同様の幹細胞を得た。

人工幹細胞は、最終的には患者に拒絶反応なく移植できる治療用の細胞としての利用が期待されるが、両チームとも有害性が否定できないウイルスを使っており、改善が必要。
さらに山中教授らの4遺伝子の1つはがん遺伝子で、ウィスコンシン大は胎児、新生児の細胞でしか成功しておらず、一長一短がある。

ES細胞とは?
生体の組織や臓器の元となる細胞のこと。幹細胞、または胚性幹細胞ともいいます。
受精卵が細胞分裂を繰り返し、ある程度の細胞塊になった頃に取り出して培養することで、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力を持ったES細胞を得ることができます。

別の胚に混ぜて培養させると生体の組織や器官を人為的に作り出すことができるため、神経細胞や血液細胞の再生医療の技術として、難病治療への応用が期待されています。
1998年11月、アメリカのトムソン博士によって、ヒトのES細胞の培養が世界ではじめて成功しました。

葉酸がうつ症状を抑制か:食習慣の調査結果

野菜や果物などに含まれる葉酸の摂取量が少ないほど、うつ症状の人が多い傾向にあることを、村上健太郎東京大医学部助教と溝上哲也国立国際医療センター研究所部長らが調査で見つけた。
日常の食事が精神的な健康にかかわっていることを示す研究。関連は欧米では報告されていたが、日本人のデータは初めてという。国際栄養学雑誌に近く発表する。

研究グループは昨年、福岡県の20代から60代の517人(男性309人、女性208人)に、過去1カ月間に食べたものを詳しく聞き、各栄養成分の摂取量を算出した。同時に別の質問でうつ症状があるかどうかを調べ、摂取した各栄養素との関連を探った。

その結果、葉酸の摂取が少ない人ほどうつ症状の割合が高かった。摂取が多い人では、少ない人よりうつ症状が半減していた。この傾向は女性でもうかがえたが、男性でよりはっきりしていた。

年齢や肥満、喫煙、飲酒、結婚しているかどうか、ストレスなどの影響を除いて解析した結果で、葉酸そのものがうつ症状を減らしている可能性が高いという。

うつ病の治療について
休養と薬物療法が基本です。心の活力が枯渇した状態ですから、ゆっくりと休んで回復させることが先決です。薬物療法としては、シナプス間隙のセロトニンやノルアドレナリンの機能を正常にする作用のある抗うつ薬が用いられます。

最近では、抗うつ効果が高く、副作用が少ないといわれるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)が、主流になってきています。

うつ病は再発しやすいので、症状が改善しても服薬を中断せずに、医師の指示通りに、服用を続ける必要があります。

がん検診の受診率:目標の5割実現可能は4県のみ

がん対策推進基本計画の個別目標である「5年以内にがん検診受診率50%」の実現について、43都道府県が困難か不明と考えていることが、読売新聞社の全国調査でわかった。

調査は、今年9〜10月、市町村のがん検診を指導管理する全都道府県を対象に、検診などの現状を尋ねた。厚生労働省によると、2005年の市町村のがん検診の受診率は、12・4〜22・3%と低迷しているが、今回の調査の結果、50%の受診率達成が「可能」としたのは宮城、茨城、埼玉、福井の4県。山形など7県は「難しい」と回答した。残る36都道府県は「わからない」と答えたが、その中には「(県の)普及啓発だけでは既に限界」(山口)など、現状では難しいという回答が目立った。

受診率向上を阻む障害(複数回答可)について、「市町村の財政難」を挙げたのが42都道府県と最も多く、「住民の関心の薄さ」の34道府県、検診の対象者数や受診率など「基本データの不足」の33都府県を上回った。こうした状況に加え、「特定健診による市町村業務の負担増」を32都道府県が挙げた。

「がん検診が、(国の財政支援がない)市町村の努力義務では不安定」(長崎)といった声も目立った。こうした事情を反映し、年度末までに都道府県が独自に策定する「がん対策推進計画」で、調査時に受診率50%を上回る高い目標を盛り込む予定としたのは宮城、兵庫にとどまる。(YOMIURI ONLINE)

検診について
家系的にがん患者の多い人は、人間ドックなどの検診の際に自己申告し、がん検診のための追加検査を受けるとよいでしょう。がん検診は、がんの早期発見を目的として行われます。
定期検診、人間ドックなどでもがんの検査は行われますが、それらは成人病発見検査の一環として実施されるもので、決して完全なものではありません。

