無毒型「O-157」が東南アジアで分布:ワクチン開発の可能性も

重い食中毒の原因になり、腎不全や脳症を招いて死亡することもある腸管出血性大腸菌「O-157」の中で、毒素を作らないタイプがアジアに広く分布していることを、京都大東南アジア研究所の西渕光昭教授らが、マレーシア、タイ、中国などとの共同研究で突き止めた。

アジアでは衛生状態が悪いのに患者が少ない地域があり、このタイプに感染して免疫ができたのが一因と見られる。牛などに投与して、毒素を出す菌を減らすワクチンの開発に役立つ可能性もある。

また、日本とタイで健康な人の血清中にあるO-157に対する免疫抗体の保有率を調査。日本の2%に対し、タイは21%だった。

専門家の間では、日本などの先進国では過剰な清潔志向が細菌との共生関係を崩し、抵抗力を奪っているという意見もある。西渕教授は「日本ほど厳密ではない衛生状態が、免疫の獲得に有利に働いているのではないか。ただ、人間へ投与するのは、安全性が十分に確認されていないため、現段階では勧められない」としている。(YOMIURI ONLINE)

腸管出血性大腸菌(O-157)
人の腸内にはもともと多数の細菌が常在しています。大腸菌もその一種ですが、飲食物などとともに進入して下痢の原因になる大腸菌があり、病原性大腸菌と呼ばれています。

この中には、ベロ毒素という病原性の強い毒素を産生するものがあり、腸管性出血性大腸菌と呼ばれ、これが感染して起こる病気です。現在日本で最も多く検出されるものが「O-157」の番号をつけられた大腸菌です。

牛の大腸に常在している菌で、牛の腸の内容物に汚染された食品や水が感染のおもな原因となります。4〜8日の潜伏期を経て、水溶性の下痢と腹痛が起こり、翌日には血便が出るようになります。吐き気、王と、発熱がみられる場合もあります。生や加熱不十分な食品には注意が必要です。

抗がん剤「アラノンジー静脈注射剤」(一般名ネララビン)が発売

グラクソ・スミスクライン社は、抗がん剤「アラノンジー静脈注射剤」(一般名ネララビン)を、再発・難治性のT細胞急性リンパ性白血病(T-ALL)、T細胞リンパ芽球性リンパ腫(T-LBL)の適応薬として発売を開始した。

白血病悪性リンパ腫の中でT細胞系の腫瘍は、B細胞系やNK細胞系など他の腫瘍に比べ、化学療法に対する反応性が低い。アラノンジーは、腫瘍細胞内のDNA合成を妨げ細胞死を起こす。標準治療法が確立されていない再発・難治性のT-ALLとT-LBLに有効な薬剤と初めて認められた。

同社によると、国内では06年から患者11人を対象にアラノンジーの治験を実施中だが、投与開始後に2人が完全寛解、3人が、根治の可能性が高い造血肝細胞移植をできるまで回復した。今後、全症例の使用成績を追跡調査する。(くまにち)

白血病について
骨髄や脾臓など血液をつくる器官で、未熟な白血球系細胞が無制限に増殖し、正常な白血球の増殖を阻害するもので、造血気のがんといえる病気です。

白血病では、肝臓、脾臓、リンパ節、腎臓、脳など全身の臓器に白血病細胞が増殖します。病気自体は少ないものの、発症すると出血や細菌感染が起こり、生命の危機に陥ります。

悪性リンパ腫について
全身のリンパ節やリンパ組織にできるがんです。頚部や脇の下、足の付け根(鼠頚部)などにあるリンパ節から生じた場合は、グリグリしたしこりが感じられます。

左右の肺の間(縦隔)にできると、初期はほとんど症状が出ませんが、進行してから呼吸困難などの症状が現れます。腹部では、腹痛、おなかの張りがみられます。体重が減少することもあります。

病院勤務医の約9割は診療以外の事務に負担感

病院勤務医の約9割は、本来の診察以外の事務作業の多さに負担を感じていることが、全国の社会保険病院の常勤医を対象にした調査で分かった。

中でも、大きな負担となっているのは、診断書や紹介状などの書類作成、電子カルテのデータ入力といった作業。調査を行った全国社会保険協会連合会(東京)は、「医師が本来の業務に専念出来ずに疲弊している。欧米などで導入されている医療クラーク(事務員)の活用など、業務分担が急務だ」と指摘している。

