パーキンソン病治療薬で突然眠り込む:交通事故が23件

パーキンソン病の治療薬を服用した患者が、車の運転中に突然眠り込んだために起きた交通事故が、1996年からこれまでに23件あったことが、製造販売元2社のまとめでわかった。
うち18件は、日本べーリンガーインゲルハイムが発売した「ビ・シフロール」(一般名プラミペキソール)で起きており、同社は、厚生労働省の指示で医療機関に文書を配り、注意を呼びかけている。

患者が交通事故を起こした薬は、ビ・シフロールのほか、同社の「ドミン」(同タリペキソール)、グラクソ・スミスクラインの「レキップ」(同ロピニロール)で、両社は注意を強めるよう使用説明書も改定した。

日本べーリンガーインゲルハイムによると、3年半にわたりビ・シフロールを服用していた40歳代の女性は、時速50キロ・メートルで走行中に眠り込んでガードレールに衝突し、車は大破してあごにけがをした。事故前から、前兆もなく突然眠ってしまうことがあり、事故後に薬を変えたところ症状は消えた。(YOMIURI ONLINE)

パーキンソン病とは?
中脳にある黒質(黒い色素を含む細胞が集まっている場所です)の神経細胞が変性するために、手足のふるえ、筋肉のこわばり、動きの低下などの症状が現れてくる病気です。

不随意運動(無意識に行われる筋肉の動き)をコントロールしているのは大脳基底核で、大脳基底核へ情報を伝だつするのは、中脳の黒質から放出されるドパミンという神経伝達物質です。
その黒質が何らかの影響で損傷を受け、ドパミンが不足して大脳基底核が正常に機能できなくなるために起こると考えられています。

日本における患者数は、平成17年度厚生労働省患者調査より約14万5000人と推計されていますが、50〜60歳代で発症することが多く、高齢化に伴って患者数は増加しています。

抗がん剤の効果の有無を決めるたんぱく質を発見

肺がん手術後の抗がん剤治療で、効果の有無を決めると見られる2種類のたんぱく質を、東京医大第一外科の加藤治文教授らが突き止め、研究論文が英国の医学誌の電子版に掲載された。

転移がない早期がん(病期1期)は、手術により根治が期待できるが、再発も多く、手術後に経口抗がん剤「テガフール・ウラシル(UFT)」を服用する治療が普及しつつある。しかし、食欲不振などの副作用があり、治療効果を予見できる指標を探した。

研究グループは、がん細胞の転移などに関係するミオシンとビメンチンという2種類のたんぱく質に着目。1995〜2001年に病期1期の肺がんで手術を受けた患者のうち、UFTを2年間毎日服用した人と、飲まなかった人の計90人のがん組織を分析した。

その結果、両方のたんぱく質が少ない(組織染色で陰性)患者は、UFTを服用してもしなくても全員が5年後も生存。抗がん剤を飲む必要がないことが分かった。一方、両方のたんぱく質が多い(陽性)患者の5年生存率はUFTを服用した群が50%、無治療群が31%で、抗がん剤の効果が認められた。

肺がん死者は年間約6万3000人で、がんの中で最多。両方のたんぱく質が少ない人の割合は約1割とされる。加藤教授は「無駄な治療を避けられれば、患者は無用な副作用で苦しまないで済むだけでなく、医療費も削減できる」と話す。(YOMIURI ONLINE)

肺がんについて
肺がんの多くは、腺がんと扁平上皮がんという、気管支の粘膜に発生する2種類のがんです。近年の肺がんの増加の背景として考えられているのは、環境汚染と喫煙です。喫煙と肺がんの関係については多くの報告がありますが、大量喫煙者に肺がんが多いのは間違いのない事実です。

現在までの疫学調査によると、喫煙量が多いほど、また喫煙開始年齢が若いほど、肺がん発生率が高くなることがわかっています。一方、禁煙をすれば、徐々に発がん率が低下し、非喫煙者波になることがわかっていますので、禁煙は肺がん対策の基本中の基本とされています。

肺がんの症状は、がんの発生場所や進行状態にもよりますが、呼吸器系に現れる症状は、咳、痰、血痰、胸痛、呼吸困難などで、そのほか発熱、食欲不振、倦怠感などをともなうこともあります。