がんは早期発見、早期治療を徹底できれば、現代医学ではそれほど怖い病気ではありません。面倒くさがらずに進んでがん検診を受け、早期に疾患を発見することが大切です。

メタボ予防成分「レスベラトロール」を効率的に製造:医薬品応用も

ブドウなどに含まれるポリフェノールの一種で抗酸化性に優れ、メタボリック症候群(内臓脂肪症候群)などの予防効果があるとされている物質を効率的に製造する技術を、滋賀県長浜市のバイオベンチャー企業が開発し、16日に長浜バイオ大で開かれたシンポジウムで発表した。健康補助食品として製品化を進めており、将来的には医薬品研究、開発での利用が期待されるという。

「レスベラトロール」と呼ばれる植物成分で、抗酸化性物質を使った食品原料などの開発を手がけるシードライフテックが、ブドウの種子の発芽過程で、体内への吸収度が高まる水溶性のレスベラトロールを高濃度で作ることに成功した。

レスベラトロールは、サルやマウスの実験で、寿命を延ばしたり、肥満抑制に関係する遺伝子を活性化させる機能があることを、米・ハーバード大などの研究者らが科学専門誌で発表している。
しかし、ブドウの種子中の含有量が1%程度と少なく、効率的に抽出するのが難しいほか、脂溶性のため体に吸収されにくいとされていた。

シード社は、種子を温度や酸素量など一定の条件で発芽させることで糖分と結合させ、短時間で水溶性のレスベラトロールを生成させた。発芽前の種子には数個しかない結合体が発芽後は数千個に増える、としている。(京都新聞)

ポリフェノールについて
ポリフェノールは、植物が光合成でつくる糖分の一部が変化したものです。
ポリフェノールの種類は約300種におよび、複数の水酸基(OH基)が結合したベンゼン環をもっているのが特徴です。このOH基は活性酸素やフリーラジカルといった有害物質を捕らえて、安定した無害な物質に変える作用があります。このため、ポリフェノールは強力な抗酸化作用があります。

また、脂肪燃焼を促進する効果、血栓を予防して血液をサラサラにする効果、血管を守る作用、血流を改善する作用など、さまざまな健康効果があることがわかっています。

NTTドコモが特定保健指導サービス:オーダーメイド創薬と協業

NTTドコモは、特定健診(メタボリック・シンドローム健診)の保険指導ビジネスにおいて、オーダーメイド創薬と協業すると発表した。2008年4月より、メタボリック・シンドローム健診が開始される。今回の協業は40〜74歳の健診対象者に、携帯電話を使って保健指導や健康に関するコンテンツを提供するためのもの。

ドコモによれば、検診の対象者は約5,700万人おり、このため医療機関が食生活に関するアンケートを実施して保健指導を行なうことが事実上、困難な状況にあるという。
ドコモとオーダーメイド創薬では、保険組合が指定する機関や病院に対して、携帯電話で保険指導が行なえる仕組みをシステムを提供する。健診にかかる費用は保険が適用されるため、各ユーザーが加入している保険組合が費用を負担するとみられる。

ドコモはシステムの構築や運用、ユーザーの管理などを担当し、オーダーメイド創薬が実際の保険指導のノウハウを提供する。Webベースのソリューションとなるため、ドコモユーザーだけでなく、そのほかの携帯ユーザーも利用できる見込み。サービスは、メタボリック・シンドローム健診が開始される2008年4月を予定している。(ケータイwatch)

メタボリック・シンドロームとは?
生活習慣病のなかの、内臓脂肪蓄積型肥満、脂質代謝異常、高血圧、糖代謝異常の4つは、とくに「メタボリックシンドローム」と呼ばれ、これらの要素が複数合併すると、それぞれが軽症でも動脈硬化が加速され、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まってきます。

メタボリックシンドロームの診断基準は、ウエスト周囲径が男性85cm以上/女性90cm以上で、かつ下記のA・B・Cのうちの2項目を満たすときです。

  • A.脂質異常…中性脂肪150mg/dl以上あるいはHDLコレステロール40mg/dl未満
  • B.血圧異常…最高血圧130mmHg以上あるいは最低血圧85mmHg以上
  • C.糖代謝異常…空腹時血糖110mg/dl以上

C型肝炎治療の効果:事前のウイルス遺伝子解析で判定

C型肝炎ウイルスの遺伝子に特定の変異がある場合、標準的な治療法が効きにくいことが、虎の門病院の芥田憲夫医師、熊田博光分院長らの研究で分かった。
事前に遺伝子を調べることで、無用な治療による高額な医療費や副作用の問題を避けることができる。肝臓病学の国際専門誌に発表した。