調査は今年8月、全国52の社会保険病院のうち、250床以上を中心とした31病院の常勤医1406人にアンケート方式で行い、931人から回答を得た。(YOMIURI ONLINE)

医療クラークについて
診断書や紹介状の作成補助など、これまで医師が行ってきた事務を補助的に行います。厚生労働省は「医療クラーク(医療秘書)制度」を08年度から導入し、人件費などの費用は診療報酬改定で手当てする方針です。日本医療教育財団が実施する民間の資格はありますが、国家資格ではありません。

茅ケ崎市立病院でC型肝炎の院内感染

神奈川県茅ケ崎市は、茅ケ崎市立病院で心臓カテーテル検査を受けた60〜70代の男性患者5人が、院内感染でC型肝炎を発症したと発表した。使い捨て機器を使い回して感染が広がった可能性が高く、仙賀裕院長は患者と家族に謝罪した。

病院によると、C型肝炎の70代の男性患者が、心臓病のため昨年12月と今年3月に心臓カテーテル検査を受けた。この患者の直後に、同じ検査をした2人が感染。そのうち1人が4月に再検査を受け、その直後に検査した3人も感染した。
70代の患者と5人のC型肝炎ウイルスの遺伝子型がほぼ一致した。5人は肝機能障害を起こしたが、インターフェロン治療などで、現在は改善しているという。

病院の調査委の調べで、検査の際に血圧を電気信号に変えて計測する使い捨ての変換器を、続けて使っていたことが分かった。病院の担当者は25日の会見で「臨床工学技士が交換していなかった。医師は交換していると思い込み、確認を怠った」と説明した。(毎日.jp)

C型肝炎の治療について
インターフェロン(ウイルスや細菌の増殖を抑えたり、がん細胞を攻撃したりするナチュラルキラー細胞を活性化する働きがあるたんぱく質)での治療が主体となりますが、発熱、悪寒、全身倦怠感などの風邪に似た症状や、血小板、白血球の現象などの副作用が生じるケースも少なくないので、肝炎の状態を考慮しながら慎重に行います。

血液中のC型肝炎ウイルスの量が多い場合は、抗ウイルス薬のリバビリンの内服を併用します。近年は、新しいタイプのコンセンサス・インターフェロンが開発され、従来のものに比べて数倍の効果が期待できます。また、鉄分をひかえた食事が重要だとされています。

フコイダンに抗がん剤の副作用抑制効果:水産会社が特許取得

鳥取県の水産品加工会社「海産物のきむらや」が、海藻のモズクが持つぬめり成分から抽出した高分子の多糖類「フコイダン」が、抗がん剤の副作用抑制剤として特許登録された。
地方の中小食品会社が薬剤の副作用抑制剤で特許を取得するのは過去に例がないという。

同社は沖縄産を使った味付きモズクを主力商品として製造しているが、約14年前にモズクから分泌されるぬめり成分の抗菌作用に着目。島根大学との共同研究により、フコイダンが持つ抗がん剤の副作用抑制効果や胃がん細胞の増殖を抑える効果を試験管レベルの実験で確認し、平成14年に特許を出願した。

同社によると、フコイダンは分子量が高い高分子ほど粘りが強く、健康作用が期待できる。今後、医薬品としての製品化を目指し、鳥取大医学部と臨床実験の準備を進めており、特許登録は医薬品開発の足がかりになるとしている。(産経ニュース)

抗がん剤の副作用
抗がん剤の代表的な副作用は、嘔吐、強い悪心(むかつき)、骨髄抑制、脱毛、口内炎、下痢や便秘、肝臓や腎臓の障害などです。この中でも特に重大で、しばしば治療を中断する原因となる副作用が、骨髄抑制です。

骨髄抑制とは、血液中の血球(赤血球、白血球、および血小板)をつくる骨髄の働きが抑えられることをいいます。例外的な薬もあるものの、従来の抗がん剤のほとんどは、強い骨髄抑制を起こすことが知られています。