やせている高齢者は糖尿病リスクが増加

やせている高齢者は、普通の体形の人より糖尿病になるリスクが高いことが、独協医科大の西連地利己助教(公衆衛生学)らの大規模調査でわかった。肥満が糖尿病を招きやすいことは知られているが、「やせ」との関連が浮かんだ研究は珍しい。

調査は茨城県の委託で、93年に同県内で住民健診を受けた当時40〜79歳の男女のうち、糖尿病ではなかった約12万7000人に協力してもらい、04年まで健康状態を追った。糖尿病になったのは8400人余だった。

調べたのは、体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割って出す体格指数(BMI)と、発症リスクとの関係。60〜79歳では、低体重とされるBMI18.5未満の人が発症するリスクは、普通体重とされる同18.5〜24.9の人より、男性で32%、女性で31%高かった。

肥満に当たる同25〜29.9では、男性で18%、女性で31%、普通体重の人たちより高かった。やせた人と太った人で、どちらがより危険かははっきりしないという。

一般に、日本では欧米と比べてやせた糖尿病患者が多く、こうした人は糖を細胞に取り込むインスリンをつくる能力が欧米人より低いと考えられている。

西連地さんは「やせた人は太ればリスクが減るわけではありません。運動や食事に注意するとともに、年に1回程度は健診を受けるようにして」と助言している。(asahi.com)

糖尿病について
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、インスリンの作用が低下する病気です。インスリンには、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギー源として筋肉に蓄えたり、脂肪として長期的に貯蔵するのを促進するはたらきがあります。

インスリンの作用が低下すると、血液中のブドウ糖が細胞で利用されないため、血液中の濃度が上昇し(血糖値が上がり)、尿中にも糖が混じるようになります。

糖尿病が進行すると、細小血管がおかされ、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの合併症が現れます。また、メタボリック症候群と呼ばれる病態に加え、禁煙などの危険因子が重なると、動脈硬化を基盤とした大血管障害を合併し、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。

早期がん発見に新型PET向け診断薬:先端医学薬学研究センター

先端医学薬学研究センターと金沢大学、理化学研究所などの共同グループは、早期がん発見に威力を発揮するとされる陽電子放射断層撮影装置(PET)向けの新しい診断薬を開発した。

現在の診断薬とは異なる原理で病巣に集まるため、見落とすことがあった脳腫瘍や前立腺がんの発見率を向上させるのに有効という。改良を進め数年内の臨床応用を目指す。

開発した診断薬は、たんぱく質の断片(ペプチド)に炭素の放射性同位元素を取り付けた構造。がん細胞は増殖時にペプチドを多く取り込む性質があるため、この薬剤を体内に入れるとがんの病巣に集まりやすい。放射性同位元素を目印に、薬剤が病巣に集まっている様子をPETで観察しがんを見つける。(Nikkei.net)

陽電子放射断層撮影(PET)装置について
RI(ラジオアイソトープ=放射性同位元素)を体内に投与し、RIが体外に発する放射線を検出器で測定し、コンピュータ処理して断層画像を得られるようにした検査です。
さまざまなRIを用いて、糖代謝、タンパク代謝、酸素消費量などを調べることができます。

人体組織内の糖代謝を調べる「FDG-PET」が最もよく行なわれています。多くの腫瘍で糖の代謝が亢進することを利用した検査で、非常に小さい段階での腫瘍発見に有用な場合があります。
しかし、RIが高価で半減期が短いため一部の医療機関でしか受けることができないのが難点となっています。

マウスのES細胞から赤血球前駆細胞株を作成:理化学研究所

マウスの胚性幹細胞(ES細胞)から、赤血球のもとになる赤血球前駆細胞株を作ることに、理化学研究所のグループが初めて成功した。ヒトES細胞や人工多能性幹細胞(iPS細胞)でも同様の細胞株が作製できれば、感染症のリスクがない輸血用赤血球の大量生産につながる。研究は6日付の米オンライン科学誌「PLoS ONE」に掲載された。

グループは、マウスES細胞を分化させて、赤血球を産み出す3種類の細胞株を作製。この細胞株をマウスへ移植し、体内で赤血球を生み出すことを確認した。
重症の貧血を起こさせたマウスの実験では、細胞株を移植しないマウスは3日後に8匹中1匹しか生存しなかったのに対し、移植したマウスは8匹中7匹が生き残り、“輸血”の効果が実証された。