C型肝炎ウイルスは遺伝子の型によって分類され、日本人の約7割を占める「1b型」はインターフェロンが効きにくいことが知られている。

芥田医師らは、1b型の中でも遺伝子の違いが治療効果に関与している可能性があると考え、現在の標準的な治療法である新しいタイプのインターフェロンと抗ウイルス剤リバビリンの併用療法を受けた患者約300人のウイルスの遺伝子を解析した。
その結果、遺伝子の特定の2カ所に変異がある場合には効果がないことが分かった。こうした患者は、全体の約15%を占めるという。(jiji.com)

C型肝炎について
C型肝炎は、感染した人の約3/4がキャリア(肝炎を発症しないでウイルスが持続的に存在している状態)になり、そのまた3/4の人がウイルスを退治しきれずにC型慢性肝炎になります。

慢性肝炎では症状がみられないことが多く、肝炎が悪化したときに、だるさ、食欲不振、軽い黄疸などがみられ、その状態を繰り返します。慢性肝炎の中の約半数が肝硬変へと進み、その一部に肝臓がんが発生します。

ベータカロチンの長期摂取が認知能力の低下を抑制

ニンジンなどの野菜に含まれる抗酸化物質、ベータカロチンを長期間にわたって摂取した男性は認知能力の低下が少ないとの研究結果が、12日発行の米国医学会の専門誌「Archives of Internal Medicine」に掲載された。

研究を発表したのは、ハーバード大学ブリガム&ウィメンズ病院のFrancine Grodstein氏率いる研究チーム。研究チームは、アルツハイマー病などの衰弱性神経疾患の予防に役立つのではないかと期待を寄せている。

ニンジンのだいだい色の元であるベータカロチンは肝臓でビタミンAに分解される。活性酸素による損傷も防ぐ。ホウレンソウ、サツマイモ、コリアンダーなどにも含まれる。

短期間のグループには、ベータカロチンを摂取した人と偽薬を摂取した人の間に認知能力の違いは認められなかった。一方、長期間のグループでは、ベータカロチンを摂取した人の方が、偽薬を摂取した人より認知能力テストの成績が明らかに良かった。(AFP)

ベータカロチン
しょくぶつの黄色や赤の色調を持つ、脂溶性色素をカロチノイドといいます。カロチノイドは、体内に取り入れるとビタミンAに変わるので、ビタミンAの前駆物質、プロビタミンAと呼びます。
プロビタミンAのなかでも食品に多く含まれ、最もよくはたらくのがベータカロチンです。

ベータカロチンは、体内ですぐにビタミンAになるのではなく、必要量だけ徐々に変換されます。変換されないベータカロチンには、活性酸素の生成を抑制する作用があることがわかっています。

活性酸素は強力な酸化作用を持ち、老化を早めたり、がんを誘発するなどのさまざまな悪影響を身体に及ぼします。人体の酸化防止機能はは年齢とともに衰えていきますので、栄養として摂取できる抗酸化物質のベータカロチンには期待が寄せられています。

アルツハイマー治療薬「ドネペジル」:興奮症状に効果なし

アルツハイマー病患者によくみられる興奮症状に対し、コリンエステラーゼ阻害剤ドネペジルは効果がないという結果評価を、米臨床医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』が掲載した。

キングス・カレッジ・ロンドン付属精神医学研究所のロバート・ハワード氏らは、明らかな興奮症状があり、短期の心理的な治療プログラムで症状が改善しなかったアルツハイマー病患者272人を、ドネペジル投与群と偽薬投与群に無作為に割り付けた。

ドネペジル投与群には1日10mgのドネペジルを、偽薬投与群には偽薬を、それぞれ12週間投与した。12週時点での評価は得点が高いほど興奮状態であることを示すCMAIスケールを使った。

その結果、CMAIスコアが30%以上改善したのは偽薬群20・4%、ドネペジル群19・5%で有意差はみられなかった。ロバート氏らは「12週間の試験では、アルツハイマー病患者の興奮症状に対しドネペジルは効果がなかった」と結論付けている。ドネペジルは軽度〜中等度のアルツハイマー病の進行を抑える薬剤として知られている。(くまにち)

アルツハイマー病について
脳の神経細胞が急激に破壊される認知症です。ついさっきのことを忘れるなどの記憶障害から始まり、症状は緩やかに進行します。初期には運動麻痺などの神経症状を伴わないのが特徴ですが、妄想などの症状は、比較的早く現れます。運動機能が保たれている分、徘徊などの行動が問題となります。

脳の神経細胞の病的な破壊が進み、神経が萎縮していくことが原因です。アルツハイマー病になると、アミロイドベータという異常たんぱく質がたまることが突き止められてから、これを標的とする治療法の開発が進んでいます。