ジフテリア毒素に抗がん作用:卵巣がん患者に臨床試験

弱毒化したジフテリア毒素に抗がん作用があることを、大阪大微生物病研究所の目加田英輔教授(細胞生物学)と福岡大医学部の宮本新吾准教授(産婦人科学)らが動物実験で突き止め、12月から卵巣がん患者を対象に、新薬としての安全性を確認する臨床試験を、両大学で始めた。

新薬の候補となっているのは、ジフテリア菌の変異株の一種が分泌するたんぱく質「CRM197」。本来は心疾患などを引き起こす毒素だが、突然変異で分子構造が変化し、毒性は数万分の1に弱まっているという。(YOMIURI ONLINE)

卵巣がんについて
卵巣がんには、最初からがんとして発生する原発性と胃がんや乳がんなどから転移した転移性があります。最も多いのは、卵巣の表面を覆っている上皮細胞から発生する原発性の腺がんで、一般に卵巣がんといえば、これを指します。

卵巣がんは「サイレント・キャンサー」といわれ、初期はほとんど無症状です。
がんが大きくなって初めて、下腹部にしこりができたり、お腹が膨れたり、トイレが近いとか下腹部痛などの自覚症状が出てきます。症状が現れたときには、すでに手遅れというケースも少なくありません。

卵巣がんは、小さいうちに見つけるのはなかなか困難です。異変を早く知るためには、子宮がんの検診の際に、卵巣を詳しく観察することができる経膣エコー(超音波検査)で、卵巣がんの検査をしてもらうことが大切です。

世界の新たながん患者、2007年は1200万人:アメリカがん協会

米がん協会(ACS)は、2007年に世界で新たにがんが分かった患者は1200万人を超えるとの推計を発表した。死者は約760万人で、毎日約2万人ずつ死んでいることになる。
新患者を発がん部位別にみると、男性は肺約111万人、前立腺約78万人、胃約69万人の順で多く、女性は乳房約130万人、子宮頸部約56万人、大腸約54万人の順だった。

ACSの報告書は、発がんリスクを高める要因として、たばこや酒ののみ過ぎ、肥満、B型肝炎やエイズ、ヘリコバクター・ピロリ菌などの感染症を指摘。

たばこの害については、2000年に世界で約500万人が喫煙が原因で死亡したと推定され、このうち3割の142万人が肺がんなどのがん患者だったとし、20世紀にたばこが原因で死んだとみられる人は世界で1億人に上るとしている。(FujiSankei Business)

がんについて
がんは、正常な細胞が突然変異を起こしてがん細胞となり、無秩序に増殖する病気で、体のさまざまな臓器や組織に発生します。細胞が変異して固まりになったものを一般に腫瘍といい、良性の腫瘍と、がん細胞からできる悪性腫瘍とに分けられます。

がん細胞は、正常な細胞のように一定のサイクルで成長して死んでいくといった新陳代謝を繰り返すのではありません。放置すると、いつまでも分裂と増殖を続けます。

やがて、増え続けたがん細胞はほかの正常な組織に行き渡るはずだった栄養分までを奪い取ってしまい、体を衰弱させます。さらには、多臓器不全を引き起こすなどして、生命をおびやかすのです。

エコノミークラス症候群の発症:年齢層に偏りはなし

足の静脈にできた血栓が肺の血管を詰まらせる肺塞栓症(通称エコノミークラス症候群)が、30代から70代までの幅広い年齢層で見られることが、日本旅行医学会の初の疫学調査で分かった。

専務理事の篠塚規医師は「高齢の女性に多いと言われてきたが、英国の大規模統計ではどの年齢でも起きており、男女比はほぼ1対1。それに近い結果」と話している。

国内ではこれまで、成田空港で倒れた症例など限られたデータしかなかった。同学会は英国の統計を基に、身長、体重、フライト区間、座席、発症場所、病歴などの詳細な調査票を作成。
ホームページなどで広く協力を呼び掛けた結果、2006年の1年間で国際線搭乗後に足の血栓や肺塞栓を起こした症例が22例集まった。(jiji.com)