また、移植後約半年を経過しても腫瘍の形成や白血病発症などは見られず、赤血球ができた後の拒絶反応もなかった。同研究所の中村幸夫・細胞材料開発室長は「すでに人間のES細胞で試みている。新しい万能細胞・iPS細胞でも研究を始め、人間の前駆細胞を高率で作れる手法を確立したい」と話している。(産経新聞)

ES細胞とは?
生体の組織や臓器の元となる細胞のことで、幹細胞、または胚性幹細胞とも呼ばれます。受精卵が細胞分裂を繰り返し、ある程度の細胞塊になった頃に取り出して培養することで、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力を持ったES細胞を得ることができます。

友人が少ないと脳卒中リスクが増大か:厚生労働省研究班

一緒にいて安心できる家族や友人がいないなど、社会的な支えが少ない人は、脳卒中による死亡の危険性が高くなることが、厚生労働省研究班の大規模調査で分かった。
研究班は「独居の高齢者も多く、孤立しないよう社会で支える仕組みが必要だ」と説明している。米心臓学会誌電子版に発表した。

研究班は93年から約10年間、茨城や高知など5県の40〜69歳の男女約4万4000人を追跡。期間中に脳卒中で327人、心筋梗塞で191人が死亡した。調査開始時に周囲の支えに関するアンケートを実施。▽一緒にいると心が落ち着き安心できる人はいるか▽週1回以上話す友人は何人か▽自分の行動や考えに賛成し支持してくれる人はいるか▽秘密を打ち明けられる人はいるか−−を尋ねて回答を点数化し、周囲の支えの程度別に4グループに分けた。

その結果、支えの最も少ないグループは最も多いグループより脳卒中による死亡が1.5倍に上った。男性は1.6倍、女性は1.3倍で、65歳以上の男性では周囲の支えが少ない人ほど脳卒中の発症も増えた。一方、心筋梗塞については関連はみられなかった。

研究班の磯博康・大阪大教授は「家族や友人が病気のストレスをやわらげたり、服薬や適切な食生活などを支えてくれることが病状改善につながっている可能性がある」と話している。(毎日.jp)

脳卒中について
高血圧症でいつも動脈に高い圧力がかかっていれば、脳の細い動脈が疲労して、突然詰まったり、出血することがあります。また、動脈硬化があれば、脳の比較的太い血管が詰まることがあります。

そうなると、血液の循環に障害が起こり、酸素や栄養が脳に届かず、その働きが低下したり脳細胞が死亡します。それによって運動機能や言語機能が麻痺したりするのが脳卒中です。
いずれも生命の危機が発生します。脳卒中の起こりかたで脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞などに分かれます。

椎間板変性の患者に再生医療:東海大が臨床研究を開始へ

東海大は、重い腰痛などの原因となる椎間板変性の患者を対象にした再生医療の臨床研究を今春から始めると発表した。背骨をつなぐ椎間板にある細胞を骨髄液内にある幹細胞で活性化させてから患者に戻す手法で、1月に厚生労働省に承認された。

責任者の持田譲治・同大医学部教授(整形外科)によると、3年計画で、腰椎椎間板ヘルニア腰椎分離症、腰椎椎間板症に苦しむ20歳以上、30歳未満の患者10人を対象にする。
こうした患者は傷んだ椎間板を摘出して、その代わりに骨盤の骨を入れて固定する手術を受けるが、しばしば隣接する椎間板も変性が進む。

臨床研究では、この摘出した椎間板から、変性を抑制する働きを持つ髄核細胞を利用。患者本人の骨髄液中にあって、骨や筋肉などさまざまな組織になる幹細胞とともに、この髄核細胞を一緒に培養して活性化させる。活性化させた髄核細胞を変性を起こしている椎間板に注入し、病状悪化を防ぐのがねらいだ。(asahi.com)

腰椎椎間板ヘルニア
椎間板は、背骨に加わる衝撃を和らげるクッションの役目をしていますが、年齢とともに弾力がなくなると、繰り返し負担がかかったり無理な姿勢をとることで、まわりの線維輪に亀裂が入り、中の髄核が押し出されてくることがあります。この髄核が腰髄の神経根を圧迫して、腰痛やしびれを起こすものが腰椎椎間板ヘルニアです。

ぎっくり腰のように、腰に突然激しい痛みが起こる場合と、徐々に痛みが強くなる場合があります。また、ぎっくり腰を数年前から何度も繰り返しているうちに、腰椎椎間板ヘルニアに移行するケースもあります。