対メタボリック新サプリメント「ミドルナビ」:ファンケル

ファンケルは20日、メタボリックシンドロームに着目したサプリメント「ミドルナビ」を自社通販及び自社直営店舗で発売する。

同製品は、ファンケル総合研究所で内臓脂肪への働きを確認している“ガルシニア”、中性脂肪・コレステロール値への期待ができる“ウコン”、善玉物質の分泌促進や悪玉物質の産生抑制に関わる“ニームリーフ”などを配合し、トータルでメタボリックシンドロームに働きかけるもの。“ウコン”は飲酒対策で有名だが、メタボ素材として配合されるのは、初めてだとみられる。(健康美容EXP)

ウコンについて
ウコンはインドや中国で古くから、黄疸など効く生薬として重宝され、日本でも肝臓や胃腸の薬、強心薬として使われていました。

現在もウコンの薬効には定評があります。肝臓障害を改善・予防し、肝臓の機能強化にはたらくとされていますが、これは、ウコンの主成分であるクルクミンの強い解毒作用と胆汁の分泌を著しく促進する作用によるものと考えられています。

また、近年の研究では、クルクミンは大腸がんを抑制することが明らかになり、クルクミンを経口摂取すると腸管でテトラヒドロクルクミンというさらに強力な抗酸化物質に変化することもわかっています。

統合失調症の発症関連遺伝子「Fabp7」を特定:理化学研究所

統合失調症の発症に関与するとみられる遺伝子を、理化学研究所の吉川武男チームリーダー(精神医学)を中心とするグループがマウスの実験で突き止め、13日付の米科学誌に発表した。

この遺伝子は、脳でドコサヘキサエン酸(DHA)などの不飽和脂肪酸と結び付くタンパク質をつくる「Fabp7」。脳が発達する胎児期にこれら脂肪酸が不足したことが、発症に影響している可能性を示す。確認されれば、妊婦への栄養指導による発症予防にも道を開くという。

グループは、大きな音を聞く直前に小さな音を聞くと、通常は大きな音だけのときより驚き方が小さくなるのに、統合失調症患者では驚きが変化しにくいことに着目。
マウスの中にも患者のように驚きが変化しにくいタイプを見つけ、正常に反応するマウスと比較し、この反応をつかさどる遺伝子がFabp7であることをまず突き止めた。(共同)

統合失調症について
統合失調症は、精神疾患の中でも最も慢性・消耗性の疾患で、世界人口の約1%が罹患していると言われています。統合失調症では、明晰な思考、感情のコントロール、決断、他者との繋がり、といった患者の社会的能力が阻害されます。

成人期初期に発病(発現)することが多く、幻覚や妄想といった陽性症状と社会的引きこもりや感情鈍磨といった陰性症状が特徴的です。 アメリカでは、200万人以上の人が統合失調症を罹っていますが、服用している薬剤を頻繁に変更する患者が少なくありません。

薬剤を変更する主な理由として、治療の効果が不十分なことや、体重増加や錐体外路系症状などの抗精神病薬による副作用が現れることが挙げられます。

がん検診受診率は50%前後:がん対策に関する世論調査

内閣府が十日付で発表した初めての「がん対策に関する世論調査」で、がん検診を「重要と思う」と答えた人が94%に上る一方、実際に検診を受けたことがある人は、部位別に61〜44%にとどまることが分かった。

がん検診の必要性を認識しながら必ずしも受診に結び付いていない実態が浮き彫りになった。厚生労働省がん対策推進室は「現状を重く受け止め、検診を受けてもらうための態勢づくりを進めたい」としている。

受診した経験がある人の割合が最も高かった検診は子宮がん(女性のみ)の61%で、次いで胃がん53%、乳がん48%、肺がん47%、大腸がん44%の順になった。

厚労省は胃がん、肺がん、大腸がんは毎年、子宮がんと乳がんは二年に一回受診するとした指針を策定。この指針に照らすと、一年以内に胃がん検診を受けた人は29%、二年以内に子宮がん検診を受けた人は39%と大幅に低くなった。(中国新聞)

子宮がんについて
子宮頸がんは、若い人では子宮入り口の子宮膣部に、高齢者では頚管にできやすちという特徴があります。早期がんは、かつては40〜50歳代に多くみられましたが、細菌は発症年齢がかなり低くなってきています。

子宮頸がんの原因は、ヒト・パピローマウイルス(HPV)というウイルスです。 このヒト・パピローマウイルス(HPV)は性交渉により感染します。また子宮体がんはホルモン分泌の乱れが関係しているといわれています。

初期にはあまり自覚症状がないのが普通ですが、ある程度進行すると、不正出血や月経期間の延長などがみられます。さらに進行するとおりものの異常や下腹部痛、発熱などが現れるようになります。

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