エコノミークラス症候群について
長時間、足を動かさないで座っていると、脚の静脈にできた血のかたまり(血栓)が、血流にのって肺に達し、肺の血管に詰まる病気です。呼吸困難、胸痛、動悸、死亡するケースもあります。

飛行機の着陸後、血栓ができた状態で席を立ち、歩き出すと、足の静脈の血液が勢いよく流れ、血栓が血流にのり、肺の血管を詰まらせるのです。飛行機以外にも電車や車、映画館など、一定の姿勢のまま長時間動かないと発症の危険があります。

発症を防ぐには、ベルトを緩める、水分の補給、かかとやつま先を上げ下げする運動などが効果的です。

国内初のADHD治療薬「コンサータ」が発売:ヤンセンファーマ

ヤンセンファーマ社は19日、小児の注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療薬「コンサータ」(一般名・塩酸メチルフェニデート)を発売した。

同疾患の治療薬が販売されるのは国内で初めて。依存性の高い向精神薬「リタリン」と同じ成分のため、同社は販売開始に合わせて、処方できる医師や薬局を限定する登録制にし、流通を管理する仕組みを導入した。

同社によると、コンサータは同疾患の治療薬として、2000年8月に米国で初承認された後、世界70か国以上で使われている。国内では原則18歳未満の患者に対して、有効成分の量が異なる2種類の錠剤が販売される。(YOMIURI ONLINE)

注意欠陥・多動性障害(ADHD)
不注意、過活動、衝動性を特徴とするもので、7歳前に発症する持続性の障害です。
約4%の子供にみられますが、男子に圧倒的に多いといわれています。

興味のあることには集中できますが、嫌いなことやよくわからないことにはほとんど関心を示さず、落ち着きがありません。1つのことを続けてやることが困難で、不注意による失敗をしやすく、人の話を聞いていることも苦手です。

緑茶をよく飲む男性、進行性前立腺がんのリスクが低下

緑茶をよく飲む男性ほど、進行性の前立腺がんになる危険性が下がることが、厚生労働省の研究班(班長=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の大規模調査でわかった。
1日5杯以上飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ、危険性は約半分だった。

研究班は、40〜69歳の男性約5万人を対象に、1990年代初めから10年以上にわたって追跡調査。404人が前立腺がんを発症した。うち114人は、前立腺以外にもがんが広がっている進行性がん、271人が前立腺にがんがとどまっているタイプと診断され、19人は不明だった。

こうした患者の食生活を調べたところ、緑茶を1日5杯以上飲む習慣がある人は、1日1杯未満の人に比べて、前立腺がんになる確率自体は変わらなかったものの、進行性のがんに発展する危険性は52%に減った。(YOMIURI ONLINE)

前立腺がんについて
前立腺がんは、欧米ではとても頻度の高いがんです。日本でも増加傾向にあり、今後、食生活の欧米化や人口の高齢化を考えると、さらに増えていくと思われます。
50歳以降から加齢とともに増加する、男性の高齢者のがんといえます。

前立腺がんは、初期では無症状のことも少なくありません。進行すると、尿路通過障害として排尿困難や頻尿、残尿管などが現れます。
膀胱や尿道まで浸潤すると、排尿痛や血尿が出ることがあります。

前立腺がんの診断には触診(直腸内指診)が重要で、肛門から指を挿入して病変の有無を確認することができます。また、腫瘍マーカーのPSAが診断や治療効果の判定に重視されています。

これらの初期診断でがんが疑われたら、前立腺超音波や膀胱尿道造影を行ないます。
似たような症状を示す前立腺肥大症や前立腺炎との鑑別が大切で、診断が難しい場合には、超音波で病変を確認しながら細胞を採取して、病理検査を行ない診断を確定させます。

交通事故の重傷者3割が精神疾患:厚生労働省研究班

交通事故で重傷を負い、救命救急センターに搬送された患者の3割が、約1カ月後にうつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患を発症していたことが、厚生労働省研究班(主任研究者、金吉晴国立精神・神経センター部長)の調査で19日、分かった。