腰痛にくわえて下肢のしびれや痛み(坐骨神経痛)が生じます。体を動かすと痛みが強くなるため、しだいに椅子などに座っている時間が長くなってしまいます。

カルシウムに制がん作用:胃がん細胞に対する効果が顕著

崇城大大学院応用生命科学研究科の上岡龍一教授の研究チームが、がんの治療にカルシウムが役立つ可能性があることを細胞レベルの実験で確認した。上岡教授は「カルシウムの制がん効果やメカニズムを実証したのは世界で初めて」としている。

胃がん、大腸がん、肝臓がんの三種の細胞にカルシウムイオンを加える実験を実施。その結果、加えていないものに比べ、カルシウムイオンが水一リットル当たり四百八十〜八百六十ミリグラムの濃度で、胃がんは75%前後、大腸がんは40〜60%、肝臓がんは10〜20%、がん細胞の増殖が抑制され、胃がん細胞に対する効果が顕著だったという。

研究チームは、プラスイオンであるカルシウムイオンが、がん細胞膜のマイナスイオンの脂質分子と結合。その運動を抑え、細胞のアポトーシス(細胞の自殺死)を誘導して増殖を抑制しているのではないかと分析している。

また、胃がん細胞膜の脂質分子が最もマイナスイオンを含んでいるため、胃がん細胞への抑制効果が高かったのではとしている。(くまにち)

胃がんについて
胃がんは日本人に発症するがんのなかで、最も多いがんです。40歳代から増え始め、60歳代が最も多くなります。男女比は、ほぼ2:1と男性に多くみられます。
以前は、死亡率もトップでしたが、近年は低下しています。これは健康診断などで、胃がんの約60%が早期のうちに発見されるようになったためです。早期胃がんは、適切な治療をすることで、90%程度は完治します。

がんが進行すると、病変部に潰瘍をつくるため、胃の痛みや出血といった症状が現れます。激痛ではなく、みぞおちに焼けるような痛みを感じます。
胃炎や胃潰瘍の痛みとの区別は難しいのですが、胃がんの場合は食後に痛むことが多いとされています。また、食事がのどを通りにくくなる、胃が重いなどの症状が出てきます。ただ、がんが進行しても症状が出ないこともあります。

ES細胞から網膜細胞を作成:網膜変性疾患の治療に応用も

あらゆる細胞に分化する万能性を持つヒト胚性幹細胞(ES細胞)から、網膜の細胞を効率よく作ることに理化学研究所と京都大の共同研究チームが成功した。細胞移植によって網膜を再生できれば、失明の恐れがある網膜疾患の根本的な治療法につながると期待される。米科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」(電子版)に3日、掲載された。

視野が著しく狭くなる網膜色素変性や、視力が低下する加齢黄斑変性などの網膜変性疾患は、高齢者の失明原因の上位を占める。網膜はいったん損なわれると修復が極めて困難なため、有効な治療法はほとんど確立されていない。

理研発生・再生科学総合研究センターの高橋政代チームリーダーは「安全性の検証などまだ多くの課題があるが、10年以内に臨床応用の試験を開始したい」としている。

研究チームはマウスやサルのES細胞を使った実験から、網膜細胞を誘導するための2種類の物質を特定。これをヒトのES細胞に使って培養した結果、網膜に栄養を供給する網膜色素上皮細胞や、光を電気信号に変えて脳に伝える視細胞を作り出すことに成功した。(産経新聞)

加齢黄斑変性症について
網膜の中心の黄斑部に、老化によって異常が起こります。網膜の外側にある網膜色素上皮の細胞が老化すると、そこに老廃物がたまってきます。その老廃物を吸収するために、脈絡膜の血管から新たに新生血管ができます。

ところが、急ごしらえの新生血管は、もろくて破れやすいため、出血したり、血液成分が周囲に漏れ出してしまいます。この新生血管が網膜の中に入ってきて、出血やむくみを起こします。

新生血管が黄斑の領域に発生し、黄斑が膨れ上がってきて異常が起こると、視力障害が現れます。初期にはものの中心がぼやけたり、黒ずんで見えたり、ゆがんで見えるようになります。
進行すると、著しい視力の低下があり、みたいものが見えないという状態になります。放置すると失明の危険性もあります。

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