こうしたケースで精神科医が患者に直接会い、さまざまな心の病気の有無を調べた調査は初めて。救急医療の進歩で重傷者らの救命率は向上しているが、精神的ケアも極めて重要であることを示すデータだ。米集中治療医学会誌に近く掲載される。

調査は国立病院機構災害医療センター(東京都)の救命救急センターで2004年5月から実施。搬送の24時間後から患者に精神科医らが面接し、18歳から69歳までの100人の状態を追跡した。頭部にダメージのある人や、以前から精神疾患のある人らは対象から除いた。(shikoku.news)

PTSDとは?
「心的外傷後ストレス障害」の略語で、戦争、災害、事故など、過酷な体験後に現れる、さまざまな精神的・身体的症状をいいます。人はつらい出来事があって精神的ダメージを受けても、時間の経過によって徐々に回復していきます。

しかし、PTSDの場合は、不眠、悪夢、健忘、不安などが長期間続きます。また、ふとしたきっかけで、そのときの状況が生々しくよみがえる「フラッシュバック」が起こり、体験の記憶がなかなか消えません。PTSDの回復には、体験を言葉にしたり、絵を描いて表現する治療法が効果をあげています。

多胎妊娠防止へ新指針:子宮に戻す受精卵は2個まで

日本産科婦人科学会は15日、理事会を開き、体外受精で子宮に戻す受精卵の上限数を、従来の原則3個から、2個へ改正する会告(指針)案を承認した。母子への危険性が大きい多胎妊娠を防ぐのが狙い。

ただし2個戻した場合、依然として多胎妊娠の可能性が高いため、会告に「子宮に戻すのはできるだけ1個を目指す」と付け加える。今後、学会員の意見を聞いた上で、4月の学会総会で正式決定する。

同学会は、多胎妊娠を防ぐため、子宮に戻す受精卵の数を会告で原則3個以内としてきた。しかし、最近の生殖医療技術の発展で、子宮に戻す数を1〜2個に減らしても妊娠率は変わらず、すでに国内の不妊治療施設では2個以内が主流になっていることから、会告を改正することにした。

また、多胎妊娠の増加に伴い、綿密な健康管理の必要な母親や未熟児が増え、産科医不足で余裕のない周産期医療の現場をさらに圧迫していることも考慮したという。(YOMIURI ONLINE)

多胎妊娠とは?
多胎妊娠とは2人以上の胎児が同時に子宮内に存在する状態をいいます。
双胎妊娠には一卵性双胎と二卵性双胎とがあります。二卵性双胎は2個の受精卵から発生したもので、2個の胎盤があり、二絨毛膜二羊膜となります。
一卵性双胎は1個の受精卵が分裂することにより発生し、分裂の時期により二絨毛膜二羊膜、一絨毛膜二羊膜、一絨毛膜一羊膜のいずれかとなります。

多胎妊娠は、早産、妊娠中毒症、胎児発育や羊水の異常が合併しやすく、このような異常の早期発見、早期治療が非常に重要です。慎重な管理を行えば、このような合併症の発症を抑えることができますが、異常に気づくのが遅いと、赤ちゃんに重大な後遺症を残すことにつながる可能性があります。

乳がん細胞悪性化の仕組みを解明:大阪バイオサイエンス研究所

乳がん細胞が悪性化して転移しやすくなる仕組みを、大阪バイオサイエンス研究所の佐辺寿孝部長(分子生物学)らのグループが解明し、16日付の英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー電子版に発表した。

GEP100と呼ばれるタンパク質が、2種類のがん関連物質と連携することで悪性化が引き起こされていた。佐辺部長は「この連携を邪魔することができれば新たな抗がん剤開発につながる」と話している。

グループはがん細胞の増殖に関係する上皮成長因子(EGF)受容体に着目。受容体の根元にGEPがくっつくと、細胞内に眠っていてがんの悪性度にかかわるArf6という物質が活性化しやすくなることを突き止めた。

初期の乳がん細胞は乳腺にとどまっているが、進行すると悪性化してリンパ節などに転移する。ただ詳しい仕組みはこれまで不明だった。(shikoku.news)

乳がんについて
日本は欧米に比べて乳がんが少ないといわれてきましたが、近年は増加傾向にあり、毎年2万人を超える人が乳がんにかかっています。女性特有のがんと思われがちですが、患者の約1%は男性です。

女性の場合は、以下に当てはまる場合がハイリスクの傾向としてあげられています。
1.独身者 2.出産経験がないか少ない 3.第1子高齢出産者(30〜35歳) 4.初潮が早い(11歳以下)5.近親者に乳がんになった人がいる 6.閉経が遅い(55歳以上) 7.乳腺の病気の既往歴 8.肥満 9.タンパク質、脂肪の摂取が多い

乳がんの場合、他の多くのがんと違って全身症状はなく、最も多いのは乳房のしこりで、乳がん患者の90%以上の人にみられます。そのほかには、乳頭からの分泌物、乳房のえくぼやひきつれなどの皮膚の変化、腋の下のしこり、腕のむくみなどがみられます。

国内初の尖圭コンジローマ治療薬「ベセルナクリーム」が発売

持田製薬は、国内では初めてになる性感染症の一つ尖圭コンジローマの治療薬「ベセルナクリーム」(一般名イミキモド)を発売した。

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスの感染で発症し、男女とも性器などに乳頭状、鶏冠状の病変が現れる。感染してからイボなどの症状が現れるまで平均3カ月と潜伏期間が長い。

国内では電気焼酌やレーザー蒸散、切除といった外科的療法で処置されており、薬剤での治療法はなかった。ベセルナクリームは、ウイルスに感染された細胞の増殖を抑制。患者が持っているウイルス感染防御システムを介して病変部を消失させるという。(くまにち)

尖圭コンジローマについて
外陰部、会陰、肛門の周囲、子宮頚部などに小さないぼ(腫瘍の一種)ができる病気です。子宮頸がんの発生にも関係しているヒトパピローマウイルスの感染が原因で、放置するとどんどん拡がっていきます。

自然に治ることもありますが、治療には電気凝固、外科的切除、冷凍療法、レーザー療法、制がん剤軟膏の塗布などを行います。どの治療法にするかは、いぼのできている場所や範囲によって判断されますが、いずれにしても完治までには相当の時間が必要です。

喫煙者の糖尿病発症リスクは吸わない人の1.44倍

「たばこを吸う人が糖尿病にかかるリスクは、吸わない人の1.44倍」−。スイス・ローザンヌ大学の研究チームは米国医師会(AMA)の機関誌最新号でこんな調査結果を発表し、愛煙家に警鐘を鳴らした。

ローザンヌ大のウィリ教授らの研究チームは、過去に公表された喫煙と糖尿病の関係に関する25の調査を分析。最大で過去30年さかのぼり、約4万6000人の糖尿病患者を含む120万人のデータなどを調べた。

その結果、1日に1箱(20本)以上吸うヘビースモーカーが糖尿病にかかる恐れは、吸わない人の1.61倍。また、禁煙に成功した人でも1.23倍になることを突き止めた。研究チームは、喫煙が血糖値を下げるインスリンの働きを低下させる可能性があるとみている。(jiji.com)

糖尿病について
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、インスリンの作用が低下する病気です。インスリンには、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギー源として筋肉に蓄えたり、脂肪として長期的に貯蔵するのを促進するはたらきがあります。

インスリンの作用が低下すると、血液中のブドウ糖が細胞で利用されないため、血液中の濃度が上昇し(血糖値が上がり)、尿中にも糖が混じるようになります。

糖尿病が進行すると、細小血管がおかされ、糖尿病網膜症糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの合併症が現れます。また、メタボリック症候群と呼ばれる病態に加え、禁煙などの危険因子が重なると、動脈硬化を基盤とした大血管障害を合併し、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。

足の筋肉細胞からシートを作成、心筋機能回復:大阪大病院

重い心臓病で心臓移植を待っていた患者に、足の筋肉の細胞をもとにシートを作って心臓の周囲に張り付け、機能を回復させる治療に、大阪大病院などのチームが成功した。
自分の細胞を利用した治療で移植待機患者が助かったのは世界で初めて。担当している同病院未来医療センター長の澤芳樹教授(心臓血管外科)は「心臓移植に代わる有力な選択肢になりうる」と話している。

治療は、太ももの筋肉を10グラム程度切り出し、筋肉の細胞のもとになる「筋芽細胞」を見つける。これを直径4センチほどのシート状に培養したうえで、多数のシートを3〜4重に重ねて心臓の表面に張り付ける。

男性患者は2004年ごろ拡張型心筋症になり、06年1月に悪化して入院。同年2月に補助人工心臓をつけたが、症状が重く、同年8月に日本臓器移植ネットワークに登録した。

今年3月末に筋芽細胞を採取し、2か月かけて25枚のシートを培養。5月末に全身の血液を送り出す左心室を中心に張り付けた。その後、心臓の収縮率や血液を送り出す量が急速に回復。
現在は、ほぼ正常な状態まで機能が回復し、日常生活にはほとんど支障がないという。退院後は服薬治療を続け、経過を見る予定。(YOMIURI ONLINE)

拡張型心筋症について
血液を送り出す心室の内腔が拡大します。心筋の収縮力が低下するために血液を送り出しにくく、しばしばうっ血性心不全を起こすほか、不整脈や血液のかたまりが血管内に詰まる塞栓症をともなうこともあります。

おもな症状は、動悸、疲労感、呼吸困難、むくみ、胸部圧迫感、不整脈などを生じます。治療には、心不全対策、不整脈や塞栓症予防のために薬剤を用います。重症の場合は、心臓移植も考えます。

受動喫煙で肺がんがリスク2倍に:厚生労働省研究班

自分はたばこを吸わないのに夫が吸う女性は、夫も吸わない女性と比べ肺腺がんになる危険性が約2倍高まるとの疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が12日発表した。夫の1日の喫煙量が20本以上だと、リスクがさらに高まるという。

同センターの最新の推計値によると、2001年に肺がんを発症した女性は2万1000人あまり。別の調査では、肺がんの女性の約70%は非喫煙者とのデータもある。
調査をまとめた倉橋典絵・国立がんセンター予防研究部研究員は「分煙を進め、他人のたばこの煙を避けることが重要だ」と話している。

調査は岩手、秋田など全国8県の40−69歳のたばこを吸わない女性約2万8000人が対象。平均13年間の追跡調査で109人が肺がんと診断された。
このうち肺の奥(末梢部分)などにできる腺がんだったのは82人で、さらに夫が喫煙者、もしくは以前喫煙者だった女性は67人。統計学的な計算によると30人は受動喫煙がなければ肺腺がんにならずに済んだはずだという。

肺がんには最も発生頻度の高い腺がんを含め4種類あるが、肺がん全体でも、受動喫煙でリスクが高まる傾向があったという。(中日新聞)

肺がんについて
肺がんが治りにくい背景には、早期には症状が起きにくく、発見されにくいという特徴があげられます。また、肺門部にできるがんに比べ、肺野部(抹消部)のがんは、さらに症状が起こりにくいので厄介です。

最初に気付く症状は、咳や痰、血痰です。特に、一日にたばこを30本以上吸う人で、血痰が出た場合は危険信号ですので、早急に受診してください。呼吸困難、胸の痛みなどもみられます。
がんが進行すると、声がかれることもあります。声帯を動かす神経は肺のそばを通っており、がんがその神経を障害することがあるためです。また、大きくなったがんが食道を圧迫すると、食べ物や飲み物が喉につかえるようになります。

肺がんの早期の症状の多くは、風邪などでも起こる症状で、肺がんに特徴的というわけではありません。症状から肺がんを早くに発見することは困難ですので、ヘビースモーカーの方は特に、定期的な検査が重要となっています。

PETで体内のタミフルを画像化:放射線医学総合研究所

インフルエンザ治療薬タミフルが、ラットの体内で臓器に取り込まれる様子を、陽電子放射断層撮影装置(PET)を使って画像化する薬剤を開発したと、放射線医学総合研究所(千葉市)の張明栄チームリーダー(放射性医薬品化学)が発表した。

タミフルの挙動を生きたまま確認できる手法は初めてという。タミフルは、人間の子どもの異常行動との関連が注目されているが、人への臨床応用には倫理上の課題があり、張さんは「まずラットの脳で(影響を)調べたい」と話している。

研究では、タミフルを構成する炭素の1つを放射性同位元素に置き換えた薬剤を合成。生後4週目のラットに投与し、この薬剤から出る陽電子を小型PETでとらえた。

その結果、タミフルは時間がたつにつれ腎臓、小腸などに移動。脳には投与の20分後に総量の約0・15%が届いていたが、取り込まれる割合としては小さいという。脳に入った後、すぐに代謝され別の物質に変わることも分かった。(四国新聞社)

陽電子放射断層撮影(PET)とは?
RI(ラジオアイソトープ=放射性同位元素)を体内に投与し、RIが体外に発する放射線を検出器で測定し、コンピュータ処理して断層画像を得られるようにした検査です。
さまざまなRIを用いて、糖代謝、タンパク代謝、酸素消費量などを調べることができます。

人体組織内の糖代謝を調べる「FDG-PET」が最もよく行なわれています。多くの腫瘍で糖の代謝が亢進することを利用した検査で、非常に小さい段階での腫瘍発見に有用な場合があります。
しかし、RIが高価で半減期が短いため一部の医療機関でしか受けることができないのが難点となっています。

感染症の原因菌を防ぐたんぱく質を発見:予防薬開発に期待

東北大学の後藤彰研究員と大阪大学の審良静男教授らはドイツ・フランスなどの研究チームと共同で、感染症の原因菌を防ぐ役割を持つ新しいたんぱく質を見つけた。
ほとんどの動物種が共通して持っており、細菌など外敵が体内に侵入する際に働く免疫機能に関係していた。自己免疫疾患の治療や感染症の予防薬開発などに将来役立つ可能性があるという。成果は米科学誌ネイチャー・イミュノロジー(電子版)に掲載された。

ハエから見つけ「アキリン」と名付けた。常に細胞の核にあり、体内で炎症反応を起こすたんぱく質と連動して活発化していると考えられるという。感染症などの原因にもなるグラム陰性菌の感染・増殖を防ぐ機能を果たしており、人でもアキリンと同様のたんぱく質が見つかった。(日経産業新聞)

グラム陰性菌について
特有の外膜を有しており、菌体内への薬剤の浸透を阻んでいます。このため、抗生物質が効きにくいという特徴があります。また、グラム陰性菌の外膜にはリポ多糖体分子が多く存在しており、これが血流に入ると、高熱や命にかかわる血圧低下が生じることがあります(菌血症、敗血症、敗血症性ショック:)。

携帯電話の長時間使用で耳下腺腫瘍のリスクが増加:イスラエル

携帯電話を頻繁に使用すると、腫瘍のリスクが高まる。イスラエルの研究グループによるこうした研究結果が、7日発行の米専門誌「Epidemiology」に発表された。

イスラエルのChaim Sheba医療センターのSiegal Sadetzki博士(がん、放射線療法専門)率いる研究チームは、世界保健機関(World Health Organisation、WHO)のプロジェクトの一環として、2001年から03年にかけて、同国内で耳下腺腫瘍と診断された18歳以上の患者460人(良性402人、悪性58人)を対象に、携帯電話の使用に関する調査を実施した。

調査によると、1か月あたり携帯電話を22時間以上使用した人は、耳下腺腫瘍リスクが約50%も高かった。また、携帯電話を同じ耳に当てて使用した人やハンズフリーを利用しなかった人、都市部以外の利用者のリスクが高かった。

同研究は分析結果として「携帯電話を定期的に使用する人、都市部以外で頻繁に使用する人に限っては、特に耳下腺腫瘍のリスクが高くなっている」としている。(AFP)

耳下腺腫瘍について
耳下腺は唾液を作っている大唾液腺の一つで、耳の前方から下方にかけて皮膚のすぐ下にあり、平らな形で左右一対あります。ここにできた腫瘍が耳下腺腫瘍です。
良性の場合が多いのですが、時に悪性のこともあるので、CTや細胞の検査を行います。良性であっても長期間放置すると悪性に変化することがあります。

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